A. | 忠清北道(チュンチョンプクト)丹陽(タンヤン)の地形は東北地方にある岩手県の岩泉に非常に似ています。日本で石灰洞窟を見に行きたいなら岩泉の龍泉洞を訪れるように韓国では丹陽の古藪洞窟(ゴスドングル)が一番人気です。 山地に囲まれている点や人口密度が非常に低いという点も共通しています。岩手県の人口密度が1平方キロメートル当たり78人程度だと知っていますが、丹陽の人口密度はこの半分の36人を少し越える程度です。 人足が遠のいているので空気はとてもきれいです。地域経済がセメント工業に依存しているため何の問題もない山がはげ山になってしまい、空気に粉塵が舞っても韓国の南側でこのように空気の良い場所を探すことは難しいです。 丹陽は郡全体が地質公園です。石灰洞窟や石灰岩が溶食したり陥没してできたドリーネのようなカルスト地形がくっきりと観察される場所です。丹陽を訪れる観光客が年間千万人を超えるほどの見所もたくさんあります。 忠州(チュンジュ)ダムの建設により一部の地域が水没する前は島潭三峯、石門、龜潭峯、玉荀峯、舍人巖、下仙巖、中仙巖、上仙巖など丹陽八景が有名でした。現在は北壁、錦繡山、、七星岩、日光窟、竹嶺瀑布、溫達山城、九峰八門、タリインサンンなど第2の丹陽八景が、その命脈を繋いでいます。 峡谷地域が多いのでパラグライダーを楽しむ若い観光客がかなり多いです。家族連れで丹陽を訪れたなら若い子たちが峡谷に登っている間、体力のない親たちは遊覧船に乗ってゆっくり景色を楽しめばいいでしょう。 地域住民の散歩道であるヌリムボ川に沿って周辺の風景を眺めながらゆっくり歩いてもいいでしょう。 ここで少し溫達観光地の主人公「溫達」と高句麗の平岡公主(姫)の話をせざるを得ないです。 溫達は幼い頃から母と暮らしていましたが、母が目がくらんで仕事ができなくなると山ヘ行って食べ物を探したり物乞いをしながら暮らしました。山をさ迷っている途中、貴重な薬材を見つけても必要な人がいれば彼の事情を考えてあげたり少ない代価だけをもらいました。人々は彼の行動を嘲笑しました。物乞いするやつがとんでもない善心を施すのかという嘲笑でした。何と言われようと溫達は笑って済ますばかりでした。 溫達の馬鹿な行動は高句麗の地に広く知られ宮殿にまで伝わったようです。当時の高句麗王、平原王は幼い頃ずっと泣き続けた姫に「お前が何度も泣いたら溫達のところに嫁にやる」とからかったそうです。嫁に行く年頃になった姫は王の決めた新郎を断り幼い頃、王が冗談半分に話していた溫達のところに嫁に行くと意地を張りました。そしてプレゼントを持って宮殿を離れ溫達の小屋で目のくらんだ姑にお辞儀をし天生の縁を結びました。 山でニレの皮を剥いて食事を済ませていたが、突然王の婿になった溫達は高句麗の大将軍になったという話です。 溫達観光地は溫達が漢江(ハンガン)流域の土地を新羅から取り戻すために溫達が築いた城、溫達山城を中心に造成された観光地です。 溫達観光地では主に時代劇ですが、かなり多くのドラマが作られました。『淵蓋蘇文』(SBS、2006)、『太王四神記』(MBC、2007)、『千秋太后』(KBS、2009)、『シンイ-信義-』(SBS、2012)、『六龍が飛ぶ』(SBS、2015)などがあります。 |