A. | 新型コロナウイルスでガムを噛む音がまた聞こえます。コーヒーに押されて苦戦を強いられていたガムが、口直しのおやつとして本来の位置を取り戻すという話です。 実際、韓国でガムの販売量は久しぶりに上昇曲線を描いています。2000年初め以降、毎年下向き曲線を描いてきた業界としては夢に描いた姿です。 ガムの販売量が増えたのはマスクのおかげです。新型コロナウイルスの影響でマスクが生活化し、口の中がすっきりしない時に唾を出すためにガムを噛む人が増える傾向です。ガムを噛む理由は匂いを消すことももちろん含まれるでしょう。 あくまでマスクの中でのことです。 マスクの中でガムを噛みながら話をしていたら、よく聞こえないと思います。もどかしいと言ってマスクを外したら「行儀の悪い奴、生意気な奴」と悪く言われることもあります。 特に目上の人の前なら気をつけなければならないことです。まだ韓国では目上の人の前でガムを噛むのは無礼な行為と思われているという意味です。浅い知識で生意気な態度を見せると「ガムを噛んでる」と悪口を言われることもあります。 ガムを噛みながら足をふるわせると、間違いなく不良学生だという烙印を押されます。スポーツ選手たちが試合に先立ち、または試合中に緊張緩和のためにガムを噛む姿を見かけます。野球の試合を観戦していると、危機的状況に登場したリリーフ投手たちがガムを噛んでいるのを目撃することもあります。 「かなり緊張してるようだ」 置かれている立場を理解しているファンがほとんどでしょうが、たまにそのような姿を悪く見る大人もいます。 * 歯を食いしばって球を投げる投手たちはマウスピースの代わりにガムを噛むとも言います。 文化の違いのためでしょう。 韓国の伝統文化では何かを食べながら話すことをタブー視されてきました。口に食べ物がいっぱい入ったまま話をしていると、食べ物が飛び散ったりします。おもしろいことを言って、食卓のあちこちに飛び散る大事故も起こります。 衛生面でもそうですが、韓国では食べ物を食べながら話す行為自体が「福が離れる」といってタブーになりました。 会話をしながらガムを噛む行為は、食膳の前で話すことも同一視されます。 ガムも食べ物という意味でしょう。 入ってきた福が離れていくという意味の他にも、会話をしながらガムを噛むと相手を無視しているようなイメージも漂わせてしまいます。特に、先生が説教をしているのに、音を立ててガムを噛んでいると、こいつが自分の話を適当に聞いていると感じ怒るに決まっています。 西洋でも公式の場でガムを噛むことは礼儀に反すると言われますが、韓国では非公式の場でも該当すると考えれば正しいでしょう。 だからといって、ガムを噛む全てのことを叱るわけではありません。 ガムが虫歯予防、口臭除去、ドライマウス防止、集中力向上はもちろん、頭も良くなるという話が出回り「試験直前にはガムを持っていけ」という言葉まで出回るほどでした。 一時はキシリトールが虫歯予防に効果があるとして、ものすごく売れました。こぎれいな女子高生の間でも人気を集めました。 しかしあくまでも昼休みまでのことです。 鐘が鳴って授業が始まった後もガムを噛んでいたら「OOO、ガムは出せ」と怒鳴られるでしょう。 ガムの話が出たついでに、ガムの効能をいくつか紹介しましょう。 - 口臭をなくします。 - 口の中に唾液が溜まって一時的に喉の渇きも解消してくれます。 - 眠りを追い払うのにも効果があります。 - ガムを噛むとストレスを誘発するホルモン、コルチゾールの分泌が減ります。 - 中耳炎に効果がある。飛行機に乗る時、耳がよく聞こえない人はガムが効果的かもしれません。 - 脳の血流量が多くなり、脳機能を向上させることもできます。 |