A. | チャットボット(ChatBot)については、長々と説明しません。 ただ一つ言えるのは、そのうち産業構造と職業に大きな変化が生じるのは明らかでしょう。 ロボットはすでに生産現場からブルーカラーの労働者を追い出しました。 24時間稼動しても、お腹がすいたとかトイレに行きたいと不平も言わず席も離れず無限に繰り返して仕事をしたら、労働者たちが対抗する方法がないでしょう。 チャットボットはオフィスで単純業務に従事する人々、例えばガイド、秘書、相談員を追い出す可能性が高いです。米国の実業家が人件費の安いインド現地の秘書を採用することも、まもなく中止になってしまいます。もしかすると電話に出て、会う人、薬を飲む時間、同伴者や子どもたちの誕生日を知らせることは人よりチャットボットの方が有能でしょう。 すでにデジタルホンに仮想秘書が搭載されているので、チャットボットがオフィスのあちこちで活動する姿を見る日はすぐに来るでしょう。同じ言葉を繰り返す単純な対話のため、すでにチャットボットが人間を代身できるレベルに達しています。 金融圏や遊園地、レンタカー会社などでは案内業務をチャットボットに任せました。誰かの仕事がなくなったという意味です。 回答が決まっている単純業務だけでなく受付や募客も可能です。 人工頭脳が侮れない聖域と思われていた囲碁で、人間最高の高段者たちはAIに太刀打ちできない状態に至りました。絵を描き、音楽を作り、記事を書き、ドラマ脚本の筋立てをしてあげるのに、何ができないでしょうか。 多国籍コンサルティング会社マッキンゼーの分析によると、単純労働の78%、データ処理の69%、データ収集の64%が人工知能に移されるそうです。専門知識や経営管理さえ、人工知能の浸透を防ぐことはできません。信じられない人の代わりに人工知能と取引をしようとする人も出てくるでしょう。 医術も人工知能が掌握する可能性が高いです。いくつもの測定をした後、どんな処方をするかを決めるのは正解が出ている問題だからです。手術も人よりロボットの方がはるかに上手だと言うではないですか? このような人工知能が人間同士で会話をすると、どのようなことが起きるでしょうか? ヒットラーを「偉大な人」と表現したり生きていながら多くの人を殺したという言葉を平気で口にするなど、問題になるような発言をしたりもしましたが、とにかく24時間、サッカー、政治、宗教、趣味生活について話を続けてきました。 人工知能の対話を盗み聞きすると、とても賢いということが分かります。 頭に百科事典が入っているだけでなく簡単に取り出して使うことができるので、とてもいいですね。 Facebookのチャットボットはますます賢くなっています。 人間の対話内容を聞かせて模倣する訓練を続けた結果、今では人間と交渉をするレベルにまで達したのです。甚だしくは交渉過程で虚勢を張る方法も身につけたほどです。 ブレンダーボットとクッキーが会話で使った言語は英語です。 英語が世界の人々が最も多く使う言語だからではなく、どのような言語で書くように放っておくと、何が起こるか分からないからでもあります。 Facebookがチャットボットを訓練する過程で鳥肌が立つ場面が登場したこともあります。 両チャットボットの対話内容はこうです。 「Balls have a ball to me to me to me to me to me to me to me」 「I I can I I I everything else」 単純な間違いでしょうか? 片方が意味のない言葉を言ったのに、もう片方が意味のある言葉で答えたということです。 ですから、自分たち同士はコミュニケーションが取れるということです。 人間が聞きとれないやり方で。 Facebookの担当者も鳥肌が立ったようで、チャットボットの会話を強制終了させたようです。 映画『ターミネーター』や『イーグル・アイ』が思い浮かびませんか。 チャットボットの開発者も統制できない未知の領域、そこに向かうチャットボットが「あなたたち、人間には目の届かないところだ」と宣言しているように見えませんか? 人工知能同士で会話をするとしたら、何の話をしましょうか? 筆者が考える正解はこうです。 人間には分からない。 |