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「チケットは大事な一票」韓国で増える文化の政治的消費

    • 大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが一瞬にして地獄に落ちた過程を描く『ワインスタイン』(左)、マイケル・ジャクソン10周忌の追慕雰囲気にブレーキをかけたドキュメンタリー『ネバーランドにさよならを』

    文化の政治的消費が増えている。政治的消費とは社会的利害関係を考慮して財貨を購入する行為だ。コンテンツの鑑賞を介して自分の立場を明らかにしようとする観客が増加するにつれて、制作側も特定の主義や思想を強く表明する作品を供給し対応している。

    韓国で先月23日に公開された『82年生まれ、キム・ジヨン』は今月4日までに258万人の観客を動員した。

    損益分岐点である160万人は早めに超え、週末までに累積300万人以上を動員すると観測されている。CGVゴールデンエッグ指数(100%が満点の実観客評価)が96%に達するなど作品に対する好評が大半であることが観覧欲求を刺激するうえに、女性の政治的消費も影響を及ぼしたものと見られる。「チュクパンカフェ」をはじめとする各種の女性コミュニティとツイッターなどのソーシャルネットワークサービス(SNS)上には、この映画に魂を送ったというコメントが多数発見される。「魂を送る」とは映画を実際には観覧しないがチケットを購入するという一種の政治的運動だ。観客数を増やすことにより作品に込められた主張に力を添えようとする意図だ。デジタル性犯罪を追う女性警官の活躍を扱った『ガールカプス』、日本軍慰安婦被害者であり平和運動家​​であるキム・ボクトンさんの人生を扱った『キムボクトン』も「魂を送る」ことで支持表明をした観客が多い。

    評価点数テロにより『82年生まれ、キム・ジヨン』の不買運動を繰り広げるの側も一種の政治的消費をしていると見ることができる。この映画はネイバーのネットユーザー評価を性別で見たとき、女性が平均9.52点、男性は2.71点だ。一番低い1点を与えたネットユーザーの多くが男性であると解釈できる。先立って小説 『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んだ芸能人に対して一部の男性ファンが「タルドク宣言」(ファンをやめるという宣言)することにより、政治的消費をしたりもした。

    制作者たちも政治的消費を狙ってメッセージがはっきりとした作品を以前よりも多く公開する傾向にある。スクリーンには暴露・告発性フィルムが豊作となった。来る14日に公開される『シャベル』は李明博政権の4大河川事業を密着取材したドキュメンタリーだ。7日に劇場で公開される『卒業』は某学校の私学不正を2009年から追跡したものだ。安倍晋三内閣が関与したとされる大学不正疑惑を扱った日本の作品『新聞記者』は先月17日の公開後、1万人近い韓国の観客を集め、独立映画としてはそれなりの興行を記録している。

    2年前に社会を襲った「metoo」も劇場に入った。9月に公開された外国映画『ワインスタイン』はハリウッドの大物映画制作者ハーヴェイ・ワインスタインの性犯罪を扱った。マイケル・ジャクソンの性的虐待疑惑をおさめた『ネバーランドにさよならを』は今年、ジャクソンの10周忌追悼の雰囲気にブレーキをかけた。

    男性の主演一色だからと「男湯」という批判を聞いていた韓国の劇場街には、女性中心の作品がこれまで以上によく登場する。韓国映画界が特定の性別に偏っていると感じている観客は女性主演の作品を鑑賞することで「多様性」に一票を行使する。来る27日、一般に公開される『私を見つけて』は俳優イ・ヨンエのスクリーン復帰作として話題を集めている。

    14日に公開される『ユニへ』のキム・ヒエはユニを演じた。偶然手紙を一通受けとったユニが初恋の記憶を探して雪原に旅立つメロドラマだ。アンジェリーナ・ジョリーを単独主演にした『マレフィセント2』は4日までに韓国の観客137万人と会った。

    放送界では女性アイドルの多様な姿を見せてくれた『Queendom』が固定ファンを獲得し、先月31日に終了した。ガールグループといえば連想されるセクシーやキュートなどのイメージの代わりに、多様なコンセプトを見せ脱コルセットのトレンドに呼応したという評価だ。

    ファンが直接動いてアイドルメンバーを退出させる姿もよく見られる。

    SUPER JUNIORのファンは頻繁に暴行事件に関与したカンインの退出を要求し、7月には実際に脱退につながった。

    最近、MONSTA Xのウォノを含めてチームから脱退したボーイグループのメンバーが今年一年だけで約10人にもなる。

    文化界の政治的消費は今後ますます強まるものと予想される。公正さのとりこになったミレニアル世代がコンテンツ消費の中心として注目されている。キム・ホンシク大衆文化評論家は「ミレニアル世代は文化コンテンツに自分の意思を貫徹しようとする欲求が強い」とし「スマート機器の発達により自分自身を表現することができる通路が多様になったことも政治的消費に一役買っている」と説明した。
  • 毎日経済 パク・チャンヨン記者 | 入力 2019-11-05 17:19:41