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テクノロジー > 健康・医学

蒸し暑い夏場にも「肺炎」注意報

  • 肺炎は冬の病気と考えがちだが、夏をはじめとして一年中注意が必要な疾患だ。

    夏には肺炎の原因となる様々な細菌、カビなどの微生物やウイルスの繁殖が活発化してさらに猛威を振るう。健康保険審査評価院の疾病統計によると2013~16年の肺炎患者は14.6%増加し、夏(7~8月)の肺炎患者は12%以上増加した。特に団体生活をする子供や免疫力の弱い高齢者、慢性疾患者、呼吸器基礎疾患者などは様々な原因によって発生する肺炎に脆弱なため注意が必要だ。

    ◇レジオネラ肺炎=エアコン、シャワー、装飾噴水などの汚染された水に存在していた菌が飛沫形態で人体に吸入されることで伝播する疾患で、特にエアコンの使用が頻繁な6~8月に増加する傾向がある。レジオネラ症の患者は毎年20~30人程度発生することで知られていたが、2015年には45人に増加し、昨年にはこれより3倍近く急増した128人の患者が発生した。

    特に大型建物、宿泊施設、老人福祉施設などの空調冷却塔に生息したレジオネラ菌がエアロゾル形態で排出したときには集団感染につながる可能性があるため注意が必要だ。日常生活の中でレジオネラ肺炎を予防するには定期的な掃除と消毒を徹底し、エアコンフィルターと冷却水に細菌が濃縮されないように清潔に管理する必要がある。

    ◇マイコプラズマ肺炎=5~9歳を含む学齢期の子供と青年層で主に感染症を起こす病原体だ。通常は3~4年周期、晩秋に流行することで知られているが、2015年には夏場に乳幼児のあいだで一般的な解熱剤と抗生物質が効かないマイコプラズマ肺炎が流行している。

    マイコプラズマは呼吸器系はもちろん、神経、血液、心血管、骨格系、腎臓系と様々な組織に問題を引き起こす可能性があり、特に子供の場合は肝炎にまでつながることもあるため注意が必要だ。予防のためには幼稚園、学校などの集団生活にあたって手洗い、口を覆って咳をする、個人食器やタオルの使用など、個人衛生守則を徹底的に守らなければならない。

    ◇肺炎球菌肺炎=肺炎を誘発する最も一般的な原因菌で、乳幼児や高齢者で高い有病率を示す。肺炎球菌による最も一般的に発生する疾患である肺炎は、韓国で高い死亡原因(2016年基準4位)を占める致命的な疾患として注目されている。肺炎の死亡率は施設(外来患者、入院患者、集中治療室の患者)によって6.4%から40%以上に至るのだが、高齢者の死亡率はこれより高い。最近の研究によると肺炎球菌肺炎を患って回復した人々は、一般の人に比べて死亡リスクが最大で10年まで高まることが明らかになり、予防の重要性がさらに高まっている。

    幸いなことに肺炎球菌疾患は、ワクチンを使用することで一部の予防が可能だ。大韓感染学会は65歳以上の成人および18歳以上の慢性疾患者、免疫低下者、COPDなどの呼吸器の基礎疾患者などに肺炎球菌ワクチンの接種を勧告している。特に糖尿病などの慢性疾患を保有している18歳以上の成人では、13価蛋白接合ワクチンを優先接種するように勧告しており、主治医との相談を通じてワクチン接種のスケジュールを確認したあとに接種するのが良い。

    ◇吸引性肺炎=口の中の唾液のような分泌物や食べ物のような異物が気道に吸入されながら肺に炎症を起こす疾患で、口の中にある細菌が気管支に吸引されることが最も重要な原因だ。高齢者から通常発生し、脳血管疾患や認知症のような嚥下障害を誘発する疾患がある場合はさらにリスクが高い。吸引性肺炎の予防のためには口腔を清潔に管理し、座って食事を摂取するなど生活習慣を矯正することが何よりも重要だ。
  • イ・ビョンムン医療専門記者 | 入力 2017-08-08 09:00:00