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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国の書店に行けばみんな床に座って本を読んでいたが、そこの店員は何か言わないのですか?
  • A.
    ひょっとして『You've got mail』という映画を見たことがありますか?トム・ハンクスとメグ・ライアンが主演を務めた映画なのですが、大型書店に押されて閉鎖した街角の小さな書店の話ですね。いや書店よりは、チャットをしながら愛を育んでいく男女の話なのだが。

    とにかく映画を見ると、街角の書店の主人であるメグ・ライアンが、幼いお客様に童話を読んであげ、大型書店では本棚の間に楽に座った子どもたちが本を読む場面が出ましたね。


    どの国の書店に行っても本を読む光景は見慣れなくはない。八百屋に行ってカボチャを選ぶのにあれこれ形を見て、臭いも嗅いでみることと同じだと言いましょうか。この本を買おうかな、やめようかなと迷う人が一度読んで見て決めなきゃ、と思う気持ちで読むのに書店の主人が何か言うでしょうか。

    「ちょっと、買わないのなら読まずに所定の位置に置いてください」
    このように無情に振舞うことはできないでしょう。

    前の3、4ページ、後ろの3、4ページを読んで面白い本なのか知るのは難しいですよね。だからついでに長く読むと、足も痛くて、だから床に座り込んで本を読むようです。本を全部読んで内容もすべて知っているのに買う気が起きますか?全部読んだのに、なぜ買いますか。買う理由がないでしょう。

    書店の主人が気がおかしくなるようだが、そうではありません。本を読むのが好きな人は、本を買うのにお金を惜しまないんですよ。書店の床に座り込んで本を読んだ顧客のうち、手ぶらで帰る人はあまりいません。必ず買わなきゃととっくに目をつけておいた本は別にあるでしょう。その本は、家に帰って下線を引きながら入念に読む本です。

    ソウルで最も本を読むのに便利な書店は、蚕室(チャムシル)の教保(キョボ)文庫です。最初から棚の間にゆっくりと本を見れるように読書スペースまで作っておいてあるのです。子どもだけでなく、年配の中年紳士もいて、子どもと一緒に読書三昧に陥った母親もいます。棚の隅にゆっくりもたれて本を読んだりもして、要領の良い人は本を運ぶカートを椅子代わりに使ったりもするでしょう。

    本を運ぶカートに座るなんて、従業員がどけと言わないのですか?カートが必要なら、席を外せばいいことなのに、誰が何か言いますか。書店に座って本を読めば、このような余裕、豊かさがありますね。1分1秒が惜しいと走り回っている現代の生活とはかけ離れた何かが感じられないですか?

    大型書店だけでなく、町の書店も本を読んでいる人に無情な振舞はしません。場所が狭くて座る場所がないのではないか。書店を頻繁に訪れる学生たちは、最初から階段や棚の間のくぼみなどに頻繁に座る指定席(?)まであると言いますね。

    どの本を選んで読んでも良いが、書店も商売をして利益を残さなければならないため、読めないように作られた本もありますよね。雑誌、漫画などは、ビニール包装がされており、一度ざっと目を通したくてもどうしようもありません。たまにサンプルがありますが、文字通りのサンプルだから長い間持って読むにはちょっと不便ですよね。

    床に座って本を見る人々が増えるほど、書店の主人の顔にシワより歓喜が満ちます。いつかは本を買うために財布を開くお客様ですからね。

    お客様に座るスペースを割くのが難しい町の小さな書店が、大型書店に後れを取るしかない理由でもあります。