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「AI」被害最悪…飼育していた鶏の32%消える…経済的損失は1兆ウォン

    高病原性鳥インフルエンザ(AI)の拡散によって殺処分された鶏とアヒルなどは、AI発生48日めで3000万匹を超えた。これによる経済的損失は1兆ウォンに迫るものと推定される。さらに鶏卵の値段が連日急騰するうえに、高額を支払っても鶏卵を求めることが難しく、消費者への追加の被害は雪だるまのように増えている。

    農林畜産食品部によると3日、この日までに殺処分された家禽はニワトリ2582万羽とアヒル233万羽の計3033万匹と集計された。昨年の11月17日に全羅南道の海南(ヘナム)郡と忠清北道の陰城(ウムソン)郡でAIが確定された後、48日めに莫大な被害が発生したわけだ。特に鶏卵を産む産卵鶏は飼育規模全体との比較で32.1%が殺処分され、鶏卵の価格は大幅に上昇した。

    韓国農水産食品流通公社によると、AIが発生した後、30個入りの鶏卵ひと箱の価格は昨年12月8日に5768ウォンを記録し、同じ期間の平年価格5649ウォンを初めて超えた。

    以後は上昇を続けながら、この日には8389ウォンまで上がった。昨年の12月8日から今年の1月3日までの平均価格は平年よりも高い7010ウォンであり、この期間の平年価格が5643ウォンであることを勘案すれば、鶏卵1個当たり平均で1367ウォンをさらに出して買って食べたわけだ。

    ふつう一日の鶏卵消費量は4200万個ほどであり、AIの発生で供給が減ってこの期間は平均3500万個ほどが消費されたと推定すると、AIのために消費者が追加で支払った鶏卵の価格はこれまでで既に430億ウォンに達する。

    産卵鶏の繁殖用鶏である産卵種鶏は半分近くが殺処分された状況で、産卵種鶏を再飼育して需給を安定させるには相当の時間がかかるとみられ、消費者の被害額は雪だるまのように大きくなるものと見られる。

    AIはもはや拡散しないとしても、産卵種鶏の被害を回復するには少なくとも6ヶ月かかるというのが農林水産食品部の判断だ。最終的には鶏卵の需給が正常に戻って安定するためには数ヶ月かかるだけに、消費者の被害額は多ければ数千億ウォンに達することにもなりうる。

    政府は最終的に物価安定と需給対応の次元で、4日から6月30日まで鶏卵と鶏卵加工品を無関税で輸入することにした。新鮮卵と卵液・卵粉など8品目に付けられた8~30%の関税をとりはらい、総9万8000トンの物量を輸入することにした。今まで新鮮卵には27%の関税を賦課したが、今後6ヶ月間はこれをなくして3万5000トンを輸入することを決定した。

    イ・ジュンウォン農食品部次官はこの日のブリーフィングで「現在、国内の消費者価格が一個270ウォン台だが、現在の価格水準ではすぐの輸入は難しいようだ」とし、「しかし価格高騰で300ウォンにまで上がった場合、航空運賃の50%程度を支援すれば輸入が可能だ」と説明した。

    この他にも殺処分にともなう農家と政府の直接の機会損失と、飼料産業と肉類・肉加工業、飲食業などにおよぼす間接的な損失は莫大だ。特に鶏卵の価格が急騰して一部では買いだめ現象まで起きているが、これとは反対にアヒルと鶏肉の消費需要は急減した状態だ。特に通常価格の70%以下の水準まで下げて割引イベントを行っても、消費者が見向きもしない場合が多く、農家の被害はさらに大きくなっている。

    ある業界関係者は「最近、猫がAIにかかって死んだという事実が伝わって消費需要が萎縮した」とし、「市中に流通している鶏と鴨肉はAIとは全く関係がないのに、漠然とした恐怖心理が消えず大変だ」と指摘した。
  • ソ・ドンチョル記者/キム・セウン記者 | 入力 2017-01-03 17:47:11