解説 | ハングル:シプトク ハングル発音:씹덕 意味:度が過ぎたオタク、または自分をそのようなオタクにさせる相手の魅力 解説:オタク(오타쿠 / 오덕)のなかでもオタク活動(덕질)の度が過ぎていて見苦しかったり、社会に害をもたらすオタクのこと。この言葉が広範囲で使われ始めながら、自分をそのようなオタク(씹덕)にする魅力を持っている対象の魅力を意味するようにもなった。後者の意味は主にアイドルのオタクの間で使われる。 シプトク(씹덕)という言葉の由来についての意見は二つに分かれている。 十(십)とオタクを合わせた言葉。オタク活動のレベルがレベル10だという意味。 もう一つは씹할 오타쿠→씹할 오덕후→씹할 덕후→씹덕후 →씹덕の順で変形してきたという説。「씹하다」とは性関係を持つことを意味するスラングだが、「씹」単独だと女性器を意味するスラングになる。後に続く言葉を強調したりする際にも使われるが、意味を見ても分かるとおり決して人前で公に使うべき言葉ではない。 2010年頃、東亜日報では「씹덕」を「アダルト動画マニア」と解説したが、씹を性的な意味として理解したことになる。 確実な起源を知ることは難しいが、「씹덕후」という言葉を広めた立役者(?)であるDCインサイド(韓国最大のインターネットコミュニティー)のWOWギャラリー(カテゴリー)では後者の意味で使われた。WOWギャラリーでは씹を女性器を意味する「씹」として使う意味が強かった。さらに「男がどうしてヨケ(女性キャラクター)を使うのか?씹덕후か?」という文が使われ続けるほどだった。 当時は덕후(オタク)という言葉でさえ嘲笑の意味を持っていた時代で、さらに悪口が含まれた씹덕は完全な蔑称だった。このため漫画やフィギュアにはまってオタク(오덕)だといわれていた人たちも、「씹덕」という言葉を聞くと興奮して反論したりした。 オタクの間ではエロゲームや美少女恋愛シミュレーションゲーム、成人アニメを視聴したり、またはフィギュアやブロマイドを収集すると、「씹덕」に分類されていた。一般人の視線からは例えばライトノベルを読むであるとか、エロ漫画を買ったり、遊びにきてみたら部屋に女性キャラクターのフィギュアがある場合には「씹덕」という言葉を避けることが難しかった。 そのような時代を考えると最近になって「씹덕」のニュアンスはかなり変わった。オタクの意味がAVや漫画、ゲーム、フィギュアのマニアからアイドルのファンへと拡大され、否定的な色彩が減り、肯定の意味が加わり始めたからだ。用法によっては、胸キュンやかわいいという意味へと変わってしまった。 YouTubeで動画を検索すると「○○(アイドル名)씹덕♡」というタイトルを簡単に見つけることができる。 アイドルグループのファンがメンバーの「○○は씹덕がはじける」だとか、「씹덕な○○」と書くときも同じ意味を持っている。どんな意味かって? 「とにかくかわいくてどうしよう」という意味だ。 注意すべき点はアイドルファンの間では肯定の意味が強いが、漫画やゲームの領域では嘲笑の意味がまだ含まれているということだ。 |