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現代自、アセアン市場を本格攻略…インドネシア拠点に


    現代自動車はアセアン地域の初の完成車生産拠点をインドネシアに構築した。特に電気自動車の生産を竣工式に合わせて開始するなど、インドネシア現地の電気自動車市場の拡大にも乗り出した。現代自動車は世界4位の人口大国であるインドネシアはもちろん、人口6億人以上のアセアン市場の攻略のためにこの工場を戦略的橋頭歩として活用する計画だ。

    16日、現代自動車はインドネシアの首都ジャカルタに隣接するブカ市内のデルタマス工業団地で車両生産工場の竣工式を開催した。 77万7千平方メートル(約23万5000坪)の敷地に建ったこの工場で、今年末までに計15万台、今後は年間25万台の車両を生産する計画だ。現代自動車はここに製品開発と工場運営費を含めて15億5千万ドル(約1兆9226億ウォン)を投資した。

    この日、竣工式にはチョン・ウィソン現代自動車グループ会長と、ジョコ・ウィドド インドネシア大統領など、現代自動車の役職員とインドネシア政府関係者などが大挙参加した。チョン会長は「インドネシアは現代自動車の未来モビリティ戦略の核心拠点」だとし、「今回の工場はインドネシアの未来産業の重要な軸を担う電気自動車分野で核心的な役割を果たすだろう」と語った。

    ウィドド大統領は「現代自動車インドネシア工場の竣工と、インドネシアで初めて生産される電気自動車のアイオニック5の量産を祝う」とし、「アイオニック5はインドネシアの電気自動車発展の重要なマイルストーンになるだろう」と語った。

    2019年12月に着工したこの工場は、今年1月からすでに稼動に入っている。当初は1月に竣工式を開催する予定だったが、コロナ19事態で行事が延期された。

    現代自動車のインドネシア工場はエンジン、塗装、プレス、車体工場、移動手段革新センターなどを備えた。これによってアセアン市場に売り込む戦略車種の企画から生産、販売までの一貫体制が完成した。

    工場の前にはインドネシアの首都ジャカルタまで続く高速道路がある。道はジャワ島の東西を貫く。新工場はインドネシアのあちこちに生産車両を移動させやすく、現地の優秀な人材確保にも有利だ。

    新工場は多様なエコ工法を採用したことが特徴だ。太陽光発電設備で工場の電力を一部生産し、水溶性塗装工法で揮発性有機化合物の発生を最小化した。

    1月から現地で小型スポーツユーティリティ車両(SUV)「クレタ」を生産したことに続き、竣工式の直後から現代自動車初の専用電気車である「アイオニック5」の量産にも突入した。アイオニック5はインドネシア電気自動車産業の生態系造成に重要な役割を果たす見通しだ。これを通じて、現代自動車は日本企業が70%以上を占有したアセアンの完成車市場を本格的に攻略する計画だ。

    現代自動車は昨年、インドネシアで「アイオニックエレクトリック」と「コナエレクトリック」を計605台販売し、インドネシアの電気自動車市場で約87%という圧倒的なシェアを占めた。まだ規模は小さいがアイオニック5の販売が加われば、現地電気自動車市場で先導的地位を固めることができるだろうと期待を集めている。アイオニック5は来る10月にインドネシアバリで開かれる主要20カ国(G20)首脳会議で、各国首脳が利用するジェネシス「G80電動化モデル」とともに公式の儀典車両として支援される。

    現代自動車はクレタとアイオニック5に続き、今年の上半期のうちに中型SUVの「サンタフェ」、下半期にはアセアン戦略車として新たに開発した小型多目的車(MPV)まで今回の工場で生産する計画だ。

    最近、インドネシア政府は電気自動車産業発展のために関連政策を拡大している。 2019年の大統領令を通じて、インドネシアで電気自動車を生産する会社が現地部品や人材などを活用して現地化率(現在基準40%)を満たす場合、多様な恩恵を与えている。現地政府が使用する車両も昨年から2030年までに毎年1万台以上、計13万台ほどを電気自動車に切り替える方案を実行中だ。

    特に現代自動車グループはLGエネルギーソリューションと手を組んで、インドネシアに電池セル工場も建設中だ。昨年9月、インドネシアのカラワン地域に総33万平方メートル規模の敷地で工事を開始したバッテリーセル合弁工場は、2023年の上半期に完工後、2024年の上半期から量産を開始する予定だ。合弁工場のバッテリーセルは、2024年から生産される現代・キア自動車の新型電気自動車などに搭載される。現代自動車インドネシア工場で生産された電気自動車に新規合弁工場のバッテリーを装着する場合、インドネシア政府が推進する多様な恩恵を受けることができる。

    アセアン市場は完成車に対する域外関税が、国別で最大80%に達するほど関税障壁が高い。しかしアセアン自由貿易協定(AFTA)により、2018年から部品の現地化率が40%以上の場合は協定参加国間の無関税特典が適用される。今回のインドネシア工場で生産した自動車を、アセアン国家に無関税で輸出できるわけだ。

    インドネシアは2012~2018年に年間100万台以上の自動車が販売された、アセアン最大の自動車市場だ。現代自動車はアセアン戦略モデルの開発のために事前に別途の組織を構成するなど、本社とインドネシア間で商品開発から量産まで緊密なコラボレーション体系を稼働している。
  • 毎日経済 | ソ・ジヌ記者 | 入力 2022-03-16 19:25:44