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高齢者1000人のうち13人が自殺未遂…9人に1人は死亡

盆唐ソウル大学病院、烏山市に居住する60歳以上の655人を追跡観察 

  • 韓国は年間10万人のうち約29.1人が自殺して、OECD加盟国(世界平均12.4人)のなかで、自殺死亡率1位を記録している。60歳以上の高齢層の自殺未遂が1000人当たり13.1人、このうちの9人に1人が死亡に至るという調査結果が出た。

    世界保健機関(WHO)が2014年に発表した資料によると、大韓民国の70歳以上の高齢者10万人当たり116.2人が自殺で死亡しており、これは最小5.8人から最大42.3人と、他国の高齢者の自殺率に比べて最大20倍に達している。

    盆唐ソウル大学病院の精神健康医学科キム・ギウン教授チームは、深刻な韓国の高齢者の自殺問題の原因を徹底的に分析するために、京畿道烏山市に居住する60歳以上の高齢者655人を対象に、2010年年2月から2013年1月まで個別インタビューを通じて、高齢者の自殺傾向、自殺未遂などの問題と原因を分析した。熟練された看護師が各高齢者に1カ月間の自殺行動の傾向をインタビューして、追跡観察した。

    今回の調査は、国際神経心理学インタビュー(Mini-international Neuropsychiatric Interview)に基づいており、世界気分障害学会の公式学会誌(Journal of Affective Disorders)最新号に発表された。

    研究チームが収集した資料を年齢・性別補正過程を経て標準化した結果、1カ月間、自殺衝動を感じた高齢者は年間1000人あたり70.7人、実際に自殺を試みた高齢者は、年間1000人あたり13.1人に達し、自殺を試みた高齢者9人のうち1人は死亡に至ったことが分かった。

    自殺傾向の発生はうつ病がある高齢者に3倍以上高く、うつ病の早期発見と早期治療が強化される必要があることが明らかになった。

    また、経済的に脆弱な高齢者は、一度自殺傾向が発生すると慢性化する危険性が2倍以上高かったが、適切な日常の運動がこのリスクを1 / 3水準に下げる効果があった。この他にも、自殺傾向がある高齢者のうち、1人暮らしであるかアルコール乱用があった場合、自殺未遂の危険を6倍以上高めることが分かった。

    高齢者の自殺を防ぐための対策として、貧困な高齢者のための支援策に加え、地域社会で高齢者の運動を奨励することができる政策開発が必要であり、独居老人に対する社会関係網の形成とアルコールの乱用などに対する積極的な管理が必要であることが研究を通じて明らかになったものだ。

    キム・ギウン教授は「残念ながら、高齢者の高い自殺率が減らない状況であるが、独居および貧困高齢者の増加とうつ病に対する消極的な対処が、高齢者の自殺問題を悪化させる要因となっている」とし「高齢者に対する経済的安全網の強化と一緒に、日常で着実に運動できる文化と環境を造成することが高齢者の自殺を予防する効果的な解決策になることができる」と明らかにした。
  • イ・ビョンムン医療専門記者 | 入力 2015-12-30 14:44:05