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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国では、髪の毛が薄かったり、はげている人はどう思われていますか。
  • A.
    末っ子の息子が事故を起こしたせいで、19歳の若い少女を嫁に迎えた40代の父親。まだ少女の雰囲気が残る嫁は、にこにこ笑っているのに、40代の半ばの歳でおじいさんになるという現実が悔しくもある父親は、咳払いばかりをしたそうです。

    若い夫婦に何か言わなくてはいけないのに、思い浮かぶ言葉がありません。悩み続けて、ついに口にした言葉が「我が家には、はげている人がいない」でした。自分なりに、黒い髪がネギの根のように白くなるまで、愛し合いながら生きなさいという深い意味を持っていると考えたようです。韓国では結婚する新郎新婦に対して祝辞などで「黒い髪がネギの根のように白くなるまで愛し合って」と表現します。はげてしまっては、黒い髪が真っ白になったのか、なっていないのかが分かりませんからね。

    それから5~6年後の歳月が流れたのですが、父親の髪の毛が一束ずつ抜け始め、20代の半ばで息子と娘を持つことになった末っ子の息子も髪の毛を洗うたびに大量の髪の毛が抜け、結婚はもちろん、恋人もいない長男もはげ山になりました。

    お正月に3人の親子が一緒に集まったときに、長男が父親に聞きました。
    「うちにははげがいないと言いましたよね?」
    「そうだな、私もそう思っていたのだが」
    父親は「この髪でどうやって結婚しろというのか」とでも言うように切なそうに見つめる長男をまっすぐに見つめることもできず、習慣のように髪の毛をつかみました。つるつるになった頭にはつかめるほどの髪の毛がもう余り残っていません。

    韓国でも、はげている人に対する視線はあまり良くありません。インターネットゲームの途中に、相手に向かって「はげ頭」と言った結果、名誉棄損で告訴されたケースもありました。大法院で逆転しましたが、2審の判決では「社会的な評判を低下させる表現」という理由で罰金30万ウォンの有罪判決を下されました。だからと言って、「はげ頭」を「はげ頭」と呼べないわけではありません。

    はげている人があまり歓迎されないという意味です。最近では、黄砂や粒子状物質などにより、雨が酸性雨になるため、濡れるとはげるからと、傘がない場合には上着を脱いででも頭を保護します。

    昔、韓国の歌謡に『はげ頭の青年』という曲がありました。8時の通勤の道でいつも会う、はげ頭の青年が、ひそかに待ち遠しいという内容の曲です。

    はげ頭の青年を待っている女性に少し違う視線を持つ人もいました。なぜなら、韓国には、はげている人の精力が強いという俗説があるからです。

    はげ頭と性機能の相関関係については、確実ではありませんが、すこしは関係があるようです。ある泌尿器科の医者が相談した内容を見てみましょう。患者は性機能が弱くなった30代の未婚男性です。
    「手術を受けたり、特別に飲んでいる薬がありますか?」
    「手術を受けたことはありませんが、髪の毛が抜けるので、髪の毛が生える薬を飲んでいます」
    医者が確認したところ、患者が飲んでいる薬が性機能を低下させる原因でした。
    「薬をやめることはできますか?」
    「髪が抜けるとストレスを受けるため、仕事もまともにできません……」
    男性ははげを選ぶか、性機能の回復を選ぶかの分かれ道に立たされているわけです。

    韓国のことわざに「タダ好きははげる」という言葉があるほどですから、はげている人は社会生活の傷害要素になりえます。はげる夢を見ると、他人とのいざこざに巻き込まれたり、因縁をつけられてケンカをするはめになることを予知し、夫の髪の毛が抜ける夢を見ると、夫が無能力だと心配している意味だという夢だという説明もあります。

    新聞やテレビの広告にはよく探してみると、いろいろなところに、脱毛治療、かつら、毛髪移殖の広告があります。最善策は毛髪移殖です。時間もたくさんかかりますし、費用も相当ですが、毛髪移殖を専門にしている病院や医院が沢山あるのを見ると、施術を受ける患者も相当いるといると言うことなのでしょう。

    最近は変わりましたが、昔、軍隊に行く前には頭を剃っていました。訓練兵はみな、はげ頭だったということです。

    ある大学生が脱毛が始まって恋人と別れたそうです。はげてきたからと別れる女性? 他の理由もあったことでしょう。とにかく、1年間一生懸命にアルバイトをしてお金を貯めました。そのお金で毛髪移殖を受けました。

    鏡の前で生え茂っている髪の毛を見た彼は、堂々と女性の前に立てると考え、自信を持ちました。しかし、次の日、国から送られてきた書類を見た学生は顔が真っ青になりました。

    入営令状、髪の毛を植えたのが昨日なのに、再び坊主にしなくてはいけないだなんて。

    韓国のはげの哀歌です。