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  • Q.
    今回のIUの騒動はなぜ起きたのでしょうか(2)
  • A.
    ※この記事は「今回のIUの騒動はなぜ起きたのでしょうか(1)」の続きです。

    2009年以来、IUは毎年新しいアルバムを出します。

    2009年には、正規1集『Growing up』に続いてミニアルバム『IU IM』を発売しますが、ここに収録された「マシュマロ」という曲でアイドル歌手という称号を得ることとなります。2012年にリリースした三番目のミニアルバム『Real』のタイトル曲「Good Day」は各種音源サイトを独占し、彼女が「国民の妹」というタイトルが得るきっかけとなりました。

    2011年にはシングル「Real +」と正規アルバム『Last Fantasy』、2012年には「一日の終わり」をタイトル曲にした『二十歳の春』が出されます。ドラマに出演して演技者として忙しく過ごす中でも、2013年10月のアルバム『Modern Times』が出てくると、タイトル曲の「the Red Shoes」がすべての音楽番組で1位を独占するのはもちろん、アルバムに収録された13曲が音源サイトで1~13位にランクされる状況が繰り広げられます。

    昨年には、自分の誕生日に合わせて発売したリメイクアルバム『花しおり』も賛辞されました。タイトル曲の「私の昔の話」は、チョ・ドクペの歌をリメークした曲であり、最も人気を集めた「君の意味」もサンウルリム(やまびこ)の歌を再解釈した曲です。

    今年はキム・スヒョン、チャ・テヒョンと一緒にKBSドラマ『プロデューサー』に出演して、演技者として忙しく活動しながらも、『無限に挑戦』の歌謡祭に出演して自作曲『レオン』で絶大な人気を引き付け、続いて新しいアルバム『CHAT-SHIRE』を披露します。

    10月23日の深夜に音源が公開されたのですが、「Shoues(新しい靴)」、「Zeze」、「Twenty-Three(二十三)」、「The Shower」、「Red Queen」、「Knee(膝)」、「Glasses(メガネ)」、「心」、「Twenty three」をすべてIUが直接作詞したそうです。アルバムの写真を見ると、『ふしぎの国のアリス』が連想されます。

    アルバムの名前も小説に登場する神秘的な猫チェシャー(Cheshire)をモチーフにしたことを簡単に知ることができます。『不思議の国のアリス』は小説の中に多くの言葉遊びが登場しますが、このアルバムのタイトルにもこのような部分が見られます。CHAT + SHIREを意訳すると「話の国」という解釈が可能ですが、一方でCHATをフランス語での猫と理解することもできます。

    『Chat-Shire』は、音源が公開されてから1時間で各種チャートの順位を変え、24時間のユーザー数がなんと124万9034人と、過去最高を記録しました。

    参考までにアルバムに収録された曲を一通り紹介すると次のとおりです。

    ・「Shoues(新しい靴)」:『オズの魔法使い』でドロシーが履いた魔女の新しい靴、飛び回るようなときめきを表現した曲。
    ・「ZeZe」:『私のライムオレンジの木』の登場人物であるZeZeと木ミンギニュをモチーフに作られた歌。
    ・「Twenty-Three(二十三)」:タイトル曲。
    ・「The Shower」:ファン・スンウォンの小説『ソナギ(にわか雨)』の一場面を素材に作った歌。
    ・「Red Queen」:『鏡の国のアリス』に登場する赤の女王を素材に作った歌。IUが好きなf(x)の元メンバーソルリが描いた絵からインスピレーションを受けて作ったという。
    ・「Knee(膝)」:ヘルマン・ヘッセの小説『デミアン』を素材に作った曲。もともとは歌を作るために書いた歌詞ではなく、子どもの頃、祖母がそうしてくれたらなという思いから書いた不眠症に関連した内容だという。
    ・「Glasses(メガネ)」:トルストイの小説『イワンのばか』を素材に作った曲、誰かの欠点を指摘しながら生きずに、自分の行く道を行きたいイワンを込めたアルバムの最後のトラックだ。
    ・「心」:2015年5月、びっくりファンサービスとして公開した歌、ボーナストラック。
    ・「Twenty three」:ドラマ『プロデューサー』でシンディの曲として披露した歌、ボーナストラック。

    収録された歌の中から、2曲で問題が発生しました。「ZeZe」の小児性愛と「Twenty Three」の無断サンプリング議論です。これに関連する話があまりにも多く、ZeZe問題は次回扱うことにして、まず無断サンプリングを取り上げてみることにします。

    「Twenty Three」はボーナストラックであるため音源サイトでは探すことができず、アルバムを購入してこそ聞くことができる曲です。アルバムが出た後、ブリトニー・スピアーズ(Briteny Spears)のファンが、サウンドや、効果音の雰囲気などが、全体的にブリトニー・スピアーズの「ギミ・モア(Gimme More)」に似ており、IU以外の声はすべて「ギミ・モア」から持ってきて書いた曲という疑惑を提起しました。

    すぐに反論文も投稿されました。ブリトニーではなく、仮想楽器のサンプルだとし、価値のないアンチの言い分だという書き込みがされたのです。関心のある方は、両方の曲を聴いて判断してみるといいかもしれません。

    IUの所属事務所であるロエンエンターテインメントが作曲家に問い合わせたところ、実は作曲家が持っていたボイスサンプルの一部だということが確認されたのですが、サンプルのソースが不明だと判断され、ブリトニー・スピアーズの所属事務所であるソニー・ミュージックに連絡を取ったと明らかにしました。

    続いて、ソニー・ミュージック側の立場としてブリトニー・スピアーズ本人に確認する必要があるという記事も出ました。もしブリトニーの音だと確認されれば、その時に謝罪をして補償するという措置が続くことでしょう。曲全体が盗作是非に巻き込まれたのではないため、実際には大きな問題として広がりませんでしたが、こんなことも、IUを悪く考えている人たちには問題提起をする材料になるようです。

    「霊悪なIU」。IUを批判する人たちが付けたニックネームです。韓国語で霊悪(ヨンアク)とは利害に抜け目なく利口だという意味です。23歳にして大スターになったIUです。賢くなかったとしたら、芯が強くなければ、どうして可能なことだったでしょうか。

    ※この記事は「今回のIUの騒動はなぜ起きたのでしょうか(3)」へ続きます。