Q.韓国で最近また話題になっている「イチゴ大福事件」について教えてください。

답변게시판
A. まず、事件の顛末から説明します。

2年前の2013年7月、ソウルの都心でプラカードを持った青年キムさんが1人でデモを行いました。

「何度も日本に行き来しながら、努力と情熱で学んだ技術を!金と権力で奪おうとする横暴を一人で防ぐ方法がありません。助けてください!」という文が書かれていました。

彼はわずか数か月前、SBSのテレビ番組『生活の達人』で「フルーツ大福の達人」として紹介されていました。一見すると、刻苦の努力の末に達人の境地に至った青年が、力ある者に虐げられるような姿で​​した。ちょうど、その当時、南陽乳業などの大企業が販売代理店を相手に横暴を振るっていたことが社会問題になっていたため、ニュースに取り上げる事件としても遜色がありませんでした。

MBCの報道番組『時事マガジン2580』がこれを大々的に取り上げます。「イチゴ大福の涙」というタイトルでキムさんが泣いている姿から放送が始まりました。「日本で師匠に出会い技術の伝授を受け、アイテムを掴んで共同創業をして生活の達人に出演したところ、店主のアンさんに投資資金を一銭も返してもらえずに追い出された」という、キムさんの言葉がそのまま放送されました。

放送された後、アンさんは、とても悪い人になってしまいました。インターネットを埋め尽くした非難により、店はきちんと運営さえできず、3か月間閉店状態となり、ホームページも閉鎖しなければなりませんでした。

ここまでが事件の1幕です。その後、この事件に注意を傾けた人は誰もいませんでした。世論も静かになり、インターネットを熱くした非難の世論も消えました。しかし、誰もが興味を持たないうちに、第2幕が法廷で開かれていました。

それまで、双方がお互いに訴訟をしていたのですが、法廷争いの過程で、キムさんの嘘が明らかになり、最終的には「大企業の圧力と組織暴力団の動員」というアンさんの疑いについては、無嫌疑処分が下され、キムさんは名誉毀損の疑いで、100万ウォンの罰金刑を受けました。

事件はここで終わりませんでした。第2幕は、キムさんの嘘が明らかになってから開始されます。まず、検察の調査でキムさんは、「韓国初のフルーツ大福の達人」というのは、初めてテレビで放送されたという意味だと言い逃れをしながら、こっそりごまかそうとし、日本を10回以上行き来したのではなく、自分で努力したという言葉に言い換えます。

検察の調査と、その後の日本のお餅屋さんの店主、タナカクニオさんとのインタビューなどを通じて、キムさんは、タナカさんに2回だけ会っていた事実が明らかになりました。それまで、ニュースのインタビューなどで「日本の大福名人のもとで3か月間学び、そのために2013年1月から5月まで10回以上、日本を行き来した」と言っていた言葉は完全に偽りでした。

田中さんは、後日のインタビューでキムさんとの出会いをこう述べています。

「2013年4月に初めて会った。イチゴ大福を食べて、美味しいと言っていた。母親がソウルでお餅屋さんをしているから、裏技を教えてあげたいと言いながら、韓国の餅は硬いのだが、材料が違うのかと尋ねてきた。だからもち米にすると、硬くなるから、ご飯を作って食べるお米で作るといいと教えながら『米粉(こめこ)』と漢字で書いてあげた。

その後、7月初めにMBCの人と一緒に来た。3か月間習ったと言っていたが、5~10分程度、材料について説明しただけだ。それはMBCの人も知っている。その当時、イチゴ大福を作っていないと言ったところ、デパートで餅とイチゴを買ってきたため、作ってはあげた」

キムさんは、「モチイヤギ」(餅物語という意味)というブランドで加盟店を募集しながら、タナカさんを100年間、3代にわたって継いでいると紹介していますが、肝心のタナカさん自らはこの商売をしてから20年しかたっていないと明らかにしています。

この他にもキムさんはあちこちで、数多くの嘘を並べましたが、ポイントは簡単です。日本を行ったり来たりしながら、刻苦の努力の末、大福を作る技術を学んだことはなく、タナカさんのもとで修行したこともないということです。

このような偽りが明らかになったものの、キムさんは放送の力により加盟店募集にも成功し、江南の有名デパートに出店するなど、すでに実利は得た状態です。このような中で、共同経営者だったアンさんが1次被害者だとすれば、「モチイヤギ」の加盟店主らが2次被害者になる可能性が高まったのです。

事態がこの状況に至ったのは、放送局の責任が最も大きいでしょう。放送局の記者やPDが演劇映画学科出身だという、キムさんの上手な嘘により遊ばれた可能性ももちろんあります。たとえ、そうだったとしても、しっかりと検証していなかった事実からは逃れられません。

『MBC 2580』の取材チームは日本に行って、タナカさんに直接会って、キムさんのサクセスストーリーを前面に押し出して、イチゴ大福を作る場面まで演出しました。本当にタナカさんから技術の伝授を受けたのかを確認するためには、出入国記録を調査するなど、確認する方法はいくらでもあったことでしょう。

MBCがこれを疎かにした理由は、キムさんが、SBSでイチゴ大福の達人として紹介された経緯があるからかもしれません。最終的にはSBSの達人プログラムは、問題の出発点になったと見ることができます。

イチゴ大福を作り始めたばかりの人を、キャリア2年の達人に仕立てあげてしまった放送局、物語に飢えていた放送局の演出がもたらした惨事が「イチゴ大福事件」という笑えない嘘を証明してしまったのです。

参考までにお教えすると、MBC側は「検察と自分たちの判断は違う」とし「自分たちはキムさんが正しいと見ているため訂正報道はない」と主張している状況です。

  • 1月から5月まで、10回ほど日本に行ってきたと答えるキムさん


  • 1人でデモをするキムさん、それを取材するMBC


  • タナカさんの100年間の技術の伝授を受けたと宣伝する、キムさんの加盟店募集広告

  • Lim, Chul
  • 入力 2015-03-31 09:00:00

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