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ハンファ、サムスンから買収した系列社の買収資金を1年で回収

◆ レーダーM/サムスン対ハンファグループの防衛産業・石油化学、ビッグディール後の実績分析 ◆ 

    • < ハンファ、サムスン系列会社買収の損益計算書 / ハンファグループの支配構造 >

    ハンファグループは、サムスンとの防衛産業・石油化学部門の「ビッグディール」に使われた買収資金のほとんどを1年めで回収したことが分かった。ハンファグループは2014年11月、サムスンから防衛企業のハンファテックウィン(HanWha Techwin)・ハンファタレス(HanWha THALES)と、石油化学企業のハンファ総合化学(HanWha General Chemical)・ハンファトータル(HanWha TOTAL)の計4カ所を買収し、1兆8500億ウォンを投入した。ところが最近1年のあいだに営業利益と保有株式の売却などにより、すでに1兆7200億ウォほどを稼いだと分析された。

    だからといって、サムスングループが損害を被ったわけではない。李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の「選択と集中」戦略に対して海外投資家の好評が続いていており、2回のビッグディールを通じて確保した数兆ウォン台の売却資金をもとに、グローバルな買収・合併(M&A)にも拍車をかけているからだ。

    18日、財界によるとハンファトータルは、企業の現金創出能力を判断する指標である償却前営業利益(EBITDA)が、昨年は1兆ウォンを超えることが確実視されている。ハンファグループは、ハンファトータルとハンファ総合化学を1兆309億ウォンで買収した。 2社の買収に投入した金は、昨年一年の事業ですべて稼ぎあげたと言っても過言ではない。ハンファトータルは昨年、第3四半期の営業利益2786億ウォン、1~3四半期の累積営業利益5702億ウォンをそれぞれ記録した。

    昨年、第4四半期の原油価格の下落などで、国内石油化学企業の業績が全般的に好転した点を勘案すれば、年間営業利益だけでも8000億ウォンを上回ると専門家らは推定する。これは2014年の、ハンファ系列社全体の営業利益6000億ウォンよりもはるかに多い。また、ハンファグループはハンファトータルを通じて昨年7月、アルトゥル(お買い得)ガソリンスタンド事業者に選定され、通貨危機の余波で1999年に京仁エネルギーを涙を浮かべて売却した口惜しさも少しおさまった。

    サムスンから買い入れたハンファテックウィンも大ヒットを出した。ハンファグループがハンファテックウィン・ハンファタレスの買収に投入した費用は8232億ウォンだ。しかし、ハンファテックウィンは保有しているハンファ総合化学の株式売却で4418億ウォン、韓国航空宇宙(KAI)の持分売却で2796億ウォンを稼ぎ、総7214億ウォンを回収した。買収資金のほとんどを、ハンファテックウィンの保有株式の売却だけで回収したわけだ。

    ハンファグループは、ことのついでに防衛産業部門でさらなるM&Aを通じて、韓国版「ロッキード・マーチン」を夢見ている。ハンファテックウィンは保有株式の売却で得た「7000億ウォン実弾」を前面に出して、防衛産業企業である斗山DSTの買収戦に飛び込んで、有力な候補にあげられている。あわせて、海外の防衛産業関連の部品メーカーの買収も検討されていると伝えられた。

    ハンファグループの関係者は、「追加のM&Aを通じてハンファテックウィン・ハンファタレス、既存の(株)ハンファ防衛産業事業部門などの有機的な相乗効果を出して、グローバルな防衛産業企業として跳躍するという長期的な腹案を持っている」と語った。現在、売却が水面下に沈んだ防衛産業企業の韓国航空宇宙産業(KAI)も、今後はハンファグループが体力を備蓄して、中・長期的に買収に乗り出すと業界では予想している。この場合、ハンファグループは10兆ウォン台の大型防衛産業企業を有することになる。

    ハンファグループの系列会社を売却したサムスングループも、決して負けない商売というのが業界の見方だ。中・長期的に持続可能な企業を作るための「選択と集中」が目立ったからだ。

    投資銀行(IB)業界の関係者は、「サムスングループが防衛産業・化学部門などの関連会社をハンファグループとロッテグループに相次いで売却したことについて、グローバルな投資家は好評一色だ」と、海外の雰囲気を伝えた。イ・ジェヨン副会長がグループを電子と金融の二大軸に再編する過程で見せたリーダーシップが光を放ったという評価だ。

    サムスングループはこれを越えて、内部的に「今年をグローバルM&A元年にしよう」という旗を掲げ、海外企業のM&Aを本格化すると伝えられた。相次ぐビッグディールで、グループ系列社の再編がほぼ仕上げされたためだ。サムスングループがハンファグループとロッテグループに系列社を売却して確保した資金は4兆ウォンを超える。このような「バズーカ」を土台に、電子事業部門の能力強化のためのM&Aに乗り出すという見通しが提起されている。
  • 毎日経済_ハン・ウラム記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-02-18 20:08:57