Q.韓国のワールドカップ競技場やオリンピック競技場の活用度はどれくらいですか?(下)

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A. (※「韓国のワールドカップ競技場やオリンピック競技場の活用度はどれくらいですか?(上)」の続きです。)

それでは本来の質問に戻って、1988年にソウルオリンピックが開かれた蚕室(チャムシル)メイン競技場を見てみましょう。実は、蚕室は良い位置にあります。周辺に大規模なマンション団地があり、アクセスもいいです。

このような良い条件を備えているにもかかわらず、少し前まで利用率が低下していました。蚕室はメイン競技場のほかに補助競技場、室内体育館、プールなどが集まっているスポーツコンプレックスなのですが、室内体育館や野球場は十分に活用されてきました。

蚕室の室内体育館は観客動員に自信があるアイドルグループが時々公演をする場所です。ここで公演をする場合、ひとまずはファン層が厚いと見ることができます。

利用率が問題になっている競技場はメインの競技場です。上岩洞にワールドカップ競技場ができてからは、サッカーの試合は誘致することができず、宗教団体の信者が集まって祈ったり、大企業が社内の体育大会を開く妙なところに変わりました。

88年にソウルオリンピックが開かれてから30年近くがたっているため、施設が少し古びているうえに、規模があまりにも大きく、簡単に使用しようと思えないからでしょう。実際に一般人が借りることは容易でありません。人がたくさん集まるとなると、周辺の交通問題も発生し、警察や消防署の協力も得なければなりません。

貸館料が高いのかというと、考え次第ですが、あまり高いという印象は受けません。平日であれば、スポーツ競技は46万ウォン、その他のイベントは、111万6000ウォン程度ですから。週末や祝日にはスポーツ競技が59万8千ウォン、公演や一般のイベントは145万ウォンに少し上がります。

アドバルーンも1本あたり4万ウォン程度で借りることができます。ここまで来れば、企業で社内体育大会を開くのに十分ではないないでしょうか。

メイン競技場も今年からは利用率が高くなりました。ソウルを本拠地に新たに創設されたプロサッカーチームの「イーランド球団」が蚕室のメイン競技場を本拠地として使用するからです。

2002年にワールドカップが開かれた競技場は、地方によって事情が異なります。ソウル上岩洞(サンアムドン)のワールドカップ競技場は、上手く活用できている競技場です。

上岩のワールドカップ競技場は、当時、非常に激しい反対を押し切って建設されました。1997年早々にワールドカップ競技場の敷地に選定されたのですが、後に韓国経済を襲った通貨危機の寒波により、政界の一部で反対の声が強まりました。関係長官会議でも新築の白紙化発言が出ましたが、サッカー専用競技場の夢が消えてしまうのではないかと、焦りが出たほどでした。

紆余曲折の末、2001年に黄布帆船と四角い凧を模した、ソウルワールドカップ競技場が誕生しましたが、最初から建設費を最小に抑え、事後活用を念頭に置いたせいで、今では黒字に転換した本当に数少ない競技場になりました。

ワールドカップ後、近くに大規模なマンション団地ができたうえ、IT企業が入居するビルが建ち並ぶことになった影響も考慮しなければならないでしょう。ワールドカップ競技場が年間100億ウォン近く稼げている理由は、なんといっても競技場東に作られた大型ディスカウントストアと690坪のスポーツセンター、シネマコンプレックス、ウェディングプラザなどのワールドカップモールです。設計当時から、この点を念頭に置いたおかげで、現在はソウル江北地区最大のショッピングエンターテイメントセンターとして認識されています。

ここに競技場で、各種のスポーツイベントや文化イベントも開かれ、年間収入が150億ウォンを遥かに超えています。人件費と管理費として支出される経費が80億ウォン程度なので、収入は良い方です。近いうちに2000億ウォンかかった建設費用の元を取って、おつりが出始める展望です。

地方都市のワールドカップ競技場は、上岩の競技場が羨ましいことでしょう。ほとんどの競技場がKリーグチームの本拠地として活用されているものの、今のところ赤字運営から逃れることは難しい状態のようです。

ワールドカップ競技場であろうと、オリンピックやアジア大会を行う運動場であろうと、利用率を高めるためには、地域開発戦略との連携が不可欠です。

仁川はアジア大会のための開会式と閉会式、陸上競技が行われた競技場を新たに建設しました。後に厄介者に転落するとの懸念から、中央政府からは既存の仁川文鶴競技場を改造して使用することを勧めましたが、仁川市や組織委員会は事後活用に問題がないとして、4900億ウォンかけて新築を強行しました。

上岩競技場をモデルにして、複合ショッピングモールや映画館などとして活用すると大言壮語しましたが、思い通りにはいっていません。上岩とは条件が異なることが理由でしょう。

上岩競技場は上岩DMC開発など、地域開発プロジェクトとワールドカップ競技場の新築が一緒に行われたため、黒字経営の構造が可能です。周辺の人口やアクセシビリティなどがすべて良好です。

これからも韓国と日本で大規模なスポーツイベントが行われるでしょうが、地域が自己中心性から抜け出して、地球祭りらしく分散開催する案が積極的に出てくればと思います。ところで、損失を考えずにワールドカップやオリンピックを開催しようとしたら、アジアで開催できる順番が来るには来るのでしょうか。その点も気になりますね。

  • < 蚕室オリンピック競技場周辺の地図と現在の姿 >



  • < 上岩ワールドカップ競技場周辺の地図、地図を見ただけでも黒字にする原動力がなんであるか推測することができる >

  • Lim, Chul
  • 入力 2015-07-21 09:00:00

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