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韓、防疫指針の失策か?…デルタ変異の拡散直前に「隔離」緩和

  • デルタ変異が国内に広がりはじめる直前の7月初め、疾病管理庁が現場の疫学調査官らの集団反発を黙殺し、密接接触子の自己隔離免除基準を大幅に緩和していたことが分かった。変異ウイルス感染者の急増で「距離の確保」第4段階が5週目で続くなか、疾病庁は卓上行政を行い、コロナ19による国民負担を加重させたという批判が提起される。

    17日、複数の防疫関係者によると、疾病庁「コロナ19国内予防接種完了者管理指針」の改正を控え、7月初めに開催された意見収れん会議で、数十人の全国の市・道の疫学調査官らが「いまの時点で改正内容を実施すると大変なことになる」と強く反発していたことが明らかになった。当時、反対意見を述べた調査官のAさんは「ほとんどの調査官が反対意見を提出した」とし、「担当課長も(改正された指針に)衝撃を受け、(医師の資格を持つ)調査官を遠隔会議に追加で参加させたほどだった」と語った。

    指針改正の核心は、コロナ19の確定者と密接接触した人が予防接種完了者である場合は、一旦は自己隔離を免除するというものだ。これまでは無症候性などの一定の条件を満たしても、密接接触した確定者が変異ウイルス感染者ではないことを確認してこそ隔離が免除されたが、改訂ガイドラインではいったん自己隔離を免除し、後日に当該の確定者が変異ウイルスの感染者だったことが判明した場合、一歩遅れて隔離に転換することに変わった。

    コロナ19の確定者が変異ウイルス感染者かどうかを確認するには短れれば数日、長れれば2週間までかかる。この期間中に変異ウイルス保菌者であるかどうかわからない密接接触者が、市内を闊歩するようになったわけだ。調査官のBさんは「変異ウイルスの接触者だと判断されても隔離できなくなった」とし、「調査官が指針をこえて隔離させる場合は、権限乱用で訴訟を受ける危険性がある」と語った。

    7月以降にデルタ変異ウイルスが広がって、国内のコロナ19確定者が2000人台に達するにいたって、防疫指針を再考しなければならないという批判が提起される。キル病院のオム・ジュンシク感染内科教授は「自己隔離の基準を緩和したのは、当時はデルタ変異による感染が支配的でなかったたため」だとし、「指針改正が第4次大流行の原因と見ることはできないが、変異ウイルスの流入を防げなかった原因になったかもしれず、今からでも(防疫指針を)変えなければならない」と助言した。

    疾病庁が隔離基準を緩和したことは、予防接種の効果を考慮して国民の日常回復を助け、コロナ19の防疫による社会的コストを最小化するためだった。予防接種を完了したらコロナ19に感染したり、他の人にコロナ19を伝播する確率は低くなるからだ。疾病庁の資料によると、ワクチン接種完了者がコロナ19にかかった「突破感染」の事例は7月29日0時の時点で1132件、10万人当たり17.8人の水準だ。

    しかし疾病管理庁が予防接種を完了した密接接触者に自己隔離を免除しらことで、むしろより多くの社会的費用が発生するかもしれないという指摘も出ている。確定者が変異ウイルス感染者であって、密接接触者に変異ウイルスの突破感染が起こったことが確認された場合、自己隔離が免除された期間中に密接接触者が闊歩して、会った人々はまた隔離措置を受けなければならないからだ。調査官のCさんは「危険な1人だけを隔離させた場合したならば良かったのに、不必要に多くの人を隔離しなければならない状況につながって国民の日常の回復を遅らせている」と批判した。

    コロナ19事態による社会的距離の確保が継続し、自営業者などの国民の不安は大きくなっているのが実情だ。韓国銀行によると今年6月の末で、銀行の個人事業者(自営業者)に対する融資は1年6ヶ月前の2019年12月末よりも66兆9000億ウォンに急増した。直前の同期である2018年6月末~2019年12月末の増加分(36兆4000億ウォン)よりも83.8%増えた金額だ。 6月の基準で就業者全体のうちで自営業者が占める割合(20.2%)も、関連する統計のある1982年7月以降で39年ぶりに最低水準に低下した。

    専門家らは疾病庁の現場勤務者の意見を無視して現実に合わない卓上行政を行い、国民の負担を増やしたと批判した。調査官のAさんは「予防接種完了者の自己隔離免除は予防接種率が十分に高く、集団免疫が形成された時点で行われなければならいた」とし、「7月からワクチン接種者にノーマスクを可能にするという国務総理の発言に合わせて急いで施行されたもの」だと語った。疾病庁青の関係者は、「デルタ変異ウイルスが拡散しているなど、防疫指針の緩和時とは状況が大きく変わっており、自己隔離基準を再強化することを検討中だ」と明らかにした。
  • 毎日経済 | キム・ヒョンジュ記者 | 入力 2021-08-17 11:14:21