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数字経済 > マーケティング > 「レトロに閉じ込められたメディア」応答せよ1997・1994
コヨーテが今月22日、タイトル曲「1999」でカムバックしながら、2011年封切りし旋風的人気を呼んだ「サニー」を連想される「食傷した」レトロブームをもって出た。
昨年12月には、ティアラがtvN「応答せよ1994」スター「ソン・ホジュン」まで動員し、ミュージックビデオ撮影をしたが、レトロブームを前に出した「私どうしよう」は大きな反響を引き起こすことができなかった。
消費者はレトロブームに「冷淡」な反応をみせている。レトロブームが、最近社会の流れで重要な部分を占めていることを否定することはできないが、視聴者としての好感度と消費者としての立場は両極端で、接点を探せずにいる。
視聴率を上げることが難しい金曜日8時40分の時間帯編成にも、結局10%台を超えてケーブル最多視聴率記録を立てたtvN「応答せよ1994」もやはり「熱血視聴者」軍団をつくりはしたが、「追従消費層」をつくることはできなかった。
「応答せよ1997」、「応答せよ1994」にすべての製品が登場し、90年代中盤の国民バックパックから当時の位相をもう一度想起させたイーストパックは、「応答せよ」特需が売上に続きはしなかったと関係者が明かした。
ブランド関係者は「"応答せよ"を愛聴したが、復古を掲げたドラマ協賛を通じた売上効果は期待できない。"応答せよ"を通じて登場する製品は、現在売れないデザインであったり、消費者の呼応度が低いデザインだ」と話した。
「応答せよ」協賛を通じ、ブランド認知度や好感度が上がる効果はあったが、協賛がすぐに売上に続くその他ドラマと同一な効果に続かなかったということだ。
「応答せよ」に登場し関心を呼び起こした「ボーイロンドン」もやはり、現在のハードロックスタイルのブランドコンセプトとドラマ設定の距離感を克服しにくくみえた。
ボーイロンドン関係者もやはり「ボーイロンドンが以前にもあったんだな、というブランドに対する歴史ないしは認知度は高くなった」とし、協賛自体が売上よりはブランドを知らせる効果が大きかったという点を強調した。
このように、レトロ熱風に対してファッション界は「多少失望だ」ないしは「メディアのレトロブームがファッション市場の消費活性化には全く寄与できない」とし、否定的な視覚を堅持している。
レトロ熱風、主力消費層2535世代「無関心」
以前の時代を眺望した「応答せよ1994」「応答せよ1997」のような類のドラマが、10代から20代序盤の学生層と30代中盤以降40代層で集中的な人気を呼んでいるという点で、レトロブームの消費者限界をあらわにする。
ファッション界主力消費層の30~40歳世代に上向してはいるが、25~35歳世代は依然としてファッション市場を動かす中心勢力だ。
トレンドに敏感であるだけでなく、海外直購入を通じ輸入ブランドと親近になり、インスタント消費に慣れ親しんだ彼らに「応答せよ1997」や「応答せよ1994」は単に主演俳優の味のある演技に対する若干の好奇心を除いては、ドラマで再現する90年代スタイルにこれといった魅力を感じることができない。
ある30代女性は「ドラマのストーリーやスタイルに興味がいかない。むしろ大筋はややあきれるが、"相続者たち"は登場する主人公のキャラクターやスタイル、台詞まで感覚的なタッチがよかった」とし、似た時期に放送したふたつのドラマに対する意見を話した。
これは今「応答せよ」出演俳優をモデルに起用するブランドの立場も大きく変わらないようだ。
男性服「トゥルーゼン」は、モデルで「応答せよ」3大スターのジュンウ、ユ・ヨンソク、ソン・ホジュンを起用したが、1年長期契約はユ・ヨンソクと締結した。
関係者は「"応答せよ"効果が上半期までは続くものと考える。ただし、ユ・ヨンソクは未来を見て1年契約を締結した」と説明した。
これは「応答せよ」と無関係な最近の20代女性が熱狂する外貌と身体条件、ここへ俳優として未来などが考慮されたもので、「応答せよ」スターでない俳優「ユ・ヨンソク」に対する成長価値が基準になったものと解釈することができる。
「レトロ、もうさようなら」過去は過去であるのみ
「応答せよ」が放送終了以降にもtvN特集放送が続き、流通では昨年、最大流行語になった「応答せよ」シリーズイベントを打ち出している。
あるファッション関係者は、百貨店側からブランドに「応答せよ1994」プロモーションの一環として19,940ウォンで製品を販売するイベントを提案してきたと話した。
提案を受けたあるブランド関係者は「原価より低い価格で製品を売ることができなかった。かといって悪性在庫を処分することもできず、結局やらないと通報した」とし、当時の状況を説明した。
ファッション界役員級以上の関係者は「応答せよ」に登場するファッションや小品を見ながら、社会ならびにファッション界の状況を考えることができてよかったと話す。ところが彼らもやはり冷静に事業的観点では「応答せよ1997」「応答せよ1994」が見せてくれたレトロブームがファッション市場とは無関係だと評価している。
今ではレトロと決別を告げなければならない時点だ。シン・ウォンホPDがもう「応答せよ」続編はないだろうという発言に、視聴者としては残念さが残るが、消費者としては彼の冷徹な判断に鳥肌が立つ。