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シャットダウン制など、各種規制に足を引っ張られ…ゲーム韓流警告灯

韓国ゲームの名選手13人、中国へエクソダス 

  • シャットダウン制など、各種規制に足を引っ張られ…ゲーム韓流警告灯
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世界eスポーツの宗主国である韓国の位相がふらついている。韓国を代表するプロゲーマー13人が最近、巨額の移籍金を得て中国などの海外に流れ出て、「ゲーム韓流」に警告灯が灯った。

去る15日、ポーランドで開かれた国際ゲームリーグ(IEM World Championship)「リーグ・オブ・レジェンズ(LoL/League of Legends)」の準決勝を見守っていた韓国のファンたちは、「わが国の独走体制が崩れた」といっせいにため息をついた。中国の最下位チームを相手に楽勝を予想していた韓国チームは、1対2で衝撃的な敗北を喫したのだ。この2年のあいだ同大会で優勝するなど、これまで世界のゲームリーグ市場を支配していた韓国の没落が現実化した瞬間だった。

業界によると22日、韓国が「ゲームシャットダウン制(青少年の深夜時間のインターネットゲームを制限する制度)」などの各種規制に足を引っ張られている間に、国内の有名プロゲーマーは破格的な「スカウト料」で、中国などの海外チームに移籍するケースが急増している。昨年、「ロールドカップ(LoL+ワールドカップ)」の優勝チームの主力5人が全員中国に移ったことを含めて、最近終了した国内リーグ4強チームの主力20人(1チーム当り5人)のうち、なんと13人が海外に移籍した。

業界によると、中国に移籍した一流選手の年俸は2億~4億ウォン規模と推定される。最高の技量を誇っていたチームが海外資本によって続々と空中分解し、国内のファンたちは「メンブン(メンタル崩壊)」に陥った。あるファンは、「中国の市場規模は大きく、いつかは主軸選手を奪われると予想はしていたが、こんなに早いとは思わなかった 」とし、「国内リーグのレベルが低くなることに対する憂慮は大きい」と残念がった。

人気選手らの移籍によって国内ファンの関心も、eスポーツ宗主国である韓国から中国に移っている。また別のファンは、「中国リーグは正式に中継権を持っているところがないため、インターネット放送で見なければならない」とし、「不法放送なので、試合の最中に中継が途切れるなどの不便が多いが、好きな選手の試合を見るためには仕方がない」と、ため息をついた。

この10年間、ゲームは韓流を率いた代表的な貢献商品だったが、乱立した規制と一貫しない政策で、その競争力を徐々に失っている。そして、その空席に中国が侵入してきた。人気のプロゲーマーが中国へ続々と席を移し、LoL、ワールド・オブ・タンク(World of Tanks)などの各種ゲーム種目の大会も、中国で開催されている。

韓国eスポーツ協会のキム・ジョンソン チーム長は、「eスポーツ産業の規模を考えれば、中国は既にずいぶん前から韓国と逆転した」とし、「2010年代に入ってからは、大会や放送中継や運営の質もほとんど差のないレベルになった」と指摘した。

大韓民国ゲーム産業は、2011年に輸出額約24億ドルと売上額88億ドルを記録した後、2013年の輸出額は29億ドルで売上額は104億ドルなど、年ごとに大きな規模で成長してきた。

しかし、華麗な姿とは異なり、国内のプロゲーム選手の待遇はあまり良くない状況だ。2013年、韓国コンテンツ振興院の「eスポーツ実態調査」によると、LoLとスタークラフトなど、eスポーツ全体のプロ選手の51.9%は年間収入が1200万ウォン未満だった。高所得層と言える年俸5000万ウォン以上は、全体の10.2%に過ぎなかった。

プロゲーマーの大挙離脱は、そのまま「ゲーム韓流」の基盤崩壊につながる可能性があるということに問題がある。人気ゲーマーが国内外で大規模なファンを形成し、韓流ゲームコンテンツの拡張性を主導する産業の特性上、国内ゲーム産業の競争力の弱体化につながるしかないからだ。

漢陽大学スポーツ産業学科のチョ・ソンシク教授は、「国内のスポーツ界は、サムスンの投資が独歩的だが、中国にはそれほどの投資ができる企業が数多くある」とする。

ゲーム業界の関係者は、「サッカーではFIFAのような国際協会が、産業全体を育てる方向に政策を強力に推進するが、eスポーツでは今のような選手の大量流出にほぼ無防備状態」だと状況の深刻さを伝えた。

チョ教授は「韓国リーグが世界最高のリーグという名声を失った場合、すぐさま収益悪化につながるだろう」とし、「ややもすると韓国が中国リーグに選手を供給する工場レベルに転落することもありうる」と警告した。
  • 毎日経済_ウォン・ヨファン記者/ムン・ジェヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-03-22 18:10:23




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