Q.朴槿惠大統領が新聞記事でよく指摘されている「疎通不足」とは?(下)

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A. (※この記事は「朴槿惠大統領が新聞記事でよく指摘されている「疎通不足」とは?(上)」の続きです。)

適者生存(ハングルでは「적자생존」、「チョクチャセンジョン」と読む)。資本主義社会、米国が主導する新自由主義システムに適応した者だけが生き残る、無慈悲な競争を言っているのではありません。

ここでのチョクチャセンジョンとは「筆記する者だけが生き残る」という意味です。社長の言葉を一言も漏らさず書き留め、社長の好みに合う言葉と行動をとってこそ生き残れる悲しい現実のことです。

よく、朴槿恵(パク・クネ)大統領の人事を「手帳人事」と呼びます。自分の手帳に書かれた名前の中から要職に登用する人を選ぶという意味で生まれた言葉です。「人事が万事」と言われるように、大統領の手帳に書かれた人物の中から、自分の意志に逆らわない人だけを選んで登用することから、疎通の問題が生じます。

大統領のリーダーシップが「チョクチャセンジョン」に基づいているなら、「疎通」の問題は起きて当然のことです。民間企業であれば、どのような経営スタイルであろうと、勝手に会議をして従業員に一方的に指示を出しても是非を問う理由はありません。社長の頭脳が明晰なのであれば、そのような経営方式でも企業は成長することができます。

しかし、国民から統治権を委任された大統領は、一方的に指示を出す立場ではありません。投票で当選した大統領は、どの国であろうと半分以下の支持を受けているだけです。得票率が50%を超えても、投票率を考慮すると、実際に票を与えた有権者は40%を超えないことになります。

投票した人々が結果に承服する必要があるように、当選した公職者は反対した人々を受け入れなければなりません。自分を支持しないからと、自分と意見が違うからと敵視するなら、国は分裂してしまいます。

疏通は、自分と考えが同じ人と共有するのではなく、自分と考え方が違い、境遇が相反する人と行うものです。そのため、統治者は自分の周りに自分と考えの違う人を近くに置く必要があります。王朝時代にも賢明な君主は奸臣の巧言に甘んじるのではなく、苦言を厭わない臣下を側近に置きました。

疎通が双方向である必要があるという点はさらに重要です。一方的にモノを言い、他の一方は聞くだけなら、これは疎通ではなく、指示であり、訓戒であり、教育です。教育現場でも、学生の質問と悩みを隔てなく聞いてこそ、「しっかりとした先生」として尊敬されます。ましてや国民から統治権を委任された大統領が「チョクチャセンジョン」のリーダーシップにとどまっているのなら、大統領に票を与えなかった有権者を受け入れることは不可能でしょう。

中途半端な大統領にとどまらないためには、結局、自分と考えの違う、自分を敵視する人々と場を共にしなくてはいけません。このような場が不便で、生理に合わないといところから「疎通」という指摘が絶えず出てくるのです。
  • Lim, Chul
  • 入力 2015-07-09 00:00:00

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