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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国ドラマは放送局ではなく外部の制作会社が作るのですか?
  • A.
    マーケティングチーム長「N社から売場が露出していないと不満が出ています。ドラマ放映終了まで数回残っていないので、どうしてもN社としてはイラつくでしょう。このままでは契約したお金を受けられない可能性がありますよ」
    代表「作家にお願いしてみよう」
    PD「もう何度もお願いをしたのですが、わかったとだけ言います。そして、カメラ監督も売場を上手に撮ってくれません」
    代表「作家は私が別途一度会ってみるから、カメラ監督は現場で君が注意してくれ」

    韓国のドラマ制作会社の会議風景だ。ドラマ視聴率が30%台と、かなり高く出ているが、まだ収益を確信することはできない状態だ。可能であれば、もう少し協賛を貰いたいと思うが、現在の契約を履行するにも作家と監督と厳しい争いをしなければならない。あまり芸術性がない、とんでもドラマとして烙印を押された状態であるのに、作家や監督は、間接広告を気にする。協賛契約を結んだ業者から抗議が殺到したため、契約破棄を気にしたマーケティングチームの要請で、このような緊急会議を開いているところだ。

    なぜ、このようなことが起きるのだろうか。理由は簡単だ。韓国でドラマを作る製作会社は、ドラマを企画して必要な資金を調達したり、ドラマを作成するには、放送局で編成を取って来なくてはいけない。編成とはドラマの放映日程が決まることをいう。編成がなされてこそ、ドラマを放映するという保証が確実になる。

    編成が決まって出演陣をキャスティングして、実際の撮影に入ると、その時からは作家と放送局の所属PDが現場を支配する。外部制作会社としては作家と監督、出演陣の要求を聞いあげて雑用をするくらいだ。もちろん、必要とする経費の支払いも製作業者の役割だ。

    放送局の編成が完了したら、一定額が制作会社に支援される。放送局の支援額は、どれだけ多くても1話あたり3億ウォン程度だ。ところが、人気作家の場合、1話当たり5000万ウォンずつの高額を支払わなければならず、タレントの場合には、韓流スター級であれば1話で最低7000万~8000万ウォンが基本だから放送局の支援額では、俳優たちのギャラを埋めることができない。

    放送局は広告を売って収入を補填できるが、製作会社は間接広告や協賛に傾くしかない。ドラマが終わった後、再放送するケーブルTVや海外市場に販売することで収入を作ることもできるが、期待するほどの収入があるかは確実でない。

    1300に上るは韓国のTV番組制作会社は、ほぼ同様の事情を抱えている。もちろん、企画は徹底的に制作会社の分け前だ。企画書を作成して放送局を転々としながら編成権を獲得しようと努める。ある場合には、ドラマを書く作家が懇意にしているPDを介して編成を獲得する場合もある。

    有名作家の作品ほど枠を獲得することが有利なため、制作会社は作家と契約をする。もちろん、契約金を前払いする。制作会社所属の作家が多ければ多いほど有利であるが、多くの作家と契約を結ぶことは、それほどお金もたくさんかかる。ドラマ制作会社が大型化されているのも、こうした理由からだ。

    しかし、韓国の制作会社は米国に比べればはるかに零細だ。まず、撮影に必要なセット場を備えた会社は皆無で、スタッフもほとんどいない。撮影のノウハウ自体がないと見ても過言ではない。セット場から放送機器、制作者までほとんど放送局の職員が務めることがほとんどだ。見方を変えれば、放送局はリスクなしでドラマを制作して製作人員の人件費を制作業者から受け取っているようなものだ。

    質問に答えるなら製作会社は企画だけして、お金を出すことにだけ務めると見ても大きく間違っていない。もちろん、実際の制作まで責任を負う会社もたまにある。

    ☞ 外注製作は、プログラムの多様化と地上波3社の排他的なプログラムの構造を解消するという目的のために導入された。韓国初の外注製作ドラマは、1995年にSBSで放映された『砂時計』であり、現在は全体の放送番組の70%を外注制作の番組が占めるほど比重が高まった。

    ☞ 外注製作会社が地上波放送局に著作権を譲渡すれば、製作費の60~70%が支給される。しかし、著作権を製作業者が保有すれば支給額は、制作費の50%未満に減る。

    ☞ 韓国の製造会社は、英国の外注製作制度をベンチマークすることを望んでいる。英国は外注製作会社がスタジオ、制作スタッフ、機器などを自分で解決する。ジャンル別に標準的な制作費があり、リスクが少ない。

    日本は放送局が制作費を提供して下請けをとる方式が一般的だ。制作者のリスクはないが、作品が成功を収めた場合のメリットも減る。米国は放送局が1次放映権を購入し、すべての権利はすべて製作業者が所有している。コンテンツから出る収益はすべて制作会社が持つが、リスクははるかに大きい。ハリウッドが世界市場を相手にドラマを販売するという点を考慮しなければならない。米国以外の国の企業が真似をするには、あまりにもリスクが大きい。