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  • Q.
    韓国ドラマ「太陽の末裔」は間違いだらけ?
  • A.
    ドラマを見ている人によって違いますが、横から「おい、あれは間違いだらけだ。ありえないよ」と言われたら、気分を損ねる人もいるでしょう。

    「簡単に考えて、楽しんでみればいいでしょう。何をそんなに細かいことを言うの。ドラマでしょう、ドラマ」と言われてしまっては、何も反論できません。ハリウッドから出されるB級映画もほとんどが適当に作られているのですから。

    ところが、『太陽の末裔』はB級映画ではありません。数多くの視聴者を泣かせて笑わせたドラマです。テレビの画面に引き寄せた視聴者が多いドラマであるほど、人々に与える影響も大きいだけに、現実性を追求するべきだという指摘もある程度一理のある主張です。

    ドラマ『太陽の末裔』が検証にミスが多いと指摘する人々の主張は以下の通りです。

    「スーパーマンがどうして存在し得るのかと文句を言っているのではない。スーパーマンが走って来る自転車とぶつかって、全治6週の骨折をするのはあり得ないことだと言っているのだ。『太陽の末裔』の主人公、ユ・シジン大尉はスーパーマンではない。ただ特殊訓練を受けてエリート軍人になった韓国人の男性だ。ところが、まるで外国の軍人であるかのように行動している」

    一言で、現実とあまりにもかけ離れているという主張です。そのような場面はどこに登場するのでしょうか。諮問をしてくれた専門家たちの名前が羅列されて出て来るエンディングの場面から見ましょうか。ガスマスクをかぶって厳重な警戒をしているときに、マスクをつけていない人が歩き回っているのですから、「あの人たちは一体」と思いませんか。

    『太陽の末裔』に登場したミスを細かく確認すると、とても多くなります。そのようなミスを発見できない回がないほどです。そのため、このドラマの「あきれるような設定ベスト7」が分類されているほどです。その中から、ここではベスト3だけを紹介します。

    1. ヘリコプターが迎えに来る大尉

    アフガニスタンで誘拐された国連職員を救出しろという緊急命令を受けたユ・シジン大尉は、ヘソン病院の屋上に到着したヘリコプターに乗り込みます。将来の将軍だと評価されるエリート大尉のために、軍がヘリコプターまで使うという設定です。

    ヘリコプターを要請することのできる軍人は将軍以上であり、ドラマに登場したヘリコプターは2星の将軍になってこそ乗ることの出来る機種です。いくら重要な軍人だったとしても、部隊に復帰してからヘリコプターに乗らなくてはいけません。

    任務が重要だとしたら、陸軍の大尉もヘリコプターを呼び出すことのできる韓国の陸軍、ドラマの作家はそのような軍人たちの熱望を代弁してくれたのでしょうか。

    2. ウルクという未知の世界

    明らかに中央アジアです。バルカン半島の先にあるという仮想の国ウルクはトルコ系に見える人種が多い国です。ところが、高麗人も住んでいて、ギャングは主に白人です。そして、彼らはロシア語を使います。ヒジャプを身に着けた妊婦とへその出るTシャツを着た女性が共存する国です。

    人種が多い事では米国を凌駕する多人種国家ですが、規模6.7の地震が発生して発電所が崩れる事故が起きた時も、救助作業を行う人はあくまでも韓国人だけです。政府の支援がないところを見ると、無政府状態なのではないかという推測もできますが、国境のない医師団などの救護団体の姿は見えません。神秘の国、ウルク!果たしてどのような国なのでしょうか。

    3. 患者を殺しかねない果敢な手術

    腹腔内出血でショック状態の患者を助けるために、女医たちが野外で開腹手術を進行した。メディキューブはいっぱいで、他の病院に緊急後送するには時間がないため、副作用を甘受してセメントのほこり舞う現場で患者の腹部を開いた。

    この場面を見た医者は失笑を抑えることができないそうです。感染問題は置いておいても、手術している途中に人工呼吸をしなくてはいけないし、麻酔医者もおらず、血が溢れ出す腹部を洗い流す食塩水すらも見えないからです。ドラマではこのほかにも心肺蘇生術の場面で、患者を生かすつもりもないCPRをする部分が沢山出てきます。

    『太陽の末裔』はユ・シジンとカン・モヨンのラブストーリーです。場所がウルクという珍しい国で、ユ・シジンが勇気ある軍人であるだけです。このドラマが軍隊の問題へと渡ってしまっては間違いだらけになります。軍人たちがかぶっているベレー帽からがしておかしいという言葉が聞こえてきます。一般兵士が特殊訓練を終えた幹部たちがかぶるような帽子をかぶって出てきたのですが、作戦中に着る防弾チョッキはとても立ち遅れた姿です。軍隊に行って来た韓国の男性がこのドラマを見て衝撃を受ける理由が分かる気もします。射撃場や訓練を受けたり、地雷が埋まった地域を突破する場面は、現実とはかけ離れた姿です。

    軍隊に対する間違いを羅列しましたが、話がとても長くなるため、ここで短くします。こんな話、実はあまり面白くもありませんよね。ドラマ作家は最初からミリタリードラマを作る考えではなかったでしょうから。勇気のある韓国の軍人が異国の地で恋人に会ったというロマンスを描きたかっただけでしょう。

    ユ・シジン大尉は狙撃用の小銃についた照準鏡でカン・モヨンを見るために彼女を狙い、レーザーポインターでハートを描きます。「ハートショットです。照準目標がとてもきれいです」

    エリート軍人が「装填されていない銃だったとしても、絶対に人を照準してはいけない」という基本を守ることができずにいます。「充填されていない銃だとしても、銃口を向けただけでも3年間は縁起が悪くなる」という韓国軍隊の俗説などは愛の感情の前では崩れてしまうのでしょう。