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韓国ジュエリーを大量に買い漁る中国行商人…一度に数千万ウォン分の購入も

    △写真=「ロイド(LLOYD)」明洞2号店が中国人顧客で賑わっている。

    ▶ ソウル明洞に位置するジュエリー専門ブランド「ロイド(LLOYD)」店舗。ここでは珍しい光景を見ることができる。購入する人々と同じくらい、携帯電話のカメラで商品の写真を撮影する人々が多いということだ。何よりも彼らを制止する店の従業員が1人もいないという点は、さらに首をかしげさせる。一般的なジュエリー店では、デザイン盗用を懸念し、写真撮影を防ぐためだ。

    ▶ ソウル南大門市場大都総合商店街内のAジュエリー店。ある中国人観光客が商品購入の代わりに大きなDSLRカメラで、店頭の棚に置かれたアクセサリーを撮影している。店の主人は、これを制止するどころか、むしろより多くの製品の写真を撮れるように店の裏側からさまざまなアクセサリーを持ってくる。

    一体、ジュエリー店でこのように自由に製品の写真を撮る「ミステリー」な人々は誰なのか。それは中国の行商人だ。

    中国の行商人は、韓国で直接製品を大量に購入して中国に搬入した後、オンラインなどで販売する。物を大量に購入する前に、製品の写真を撮り、中国現地の顧客に見せ、彼らが望む製品を大量に買っていく方式だ。スマートフォンを活用して、現地の顧客にリアルタイムで写真を転送することもある。韓国メーカーと直接取引をする場合もあるが、一部の行商人は、このように小売販売店で購入し、中国現地でより高値で販売して利益を生む。

    韓国化粧品だけに主に関心をおいていた行商人が、今や韓国ジュエリーブランドの大手として名を上げている。国内企業は、現金で一度に多くのものを買って行く彼ら行商人を通して、大きな収益を上げられる。行商人は、中国の流通チャネルを開拓するのが困難な中小企業の輸出通路としても活用されている。

    イーランドのロイドは、行商人の恩恵を受けている韓国ジュエリーメーカーの1つだ。ロイド明洞1・2号店は、中国人客の割合が80%を超える。ロイド全体売上高の年平均成長率が30%前後であるのに対し、明洞店は50%を超える。特に、時計製品が最も人気が高く、中国人の売上の50%を占めている。わずか30坪余りのロイド明洞2号店は、中国語が可能なスタッフ12人を常駐しているほどだ。

    イーランドの関係者は、「中国の労働節のような連休には、ロイドの全国物量を明洞に集めて需要を合わせる」としながら、「ロイド明洞店では、製品を1つ1つ写真に撮って、中国現地の顧客に送信する中国人顧客の姿を簡単に見ることができる」と伝えた。ロイド製品の価格帯は3万9000ウォンから17万ウォン前後だが、一度に2000万ウォン分を購入して行く中国人顧客もいるとイーランド側は説明した。中国の行商人が国内ジュエリー業界の最大顧客として上がった点を垣間見られる部分だ。

    アクセサリーに特化した南大門市場にも、最近になって中国の行商人が大挙訪れている。コピー目的で購入をする場合もあり、拒否感を持つ商人たちもいるが、あまりにも大量に購入して行くのを見ると、まったく嫌悪することはできない。

    南大門市場のイーランドの関係者は、「南大門市場は長い間、アクセサリーの輸出依存度が高かったが、最近、中国の行商人が現金で一度に大量に購入する場合が増え、彼らが占める南大門市場の売上高の割合も無視できなくなった」とし、「ただ、デザインをコピーする場合も多く、肯定的に見るだけにもいかない」と吐露した。

    このように中国人が韓国ジュエリーを独占していく理由は、中国人たちは金が好きだが、金時計やジュエリーを買える現地ブランドがあまりないためというのが業界の分析だ。中国では、ゴールドバー(金塊)やヒキガエル型の金塊を売る貴金属店は多いが、金でできたトレンディなネックレスやブレスレット、時計などには接しにくい。韓流ブームも一役買った。韓国人が着用したアクセサリーは、洗練されているという認識が韓国ジュエリーブランドの人気の背景だ。
  • 毎日経済 パク・ウンジン記者 / 写真提供=イーランド | (C) mk.co.kr | 入力 2016-07-28 17:08:31