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「音楽ストリーミングサービス=レコード市場の敵」は今や昔話

Appleミュージック・Spotifyなどのストリーミングサービスの急成長 

    今年は、世界音楽業界にとって多事多難な年として挙げられる。テイラー・スウィフトら米国の有名歌手たちは、動画ストリーミングサイトのYou tubeが無料で音源を提供していると非難している。一方では、ケイティ・ペリーのような有名歌手が、音源ストリーミングサービスで市場占有率が最も高く、レコード業界から非難の対象になってきていたAppleミュージックと独占契約を結んだ。ラジオと類似したサービスを提供しているパンドラと電子商取引で有名なアマゾンなどは、ストリーミングサービスに進出するために万全の準備を備えた状態だ。Appleミュージックと敵対できるSpotify(スポティファイ / 現在、韓国ではサービスしていない)は、また別のストリーミングサービス企業であるスマートクラウドの買収のために先月から交渉を開始した。

    このように忙しく回っている音楽業界の状況が、2つの明確な現象を指していると英国の経済週刊誌『エコノミスト』は説明した。『エコノミスト』は、これらの2つの現象をこのように整理した。1つは、今後、ストリーミングサービスが音楽産業界の未来になるという点、もう1つは、AppleミュージックとSpotifyが今後、その未来を主導していくという点だ。この2つの現象は、音楽業界に昨日の敵を今日の仲間として見る新しい視点を提供している。

    まず、レコード業界は1999年にインターネットベースの音源が始まって以来、墜落を繰り返した。現在も音源をiTunesで買おうが、CDで買おうが所有概念で販売する売上高は、継続的に下落傾向を免れずにいる。しかし、全体の米国レコード会社と音源著作権者らの売上は、過去約15年間の赤字から好転して最近2年間で上昇を記録している。

    音源販売は継続的に減少しているにもかかわらず、レコード業界が息を吹き返している理由は、まさにストリーミングサービスの有料購読率が増加しているためだ。米国で今年上半期のストリーミング購読売上高は10億ドルに達した。これは、わずか1年で5億ドル以上増加した数値だ。一方、ラジオ放送のようなサービスを提供するパンドラや広告が挿入されたストリーミングサービスであるYou tube、無料サービスであるSpotifyなどは、ストリーミング有料購読に比べて低調な成長率を見せた。

    それにもかかわらずSpotifyの影響力もまた、レコード業界では看過できない。万一、Spotifyがスマートクラウドを買収した場合、Spotifyが保有する会員数は月1億7500万人に増えながら、さらに地位を確固たるものにするだろうと予想される。

    Spotifyはレコード業界にこれまで50億ドルを支払ったと発表した。かつて業界でタブー視されていた無料ストリーミングサービス企業であるSpotifyが、今ではレコード会社に最も安定した収益をもたらす企業になったということだ。レコード会社が無料音源サービスを不満に思いながらも、Spotifyの成功を密かに望んでいる理由がここにある。今後、音楽業界は新しい音楽を発表するたびに、今まで敵だと呼ばれていた対象に感謝しなければならない状況に変化している。
  • 毎日経済 キム・ミヨン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-10-20 08:33:58