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「奸臣」や「延坪海戦」など、公開を待つ大作韓国映画

    • < 『延坪海戦』 >

    韓国映画の「オフシーズン」が長くなっている。去る2月以降、存在感を示す韓国映画は登場していない。映画振興委員会の調査によると、今年3月の観客シェアは韓国映画34.4%と外国映画65.6%で、韓国映画の劣勢が著しかった。100万人を超えた韓国映画は『スムル(二十)』の1編だけだった。春が絶頂に達する5月から、韓国映画の反撃が始まるものと見られる。時代劇や戦争映画、キャラクタームービーなど、多様なジャンルで期待作が登場する。静かだった映画市場を揺れ動かす「スター作品」はどれだろうか。5月と6月を担う韓国映画3編を調べてみた。

    閔奎東(ミン・ギュドン)監督の『奸臣』が最初の打者だ。5月封切り予定の『奸臣』は、強烈なセクシーコードと緊張感あふれる政治スリラーを和えた時代劇だ。総製作費100億ウォン前後で、華麗な見どころが期待を集める。『奸臣』は素材からして刺激的だ。朝鮮時代の燕山君(ヨンサングン)11年、快楽に陥った燕山君の目をくらますために奸臣がむらがり、その誘惑に陥った王が、自分自身と朝鮮の政局を破綻に陥れた悲劇的跛行を描く。王の寵愛を得るために、1万人の美女たちが色を競う。美女たちの致命的な誘惑、奸臣らの血まみれの陰謀が、張り詰めたカタルシスを抱かせることと期待される。

    • <『奸臣』 >

    絹に包まれた裸体の女性らでいっぱいの映画ポスターは、公開前から注目を集めた。『奸臣』は先月開かれた香港フィルムマーケットで、いくつかの国で先行販売された。外国メディアは「魅力的なビジュアルが印象的」だという評価を下した。奸臣のイム・スンジェはチュ・ジフンが、暴君の燕山君にはキム・ガンウがあたった。『人間中毒(情愛中毒)』でセクシーさを見せたイム・ジヨンが、燕山君を破滅させる絶世の美女ダンヒ役でいま一度男心をゆさぶる。

    実話に基づいた戦争映画『延坪海戦』も火力がすごい。6月の封切りを控えたキム・ハクスン監督の『延坪海戦』は、企画時から大きな話題をまき起こした。クラウドファンディング方式で製作されたこの映画は、製作費不足で映画製作が中断する危機を経験してもいたが、今年の初めまでに鎭海・釜山などを回って撮影を終えた。2002年に延坪島で繰り広げられた海戦を忠実に再現するために空撮を敢行し、実際の撮影に空砲を使用して臨場感を生かした。海の上、四方から砲弾と銃弾が飛び交う延坪海戦の緊張感と残酷さを実感できるように再現したという裏話だ。

    映画は素材自体が強力な政治的揮発性を帯びているだけに、興行とともに社会的問題が浮き彫りになると、観客が押し寄せるのは間違いないと予想される。愛国ブームと相まって、映画界の核爆弾になるか、政治的論議だけを残したままでしおれるのか、関心が集まる作品だ。キム・ムヨル、チン・グ、イ・ヒョヌが主演を引き受けた。

    はっきりとしたキャラクタームービーも一編、待機している。イム・サンス監督の『私の親友悪党』だ。交通事故の現場で金の入った袋を発見した若者らが、危険な事件に巻き込まれる話だ。

    「悪いやつらが幅を利かせる世の中。悪い奴に対抗するには、もっと悪い奴にならないとだめだ」というあくどいフレーズのように、極めつけの悪党らの豪放な対決が準備されている。『ベルリン』『不当取引』などで「クレイジーさ」に満ちた悪役を巧みにこなしたリュ・スンボムが2年ぶりにスクリーンにカムバックする。怪音を響かせる車の衝突シーン、素手で血まみれになったままの血なまぐさいアクションシーンが満載だ。「世界は地獄だ。地獄ではそれでも金が一番さ」と、露骨に欲望を露出させた者たちの最後はどうなるのだろうか。作品ごとに風変わりな個性をあぶりだすイム・サンス監督のカラーが気になる映画だ。6月公開。
  • 毎日経済_イ・ソンヒ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-04-10 16:12:29