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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国では年齢を重要視しますか?
  • A.
    写真の主人公たちが誰なのか知ってますか?はい、TWICEのメンバーです。96年生まれと97年生まれのメンバーですね。その前や後に生まれたメンバーたちは、複雑な系譜関係から解放された人たちです。誰が姉なのか、誰が妹なのか明らかですからね。(質問と回答、TWICEメンバーを参照)

    ところで、写真に対する説明が少し必要ですね。今年3月にNaver VアプリでTWICEの家系図の話が登場しました。これまで、メンバーではなく、ファンたちのあいだで議論(?)、いや、冗談が行き来した話です。

    JYP10年目の練習生であるジヒョは、同じ学年のジョンヨンが入社すると、とても喜びました。2人はすぐに気の合う友達(ここで言う友達は同じ年の友達の意)になりました。その後に入ってきたサナとモモが、ジョンヨンと友達の間柄になります。ジョンヨンの友達だから自然とジヒョとも友達になりました。

    そして、ミナが入社しました。97年3月生まれだといいます。97年2月生まれのジヒョは、今まで97年生まれとは友達になってきませんでしたが、誕生日が1カ月しか違わないから、「そうだね、君と私は友達になろう」と言いました。(翻訳者の注釈:ここでのポイントは、韓国は新学期が3月から始まるため、2月生まれまでが早生まれとなること。4月から新学期が始まる日本とは1カ月の差がある。ミナは日本では早生まれだが、韓国では早生まれに属さない。ただし、最近では月に関係なく、生れた年を基準に入学するため、早生まれの概念はなくなりつつある)

    そこから、系図が狂い始めました。ミナが同じ日本人メンバーであるサナ、モモと友達なのに、韓国語で話す時はオンニ(姉さん)、ジョンヨンは無条件でオンニと呼ぶようになったのです。上の写真を見れば分かると思いますが、ちょっとごちゃごちゃしています。絡まった糸を解くためにジョンヨンが「みんなで一緒に友達になろう」と提案したそうです。ところが、ミナがややこしいからこのままにしようと言い、いまだに「オンニ、オンニ」と呼んでいるそうです。

    わずか4カ月の差で姉、妹を決めるだなんて、ちょっと滑稽ですね。わずか5分の間隔で生まれた双子にも、兄さん、姉さんと呼べと強制(?)したりします。双子のなかで兄や姉が早く生まれたからと、威勢を張ったりもしますが、親たちが序列を整理したりもします。

    友達同士で仲良く過ごしていても、ケンカが起きると、「おい、住民登録証を見せろ」という言葉が飛び出します。もちろん、初めて会った人同士で言い争いになった時は話が違ってくるでしょう。年齢が1歳2歳多いことが大した事ではないからです。拳の強い人が勝つだけのことです。しかし、遠慮なく拳を振るうのが難しい間柄である時は、「住民登録証を見せろ」という言葉が効果を発揮する時があります。韓国の住民登録証には年齢が記録されているため、1歳でも幼ければ、わけもなく気が引けるでしょう。

    ある放送番組に天下壮士出身の力士イ・マンギが童顔の俳優チェ・スジョンに、自分が兄のようだと言い、「住民登録証を見せろ」と食いかかったところ、1歳若いことが明らかになり、ひざまずいて謝罪する場面も出ました。東洋圏、特に儒教文化が滲んでいる極東地域では、年齢により序列を決める文化が韓国が特にひどく感じられたりもします。

    そのため、気まずいケースもよく生まれます。学校の後輩なのに年齢が多い。同じ軍の部隊に自分よりも年齢の多い二等兵が入ってきた。会社でとても若い人が上司だ。みな気まずい状況です。年齢が低い人が被害を受ける場合もありますが、そうだからと言って年齢が高い人が常に有利なことでもありません。

    父の会社を受け継いだ若い社長が、高齢の古株の幹部たちを追い出して、自分がこきを使える若い人間を座らせる場合もたまにあります。法曹人になるコースであるロースクールに入るのにも年齢が障害になることがあります。

    韓国のロースクールでは30代の新入生をなかなか見かけないのですが、理由は年を取った学生が年上だからと権勢を振るうと、学校の雰囲気を損ねると懸念されて、あまり入学させないからです。こういう時は年を取ったことが罪になります。

    韓国では本当に年齢が重要です。さらには、ナイレージという新造語まで存在しています。ナイレージは年齢(나이 / ナイ)+マイレージを合成した言葉なのですが、年を取るほど社会で享受できるものが増えるという意味です。年を取ったことを官職と勘違いするノスルアチ(周囲と調和せず迷惑をかける老人)と似てはいますが、ナイレージは老年層でなくても韓国社会全般で見られる現象という点が違います。

    先日、ドングラミ財団が機会不平等認識調査で、韓国の成人10人のうち6人が「韓国社会が公平ではない」と答えましたが、理由の中で「年齢から来る差別や不利益を経験した」という回答が25.7%と最も高い比重を占めました。

    年齢を重要視すればどうなるかというと、年上の人と一緒にいることに消極的になります。会話は断絶され、葛藤は大きくなるでしょう。ところが、年を取った高齢者たちが掲げるべきものは年齢しかないため、本当に大きな問題です。