Q.韓国で映画・ドラマ・音楽、それぞれの分野で一番権威のある賞はどれですか?

답변게시판
A.
賞。いくらとるに足らない賞であっても、受賞したら嬉しいですよね。一年、12か月、全国各地で授賞式が行われますが、圧巻はやはり年末でしょう。

一年の終わりに芸能界やスポーツ、経済分野からも賞があふれ出てきます。プロ野球のスターたちに与えるゴールデングローブ授賞式が授賞式シーズンの幕を上げます。

その中でも権威のある賞ですか、そうですね。不相応なので、とりあえず経済の分野は除外したいものです。新聞社や放送局などのマスコミが大ヒット商品、今年の広告人、優秀企業などを表彰する賞が溢れていますが広告を誘致しようとする目的がほとんどなので、脇に置かなければならない賞たちです。本当に純粋な意図で始まった表彰も数年が過ぎて変質したりするものです。

一年の間の成績だけで授賞するプロゴルフや野球などのスポーツ分野の賞が、その中でも公正に見えます。プロ野球のゴールデングローブは選手なら誰でも受賞したがる賞でもあります。

芸能分野は少し考えて見なければならないようです。

かなり長い歴史を誇る賞もありますし、徐々に権威を得ている賞も目に入ってきます。

映画の分野では大鐘賞、青龍映画賞、百想芸術大賞が3大映画賞として挙げられます。三つともアカデミー賞程度の権威を持つ賞としては不十分ではあります。まず、3つに分かれているということ自体で権威に傷が生じていますね。

大鐘賞は1958年に文教部が「国産映画賞」という名称で作ったのですが、1962年に現在の名称に変更されました。国が主導した賞も1992年からは民間主導で進行し、現在は社団法人大鐘賞映画祭が主管しています。2014年には『鳴梁』が作品賞と主演男優賞を獲得しました。

かつては映画界で唯一の賞として権威が高かったのですが、その分不正も多く、権限が底についた状態です。1960~70年台にはお金の袋をあげて賞を受けるという言葉があったほどです。

政府が主導する時には、社会の不条理を扱った映画や思想が疑われる作品は、最初から受賞対象から外されていました。一例として、1991年に米軍に性暴行された後に腐れ女と悪口を言われながら売春女性として生きていく女性の話を描いた『銀馬はシルバースタリオン』が米軍のイメージを悪くすると候補から排除されました。

民間主導に渡った後も、事情はあまり変わらず、2012年にはベネチア映画祭の金獅子賞に輝いた『嘆きのピエタ』の監督キム・ギドクが映画祭の途中で家に帰ってしまいました。2013年の50周年授賞式は、プロ野球に押されてテレビで生中継されなかったほどです。

大鐘賞の権威が失墜した背景には、映画の総連合会など8つの団体が参加している上、70~80代の元老たちの意見が牛耳っているからという説明もあります。若い映画人たちが一様に惜しんでいますが、既得権を持つ人々が権力を離そうとしないので、権威がなくなったわけですね。

公平さの側面では、1963年に朝鮮日報が作った青龍映画賞が優位にあります。しかし、1973年に廃止されて17年後の1990年再開されたため、まだ歴史が不十分だという欠点があります。

百想藝術大償は映画やテレビの放送作品を一緒に扱った賞です。テレビも一緒に扱うという点で、立ち位置があいまいになり、2010年以前には、3つの映画賞として取り上げられてませんでした。2001年までは演劇も授賞していましたが、今では除外された状態です。

2011年にはハ・ジョンウが受賞したら、国土横断をするという公約を掲げましたが、本当に国土横断をしたという後日談があります。

大衆音楽部門では、ゴールデンディスク授賞式があります。他にもソウル歌謡大賞、Mnet Asian Music Awards 、MelOn Music Awards、ガオンチャートK-POPアワード、韓国大衆音楽賞など全く多くの授賞式が行われます。

このうち韓国のグラミー賞と呼ぶに値する賞はゴールデンディスク授賞式です。

1986年に韓国日報の日刊スポーツが作った賞で大韓民国の歌手たちに最高の音楽授賞式として認められているほど、それなりに権威を確保した状態です。日刊スポーツが中央日報に買収されたため、現在は、同じ系列のJTBCで中継されています。

1990年、スポーツソウルが「韓国訪問の年委員会」と手を取り合って、ソウル歌謡大賞を作り、KBSを介して放送していますが権威においてはゴールデンディスク賞ほどではありません。

ゴールデンディスクがこのように影響力が大きい理由は、レコード(音源)の売上高を基準に公正な審査をするためです。一例として、1998年には中年層に愛されたアンダーグラウンドの歌手、キム・ジョンファンが人気絶頂のアイドルグループHOTを抜いて、大賞を受けました。

参考までにゴールデンディスクやソウル歌謡大賞は、年末ではなく、翌年の1月に開催されます。

ドラマの分野ではエミー賞に近い授賞制度が目に入ってきません。放送局ごとに審査をすると大騒ぎして、公平性とは距離が遠いものです。

すこし前の話ですがMBCは『エデンの東』というドラマに賞をすべてあげる作戦だったのか、演技大賞をソン・スンホンとキム・ミョンミンの共同受賞に指定していました。賞の公平性ではなく、視聴率と広報に偏って海外販売に有利になるようにしているように見えたというのが、当時の大半の意見でした。

このような状況であるため、放送局のドラマ授賞式は、たまに「マクチャンドラマのマクチャン授賞式」という悪口を言われます。地上波3社はもちろんケーブルTVまで網羅する授賞式があるにはあります。毎年9月の「放送の日」に行われる韓国放送大賞です。

韓国放送大賞は、1973年までは文化公報部が主催して、1976年に韓国放送協会に移管されましたが、作品自体が放送局の内部競争をくぐって上がってきた作品たちです。2014年に開かれた41回目の放送大賞ではKBSの大河ドラマ『鄭道伝』が、演技者ではSBSドラマ『星から来たあなた』の女主人公チョン・ジヒョンが受けました。

賞を受けた作品や俳優は本当にうれしいでしょうが、韓国放送大賞はドラマだけでなく、報道記者、カメラ記者、アンカー、照明や美術監督も賞をもらうため、エミー賞と比較するのは難しいようです。
  • Lim, Chul
  • 入力 2014-12-29 09:00:00

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