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テクノロジー > 健康・医学

体内の炎症だけを見せてくれる…国内初の診断用放射性医薬品を開発

  • 国内の研究チームが、体内の炎症だけを見せることができる新しい放射性医薬品を国内で初めて開発した。

    韓国原子力医学院のパク・ジエ、キム・ジョンヨン、イ・ヨンジン、アン・グァンイル、イ・ギョチョル博士の研究チームは、独自運用中である円形粒子加速器(医療用サイクロトロン)で疾患診断用の放射性同位元素ジルコニウム-89(Zr-89)を製造しており、人体内の炎症と腫瘍の区別が可能な炎症診断用の放射性医薬品である「放射性ジルコニウムシュウ酸塩(Zr-89 oxalate)」を開発したと発表した。

    がんの早期診断および治療のために使用される代表的な映像診断検査法のうちの1つが、PET(陽電子放出断層撮影)だ。がん細胞がブドウ糖を熱心に食べつくすという点に着目し、放射性医薬品であるブドウ糖の類似体を造影剤として使用する。がんの位置、大きさ情報、転移および成長の度合いを見ることができる。

    問題は、がん細胞だけでなく、一般的な細胞もブドウ糖の類似体を食べつくすという点だ。PET撮影をした後、診断映像で腫瘍や炎症の病変の違いを区別する難しさがあった。

    研究チームは、マウスを対象にした実験で「放射性ジルコニウムシュウ酸塩」を使用する場合、腫瘍細胞より炎症細胞がこれをより多く摂取するということを明らかにした。研究チームは、腫瘍と炎症を持つマウス全てに放射性医薬品を投入した結果、ブドウ糖の類似体は腫瘍細胞と炎症細胞の両方が摂取されたのに対し、放射性ジルコニウムシュウ酸塩は、腫瘍細胞より炎症細胞でより多く摂取されるという点を確認した。

    研究チームは、関節リウマチを持つマウス実験を通じて、ブドウ糖の類似体を使用した時、発見できなかった関節炎の部位を放射性ジルコニウムシュウ酸塩から観察した。さまざまな炎症に適用する場合、映像診断情報の獲得が可能だろうと期待している。

    研究成果は、国際分子製薬学の学術誌『Molecular Pharmaceuticals』に先月31日、掲載された。

    研究チームが開発したPET造影剤「放射性ジルコニウムシュウ酸塩」は昨年1月、国内特許を出願した。研究チームは、今回の技術を関節リウマチを含むさまざまな炎症に拡大・適用する計画だ。新たに開発・生産した疾患診断用の放射性同位元素ジルコニウム-89の長所を生かし、新しい診断用PET造影剤に対する応用研究も可能だと見込んでいる。
  • 毎日経済 イ・ヨンウク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-06-21 14:15:38