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SKのバイオ事業、世界最大の米市場に進出

    • 米アムパック社



    SKグループの持株会社であるSK(株)は、米国の医薬品原料受託開発・製造メーカー(CDMO)のアムパック(AMPAC/Ampac Fine Chemicals)社を買収し、バイオ・製薬事業がSKグループの中核成長動力として急浮上している。

    特にグローバル医薬品の主要市場である北米を攻略するための足場を整えた点は、SKグループのバイオ事業の歴史に大きな変曲点となる見込みだ。

    SK(株)の関係者は12日、「ドナルド・トランプ政府が発足して以来、米国内で消費される医薬品は自国内で生産されなければならないという規制が継続され、海外メーカーの米国市場進出が困難な状況」だとし、「しかし今回のアムパック買収をきっかけに、SK(株)は米国内の生産設備を確保することになり、米国だけでなく北米市場攻略の前進基地を設けることができるようになった」と説明した。

    SK(株)は特に今回の買収・合併(M&A)を通じて、これまでにSKが保有するアジア・ヨーロッパ地域の医薬品生産能力と、北米でアムパックが培ってきた生産・技術力が相乗効果を出すことが期待される。

    SK側は「現在、韓国とアイルランドで合計40万リットル級の原料薬を生産している」とし、「今回買収したアムパックの生産規模を合わせると、2020年以降の生産規模はグローバルで最大の160万リットル級に増えることになる」と明らかにした。

    SK(株)の100%子会社であるSKバイオテック(SK Biotek)は1998年から高付加価値医薬品原料を生産し、世界の製薬会社に輸出してきた。昨年は国内企業で初めて多国籍製薬会社であるブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)のアイルランドの生産設備を丸ごと買収して注目を集めた。

    今回のM&Aが成功したこともSK(株)がBMSのアイルランド工場を買収し、買収後の統合(PMI)操作などを正常に引き出して、グローバル市場での信頼を得られた結果だというのが関連業界の分析だ。

    実際、抗がん剤と中枢神経系・心血管治療剤などに使われる原料医薬品を製造するアムパックは最近急成長しており、SK(株)のほかにも多数の世界的な製薬会社や私募投資ファンド(PEF)などが視線を注いでいたが、バイオ・製薬事業に対する強い意志と継続した投資の意思を明らかにしたSK(株)が最終的に指名されたと伝えられた。

    アムパックは昨年の売上高が数千億ウォン台で、平均15%以上の高成長を維持している。米国内の生産設備3ヶ所と研究施設1ヶ所を保有しており、熟練した従業員500人以上が勤務している。ブロックバスター級の医薬品に成長する可能性が高い医薬品原料に対する単独・優先供給者の地位を多数確保していると伝えられた。

    これに加えて、今回のM&Aが過去20年間の製薬バイオ事業に着実に投資してきた崔泰源(チェ・テウォン)SK会長の、「グローバルKバイオ戦略」が作った成果だという評価も少なくない。チェ会長は2007年の持株会社体制移行後も、新薬開発組織を持株会社直属のままにしてグループレベルの投資と研究力量を結集してきた。

    SK(株)の100%子会社であるSKバイオテックは、糖尿病・肝炎治療剤に使われる原料薬を大型グローバル製薬会社に供給して、長い期間に信頼関係を構築してきた。また、世界初で量産化に成功した「低温連続反応」技術は、世界最高水準の技術力を認められている。これに力づけられたSKバイオテックは、2020年までに企業価値10兆ウォン規模のグローバルCDMOに成長することを目指している。

    SK(株)の関係者は、「アムパックの生産設備は米国食品医薬品局(FDA)が検査官の教育場として活用しているほどで、最高レベルの設備を誇っている」とし、「今回の買収により、今後は米国市場進出に対する状況変化に能動的に対処すると同時に、製品の安全性と顧客の信頼をいっそう高めることができる足場を整えることになった」と説明した。また、この関係者は「既存の核心顧客社の米国現地生産ニーズを満たすために、米シリコンバレーを中心に高速成長中の新興製薬会社との協業を通じたビジネスモデルの革新と相乗効果の最大化も期待される」と述べた。

    一方、専門性を土台に「グローバル投資専門持株会社」に飛躍しているSK(株)は、バイオ・製薬、グローバルエネルギー、半導体材料などのグループの未来新成長動力を発掘・育成するための先頭に立っている。持株会社であるにもかかわらず子会社の配当とブランドの収益に安住せず、未来の成長動力を積極的に発掘して投資し、独自の企業価値を高めたベストプラクティスとの評価も受けている。
  • 毎日経済_カン・ドゥスン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2018-07-12 17:35:44