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  • Q.
    韓国の高齢者が見せた醜態:セクハラをするノスルアチ
  • A.
    ヒョアム学院の理事長、チェ・ヒョングク(蔡鉉國)。1935年生ですから、もう80歳です。彼もまた、若い人たちに「ノスルアチ」(歳を取るほどに権力が増すと考えて行動する高齢者を皮肉った言葉)と呼ばれたりするでしょうか。まさか、そんなはずはありません。

    チェ・ヒョングクはソウル大学哲学科を卒業した哲学者です。一生、権力も名誉も断って、自由に暮らす遊び人を夢見た異人です。父親が1952年、ソウルで練炭工場を作った事業家だったので、一生を遊びながら暮らしても食べることに不自由はなかった老人です。

    彼は1961年当時、中央放送局に演出スタッフ1期で入社しましたが、軍事政権の笛吹の役割に過ぎなかった放送局に幻滅して、3カ月にして退職しました。その後、父親の事業を助けながら、事業家として成功したのですが、個人所得税の納付額が韓国で10本の指に入るほどでした。

    チェ・ヒョングクは維新体制が始まった1973年、未練もなく事業をたたんで、莫大な財産をすべて従業員に分け与えます。彼にお世話になった在野の政治家、民主活動家、記者が沢山いました。

    昨年の4月16日、セウォル号の惨事が発生してから1年が経つ日、合同焼香所が設けられたソウルの光化門で、オボイ連合(父母連合)の垂れ幕を掲げた高齢者たちも「セウォル号扇動勢力糾弾集会」を開いて、拳を振り上げました。「もしかしたら、私ひとりだけでも、彼らの痛みを取り除くのに役立つのでは」と祈るような気持で焼香に訪れたチェ・ヒョングクに、記者が道の向かい側にいるオボイ連合のメンバーを指差して聞きました。

    「年齢が、まさにあなたと同じくらいの方がたくさんいます」

    チェ・ヒョングクはこう答えました。

    「歳をとると知恵深くなるというのはうそです。農耕時代の夢のような話です。老いると、ずうずうしくなります」

    よりによって子どもたちが亡くなった日に焼香所に来て、どうしてあのような行動をとるのかと涙を流す遺族に彼はこのような言葉も添えました。

    「悪行だと思いもせずに、共感ができないのです。でたらめに学んで、でたらめに生きてきました」

    チェ・ヒョングクとは、対極にいる高齢者の事例を紹介します。

    2014年9月に国会議長を務めたパク・ヒテ(77)はゴルフ場のキャディにセクハラ行為をして世間を騒がせ、翌年にはカン・ソクジン前ソウル大教授(56)が女子学生にセクハラ行為、今年の5月には全経連の会長まで務めていたソン・ギルスンSKT名誉会長(75)がギャラリーのカフェで働いていた女性授業員にセクハラ行為をして告訴されました。ソン会長はカフェの女性従業員が嫌がっているとは知らなかったと弁解しました。指で23歳の女性キャディの胸を触ったパク・ヒテは「孫娘みたいで可愛いという表現だったのだが、程度を越えてはいなかった」と主張しました。

    自らの行動を反省する代わりに正当化したり、言葉をすり替えることに卓越したノスルアチのまた別の才能を確認できる部分です。彼らは自分の世界に閉じこもっています。過去の栄光、学び、権威を忘れることができないのです。ここに、ノスルアチの典型的な特徴が現れます。

    それでは、ノスルアチの特徴を紹介して、この文を締めくくりたいと思います。

    ・自分よりも弱く見えたら、見下して、服従させようとする。
    ・自分が学んだ旧時代の思想を若い世代にも強要する。
    ・すべてのことを自分を優先に考える。カプチル(甲質、自分の立場をりようして相手をこまらせること)がひどい。
    ・下の人が正しいことを言っても、役職で勝負しようとする。
    ・通りすがりの人と少しでもぶつかると、必ずインネンをつける。あるいは気分が悪いと、じっとしている人にも怒り始める。
    ・公私の区別ができない。
    ・自分勝手に行動して制止されると、年寄りいじめだと怒る。