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映画制作者に変身する俳優たち

    興行俳優が興行制作者になる確率はどれくらいだろうか。残念ながら国内では「あまり」、海外では「けっこう」というのが最近の成績表だ。それにもかかわらず国内俳優たちの映画制作というのは変わらないロマンだ。もちろん結果はいつも良いことだけではない。良い俳優が良い映画を見分けるという言葉もあり、のどが渇いた俳優が井戸を掘るという比喩で俳優の制作者変身をもっともらしく描写するが、付いてくる興行結果によっては努力して積み上げた俳優としての名声さえ危うくするという冷酷な冒険でもある。

    もちろんハリウッドの事情は少し違う。今年2月に開かれた第89回アカデミー賞授賞式で映画『ムーンライト』で作品賞を獲得した俳優ブラッド・ピットや『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で俳優ケイシー・アフレックに主演男優賞を手渡したマット・デイモンのように制作者として大きく頭角を表す俳優も少なくない。この他にも映画『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』を制作したトム・クルーズと、昨年オスカーのトロフィーを手にしたレオナルド・ディカプリオ、映画『わたしに会うまでの1600キロ』と『ワイルド』のリース・ウィザースプーン、『ローラーガールズ・ダイアリー』と『ハウ・トゥー・ビー・シングル』などのロマンチックコメディ映画で頭角を表すドリュー・バリモアなど、最近制作者としての名声を得ているハリウッド俳優は多い。

    それでは、国内の状況はどうだろうか。最近は国内でも映画制作者として出てきた俳優たちが少なくない。その中で大きく問題となった人物が俳優イ・ボムスだ。脇役から主演まで27年のあいだ俳優としてアピールしてきた彼が、なんと100億ウォン台の制作費が投入されている映画『自転車王オム・ボクトン』の制作者に乗り出すというニュースに芸能界がひとしきりざわめいた。

    昨年700万人の観客動員数を集めた映画『仁川上陸作戦』の主な配役を務め、最近は『スーパーマンが帰っ てきた』というバラエティ番組でしばらく成功していたため、ファンたちの期待と心配が入り乱れた予想外のニュースだった。幸いなことは100億ウォンという少なくない制作費とともい歌手兼俳優として活動しているピ(RAIN)とカン・ソラ、ミン・ヒョリンなどの興行俳優をキャスティングしたという点だ。あらゆる経験を全て味わった俳優イ・ボムスだが制作者に変身するという彼の歩みに映画界が注目するのもこれが理由だ。

    昨年チョン・ウソンが制作した映画『私を忘れないで』も42万人の観客動員で、興行保証小切手と呼ばれるチョン・ウソンとキム・ハヌルが主演で出演したにもかかわらず興行成績は低調だった。

    また、俳優ユ・ジテが制作と演出を引き受けた映画『マイラティマ』は国内興行では惨敗したが、第15回ドーヴィルアジア映画祭で審査委員大賞を受賞するなどそれなりに作品性を認められ、俳優キム・ナムギルが制作したフェイクドキュメンタリー映画『アンサンブル』も祭典国際音楽映画祭に参加して好評を受けたが、興行成績は低調だった。

    このように国内の俳優たちの制作者変身のほとんどが興行失敗で幕を下ろしているが、映画市場の多様性を拡張できるという肯定的な評価もある。それでも名分に劣らず重要なのはやはり興行性だ。そこに作品性まで備わるのならばこれ以上ないことであり、現在イ・ボムスが作成している映画<自転車王オム・ボクトン>が注目されている理由だ。
  • Citylife 第580号 | 入力 2017-05-28 08:03:57