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超高感度センサーを開発…ガス検知能力10倍以上

  • 国内の研究チームは、これまでの感応素材にくらべてガス感度が10倍以上も向上した超高感度ガスセンサーを開発した。

    高麗大学のイ・ジョンフン教授研究チームは、異なる大きさの気孔を有機的に接続したナノ構造体を合成し、新たなガスセンサーを実現した。未来創造科学部の基礎研究事業支援を受けた今回の研究では、Nature誌の姉妹誌である『NPG Asia Materials』に11日付で掲載された。

    ガスセンサーは有害ガスなどによる事故防止、食品・水産物の品質と鮮度の判別、室内外の環境モニタリングなど、さまざまな分野に活用されている。

    有害危険ガスはPPM単位の低濃度である場合が多いので、超高感度センサーの設計はきわめて重要だ。ガスセンサーの感度を高め、反応速度を高めるための多様な研究が進められている。

    ガスセンサーでのカギは、気孔の大きさだ。気孔が小さい場合は比表面積が大きくなり、ガス感応に問題はないがガスの拡散が難しい。逆に気孔が大きければ、ガスの供給は簡単だが比表面積が小さく、ガス感度を高めることは難しい。研究チームは、ガス拡散が容易でありながらも比表面積の大きい、気孔間連結構造の設計が重要だという点に注目した。

    研究チームは、このため高い比表面積を実現できるナノ構造体を設計することにした。一般的なナノ構造体に存在するナノ気孔は、その大きさがあまりに小さすぎてガス拡散の原理上ガスの流出入を制限し、ガス感度を大幅に落とす問題がある。 50ナノメートル以上のマクロ気孔は、ガス拡散を大幅に増加させるが比表面積の大きさが大きくなく、ガス感度を上げることは難しい。

    研究チームは両方の気孔の限界を克服しながらも、利点を最大限に活用するためにナノ気孔とマクロ気孔を球状構造の内部に形成し、これをメゾサイズの直径(20ナノメートル)を持ち長さの長い円柱状のカーボンナノチューブテンプレート(Carbon Nanotube template/CNT)を用いて相互に接続した。

    その結果、ナノ気孔・線形メソ気孔・球形マクロ気孔が同時に存在し、それぞれの気孔が三次元的に連結した構造を得ることができた。

    研究チームが5PPMのエタノールを用いて実験した結果、新たに製作されたセンサーはガス感度が316倍だった。従来のセンサーに比べて感度は10倍以上高く、現在までに報告された結果の中で最も高いものだ。

    イ・ジョンフン教授は、「新しい想像力を土台に、互いに異なる大きさの気孔を連結したもので、飲酒測定器や人工嗅覚、環境モニタリングなどの、ガスセンサを基盤にする多様な応用分野およびエネルギー・環境素子などに広く適用できると期待される」と研究意義を説明した。

  • 毎日経済 イ・ヨンウク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-03-17 13:56:32