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  • Q.
    韓国では財閥も脱税をしますか?
  • A.
    去る3月18日、ソウル麻浦にある暁星(ヒョソン、ヒョースン)本社で株主総会が開かれました。その総会で、趙錫来(チョ・ソクレ)会長と長男の趙顕俊(チョ・ヒョンジュン)社長が両方とも社内取締役に再選任されました。

    趙錫来会長は2カ月前の1月中旬、1300億ウォンを脱税した疑いで懲役3年に罰金1365億ウォンを宣告された状態でした。長男は横領容疑などで一緒に起訴されましたが、彼も懲役1年6カ月、執行猶予3年の宣告を受けました。

    裁判部は寛大でした。趙会長の犯罪額は、2003年から2008年にかけての粉飾会計5010億ウォンに脱税1506億ウォン、横領690億ウォン、背任233億ウォン、違法配当500億ウォンなど、7939億ウォンに達しましたが、裁判部は1358億ウォンの脱税だけを認めて、残りはすべて無罪とみなしました。

    趙社長も個人的に使用したクレジットカードの代金16億ウォンを法人の資金として支払い、父親が所有する海外の秘密資金157億ウォンの贈与を受けて70億ウォンの贈与税を逋脱しましたが、裁判部は横領の疑いだけを有罪としました。

    裁判所は健康上の理由で趙会長の法廷拘束も免除してあげました。裁判所だけが寛大なのではありません。株主も寛大でした。この会社の株式の10%を持つ国民年金は趙会長親子の取締役再選任について反対しましたが、力が及びませんでした。

    昨年8月、大統領の特別赦免で刑務所から出てきたSKの崔泰源(チェ・テウォン)会長も取締役に選任されました。チェ・テウォン会長は秘密資金を造成するために会社のお金を横領し、派生商品に投資しましたが、会社に数千億ウォンの損失を負わせて横領の疑いが認められ、2013年にソウル高裁で懲役4年の宣告を受けました。

    どれほどの規模だったら、財閥の会長に向かって判事が罪質が極めて悪いと発言するでしょうか。SKのチェ・テウォン会長は脱税とは直接的な関連がないので、ここでスキップし、再び暁星の話に戻ります。

    暁星は李明博(イ・ミョンバク)前大統領の婿の実家が経営する企業です。趙会長の3人の息子ではなく、甥、つまり会長の弟の趙洋来(チョ・ヤンレ)韓国(HANKOOK)タイヤ会長の息子が李明博大統領の3番目の娘と結婚しました。

    李明博大統領が青瓦台を去ってから3カ月後の2013年5月に暁星本社に押しかけた国税庁調査班は、偶然にも借名の株式と金融資産、子どもに対する贈与ファイルが入ったUSBを見つけました。ここに収められた借名株主は318人にもなりました。ほとんど前現職の従業員とその親族でした。

    趙会長は従業員の名義で小切手を発行した後、新しい小切手で借名の株式を取得して、税務当局の目を欺いていたのです。その後、借名の株式を売ったお金は他人名義で外貨に変えた後、海外で高級不動産を購入したり、無記名の長期債券を買って、子どもに譲ってあげました。

    国税庁の口座追跡を避けるために借名株式を売った代金を1700回にわたり小額で出金し、給与交換という新しい手法で裏金の使途も隠したそうです。給与交換という新たな手法を見て、IRS調査官も舌を巻いたほどです。

    それがどんな手法なのか大雑把に説明すると次のとおりです。趙会長の息子の給与は借入金の元利金を返済するために使い、借名株式を売ったお金は息子の口座に入れてあげるのです。ソースが確実な給与が借入金を返済するのに使われたのですから、税務調査でも疎明資料への書き込むには最適だったことでしょう。ここでも脱税が発生します。自分のお金を元利金を返済するのに使ったので、いつかは会社からそのお金を返してもうでしょうし、株式を売ったお金は相続税や贈与税を一銭も出さずに受け継いでいるのですから。

    CJグループの李在賢(イ・ジェヒョン)会長は、史上初めて2013年に裏金造成や脱税疑惑で拘束収監されました。会社の資金600億ウォンを横領し、個人的に使用して、日本の東京にビル2軒を購入する過程​​でも会社に350億ウォンの損害を与えたという容疑を受けました。決定的な部分は、タックスヘイブンである英領バージン諸島と国外法人を利用して秘密資金を管理しながら、外国人を装って国内証券市場で株式取引もしたというものです。このように裏金を膨らませながらも、譲渡所得税は一銭も出しませんでした。

    検察が国外の秘密資金に手を出したのも、イ・ジェヒョン会長が初めてでした。1980年から2010年まで、韓国でタックスヘイブンに移転された資産が7790億ドルと、中国、ロシアに次いで世界第3位のレベルだという租税正義ネットワークの資料もあります。

    税務当局は、タックスヘイブンに神経を尖らせています。今年から米国、日本、ドイツなどとも金融情報を交換することになったので、企業の活動を注視することができる武器も持ちました。タックスヘイブンにある韓国企業はいくつあるでしょうか。まだ正確な数が発表されたことはありません。

    先日、カリブ海の3つの島からなる英ケイマン諸島にSKグループがなんと32個の法人を運営しているとの報道が出たりしましたが、このうちいくつかの法人は、ケイマンとシンガポールにそれぞれ2カ所ずつ、合計5つの段階を経て設立されました。海外法人で作った法人が投資した会社が設立した法人、言葉だけ聞いても複雑ですよね。このような法人を全て振るいだすには少し時間が必要になるでしょう。

    財閥脱税のいくつかの例を紹介しましたが、財閥や大企業のオーナーが神経をとがらせている部分は秘密資金造成や、会社のお金を横領することではありません。関心は相続税と贈与税に集中しています。(相続税に関する話は次回にさせていただきます。)