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  • Q.
    友人と一緒に軍隊に入るという、同伴入隊とはなんですか。
  • A.
    2007年にデビューした5人組ボーイバンド「FTISLAND」をご存知ですか。すでに、音楽生活を始めてから10年近くが経っており、中学校と高校に通っていたメンバーは20代半ばとなり、軍隊に行く年齢になりました。

    50代までバンドを続けるという抱負を明らかにしたFTISLANDのメンバーは、同伴入隊を考えているようです。同時期に軍生活を終えた後、転役直後に一緒にアルバムを出して活動を再開するという未来予想図を描きました。

    リーダーのチェ・ジョンフンは、あるマスコミとのインタビューで、「一緒に軍に行かなければ、胸が痛いと思う。1人だけ欠けてもバンドは演奏ができない。別々に行ってしまっては、長くは4年もの空白が生じるが、その期間中に楽器を演奏する機会も、ファンに会う機会も減るだろう。バンド音楽をする人にとっては損害が大きいと思う」

    そばで話を聞いていたイ・ホンギは軍に対する考えをすっきりと整理しました。「5人で一緒に行く」

    ところが、同伴入隊を5人も一緒にできるのでしょうか。不可能です。同伴者という言葉が2人を意味しており、3人以上であれば同伴というよりは団体に近くなります。 FTISLANDのメンバー5人が同じ部隊に勤務をする場合、メンバー同士で遊ぼうとするでしょうから、部隊の雰囲気がおかしくなるかもしれません。

    2人ずつ分割して同伴入隊をしても、1人は孤独になる境遇です。切ないですね。つまり、FTISLANDが同伴入隊をするという意味は、同じ部隊に5人が一緒に行こうとしているのではなく、同じ時期に軍に入隊して空白期を最大限に減らすという意味になります。

    メンバーの年齢を見ると、チェ・ジョンフンとメインボーカルのイ・ホンギが1990年生まれで最も多く、自作曲をたくさん作るイ・ジ​​ェジンは1991年、ドラムを担当するチェ・ミンファンと一歩遅れて合流したソン・スンヒョンは1992年生まれで、チームでは若い方です。年齢順に順番に軍に行く場合、長くは5年ほど活動できない可能性があります。

    空白期を減らすため、FTISLANDのほかBIGBANGなど、多くのボーイズグループが同伴入隊を望んでいたりもします。

    軍が同伴入隊という制度を作った理由は、軍生活からの落伍者を減らそうというところにあります。軍生活に少し不適格でも、そばで一緒に生活している知人や友人がいれば、勇気を出すことができると考えたからです。先輩兵士の苛酷な行為も、たまには防ぐことができるはずです。特に、多文化家庭で育った青年は韓国社会に適応することが難しいのですが、軍ではさらに厳しくなります。同伴入隊は、このような人に大きな力になることでしょう。

    同伴入隊は、一時期、大流行しました。同伴入隊が始まった2010年8月には、インターネット受付を開始してから1日にして、選抜する予定人員の3377人が志願し、締め切られました。以来、多めに受付をして抽選をするように選抜方法が変わりましたが、2014年には競争率が6対1まで上昇しました。同伴入隊は陸軍と海軍で運用中ですが、毎月T/Oを決めて募集します。最近では、競争率があまり高くないため、同伴入隊が可能な状態です。

    なぜ数​​年間でこのように変わったのでしょうか。同伴入隊は長所もありますが、短所もあるからです。同伴入隊経験があるCrying Nutも「軍生活をしながらメンバー同士でぶつかることが多かった」と打ち明けました。普段からわだかまりのあった友人同士が同伴入隊した場合には、友情を深めるよりも完全に敵になって転役する可能性もあります。

    同伴入隊を申請すると京畿道と江原道にある部隊、つまり前方に配置されるため、悪いことだと断定することはできませんが「お前のせいで山の頂上で苦労した」という恨みを聞くかもしれないという話です。

    同伴入隊するケースを見ると、ほとんど酔った勢いでそのような決定を下すようです。

    「軍隊にはいつ頃いくのか」
    「学校を卒業する前には戻りたいから、早く行きたいな」
    「俺と一緒に行こう」
    「わかった」
    とお酒に酔った友人同士が意気投合して肩を組んでお店から出てきます。

    しかし、軍生活をしている間、友人は自分の力になってくれる時もありますが、重荷になる存在だったりもします。特に一緒に勤務する2人の友人がその部隊の中で比較対象となる場合、非常に困ります。24時間一緒に生活をしている間に、友人の新しい姿を発見することもあります。お互いに依存して親しくなろうと一緒に行ったのに、逆に遠ざかってばかりになるかもしれません。

    インターネットでは同伴入隊した後日談をたまに見かけます。
    同伴入隊した友人とケンカをして苦しんでいる後輩に古参が一言話しかけます。
    「あんな奴だって、知らなかったのか!?」

    軍に行ってきた転役兵が常に話す言葉があります。
    「国防部の時計は間違いなく回る」。ここに1行さらに加えて「2人で来ても、1人で行っても、国防部の時計は、同じように回る」

    同伴入隊の人気がなくなる理由です。

    ※2016年10月26日、誤りがあるとの申し入れがあり一部を訂正・削除しました。