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「薄膜トランジスタ」を10分の1のコストで製作…ディスプレイや半導体

韓国地質資源研究院・高麗大研究チーム開発 

  • 韓国の研究陣が曲がるディスプレイや半導体などの電子産業の核心と呼ばれる「薄膜トランジスタ」を、既存プロセスの10分の1の水準のコストで安く製作することができる技術を開発した。

    韓国地質資源研究院の鉱物資源研究本部チェ・ジヒョク主任研究員と高麗大学新素材工学部オ・スンジュ教授の共同研究者は7日、低コストの溶液プロセスを用いて薄い半導体(薄膜トランジスタ)を作る技術開発に成功したと明らかにした。研究結果は8日、世界的科学学術誌『サイエンス(Science)』に掲載された。

    コンピュータ、テレビ、スマートフォン、タブレットPCなどの電子機器のディスプレイは、薄くて鮮明で大面積でありながらも、安定した解像度を実現する方向で進化している。このようなディスプレイ工程の核心は薄膜トランジスタだ。薄膜トランジスタは、ディスプレイの鮮明度に直接影響を与える。現在まで薄膜トランジスタを作るためには、真空状態で化学物質を蒸発させ小さな粒子にした後に貼り付ける「蒸着法」を主に使用した。しかし、真空状態で金属を加熱するために多くのエネルギーと空間が必要で、高価な機器を使用するという問題点があった。真空蒸着の代わりに溶液で薄膜トランジスタを作成すれば、この問題は解決するが、電気が上手く流れないという問題が生じた。

    研究陣は「リガンド(ligand)」プロセスを活用し、この問題を解決した。薄膜トランジスタを作る基板上に、銀と酸化アルミニウムなどを落とし高速で回転させれば遠心力によって薄く広がる。研究陣はこの基板を「チオシアン酸アンモニウム(Amonium Thiocyanate)」という物質に浸して取り出すリガンドプロセスを経ると、溶液中に存在する粒子間の距離が縮まることを確認した。電気が流れるためには、粒子間の間隔が狭くなければならない。

    チェ・ジヒョク研究員は「基板上にナノ粒子を噴射し、スピンコーティングして薄膜を作った後、リガンド溶液を分散させ、別のナノ粒子をその上に噴射する方法を数回経れば、安価な方法で薄膜トランジスタを作ることができる」と説明した。

    この技術の最大の利点は、価格競争力だ。チェ研究員は「真空装置は1台で8000万~1億ウォン程度するが、私たちが作った装置は800万~1500万ウォン程度だ」とし、「機器の価格だけでも、最大10分の1に減らすことができる」と話した。研究陣は今回の技術開発で、大企業の生産コストを大幅に削減し、中小企業の進出も活発になると期待した。
  • 毎日経済 イ・ヨンイク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-04-08 03:02:02