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テクノロジー > 健康・医学

半導体技術で蝸牛管を作り聴覚障害者に音を聞かせる

人工内耳の開発スタートアップ「Todoc」ミン・ギュシク代表 

    △写真=Todocメンバーが韓国型人工内耳を作るとし、ファイティングと叫んでいる。左からキム・ドゥヒ責任研究員、ミン・ギュシク代表、シム・シンヨン博士課程の学生、オム・ギョンシク博士。

    グローバルイノベーションセンター(KIC)のKグローバルネスティングプログラム選定、米国サンフランシスコで創業研修、第1回ヒューゲルオープンイノベーションコンテスト1位、ベンチャーキャピタルとの相次ぐミーティング。創業1年足らずの医療機器スタートアップ「Todoc」に起こったことだ。ミン・ギュシクTodoc代表は、「私の能力外のことが次々と訪れた」とし、「素晴らしい先生たちの教えと、一緒に研究している先輩たちと後輩たちのおかげだと思う」と花を持たせた。

    Todocは、半導体の微細工程を利用した液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)技術で人工内耳を開発する。聴覚障害のある人々に「音」を聞かせる装置だ。補聴器が音を大きくして鼓膜に送ったのなら、人工内耳は蝸牛管の神経を電気で直接刺激する。2015年のグローバル市場規模は1兆ウォン程度で、オーストラリア企業であるコクレア(Cochlear)が約53%を占めている。ミン代表は、「今は手作業で作成し、装置が高価であるうえ、手術費まで数千万ウォンかかる」とし、「Todocの夢は大衆的な『韓国型人工内耳』を世に出すことだ」と伝えた。

    「毎年、インドで1万人、中国で3万人の先天的聴覚障害児が生まれる。米国だけで現在、人工内耳が必要な顧客は100万人いる。大量生産で価格を下げれば、より多くの人が恩恵を受けるだろう」

    液晶ポリマー技術を活用すれば、大量生産が可能だ。人工内耳で音を聞くには、耳の中に装置を移植しなければならないが、より小さくすることもできる。このようになれば、現在の2時間の手術時間が1時間以内に減り、顧客層を拡大できるだろうという見通しだ。現在2500万ウォン台である価格も半分に下げられると会社側は見ている。

    ミン代表は、ソウル大学で液晶ポリマーベースの人工内耳の電極研究で博士号を受けた。「人工内耳を液晶ポリマーで作ってみろ」という師匠キム・ソンジュンソウル大学教授の指導を受け、困難の中で完成した結果だった。その後、サムスン電子総合技術院と医療機器事業部で研究員として働き辞めた後、教授の道と悩んで創業を選んだ。ミン代表は、「人体に適合するかを検証する必要がある大きな山があり、これまで液晶ポリマーは実験室の外に出られなかった」と説明した。

    「韓国型人工内耳」の夢のために師匠と弟子たちが1つになった。神経補綴分野の権威者であるキム教授と人工内耳手術の巨匠であるソウル大学病院耳鼻咽喉科のオ・スンハ教授が、弟子たちの心強い援軍を自任した。ミン代表の先輩でありニューロサイエンス分野に精通したチョン・サンボム梨花女子大学教授も製品開発に参加している。Todocは2017年末に、人間用人工内耳の完成を目標としている。
  • 毎日経済 シン・チャンオク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-07-13 04:01:05