記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
HOME > 韓国Q&A

  • Q.
    韓国で流行っていた「幸運の手紙」の中身を教えてください。
  • A.
    tvNドラマ『応答せよ1988』に「幸運の手紙」の話が登場します。浪人生のキム・ジョンボン(アン・ジェホン扮)の父キム・ソンギュン(キム・ソンギュン扮)は、長男が部屋に閉じこもって出てこないことから「やっと本気で勉強を始めたか」と喜びましたが、ジョンボンは勉強の代わりに幸運の手紙を書いていました。

    ジョンボンはミオクに手紙を送って返事が来るのを待っていましたが、差出人のない手紙を一通受け取りました。喜んで開封し読んでみたところ、それはミオクの返事ではなく幸運の手紙でした。「米国ケネディ大統領が手紙を受け取ってから他の人にこの手紙を7通送らなかったために暗殺された」という内容の手紙でした。

    ジョンボンは必死に手紙7通を書いた後、封筒に入れて、弟のキム・ジョンファン(リュ・ジュンヨル)と近所の友人たちの名前を書いたのですが、天才棋士チェ・テク(パク・ボゴム扮)の名前を書いてから、テクが受け取ってはいけないと思ったのか、修正液で消しました。そして、代わりにソン・ボラ(リュ・ヘヨン扮)の名前を書いたのですが、後のことが怖かったのか再び消します。

    ウィキペディアを見ると、幸運の手紙は米国では1935年、コロラド州の州都、デンバー(Denver)で始まったとされています。以来、セントルイスをはじめ、全米の都市に広がったのですが、デンバーの郵便局は数十万通の手紙であふれたそうです。

    ところが、1930年に発行された韓国の新聞記事(1931.3.8東亞日報)を見ると、「3、4年前に幸運の手紙というものが盛んに行われて郵便局の収入が相当だった」という内容が描かれているため、イギリスで始まった幸運の手紙が米国に先立ってアジアに伝わったと見ることができます。とにかく韓国で広がった幸運の手紙は、日本から玄界灘を越えてきたものと推定されています。その後、1960年代に日本の関東地域で始まり、日本全域に広がった「幸運の手紙」が韓国で盛んにやり取りされた時期は、1970年です。

    ジョンボンが幸運の手紙を受けとった1988年は、この手紙が乱発していた時期ではありません。ジョンボンが指がしびれるほどに丹念に手紙を書いたように、コンピュータが普及する以前には7通を書くこと自体が大変でした。PC通信やインターネットが普及した後も、電子メールで回っていましたが、徐々に数が減りました。コピーして貼り付けるだけだから、幸運の手紙を書くのが全く苦にならなくなりました。しかし、受信箱に入っていたたくさんのメールと一緒にスペムメールに分類されたらそれで終わりです。たまに発見される幸運の手紙もほとんど内容が単一化されています。おそらく、日本で盛んに行われていた「幸運の手紙」と内容がほぼ似ているはずです。

    「この手紙は英国で最初に始まり、年に一回巡って受信者に幸運を与えます。今、あなたの手に渡ったこの手紙は4日以内に、あなたのもとを離れなくてはいけません。この手紙を含めて7通を幸運が必要な人に送る必要があります。コピーをしても構いません。迷信だと思われるかもしれませんが、事実です。イギリスでHGXWCHという人が1930年にこの手紙を受け取りました。彼は秘書にコピーして送らせました。数日後に宝くじが当たり、20億を受け取りました。ある人は、この手紙を受けとってから96時間以内に自分の手から手放さなくてはいけないという事実を忘れてしまいました。彼はすぐに職を失いました。後になってこの事実を知り、7通の手紙を送ったところ、再び良い仕事を得ることができました。米国のケネディ大統領は、この手紙を受け取りましたが、そのまま捨てました。最終的には9日後、彼は暗殺されました。覚えておいてください。この手紙を送れば、7年の幸運があるでしょうし、そうでなければ3年の不幸があるでしょう。そして、この手紙を捨てたり、落書きをしては絶対にいけません。7通です。この手紙を受け取った人には、幸運が訪れるでしょう。大変かもしれませんが、良いものは良いものと考えてください。7年の幸運を祈りながら…」

    もちろん、内容が変形した幸運の手紙もあります。代表的な事例を一つ紹介しましょう。

    「この文章を見たあなたの命は一日しか残っていません。本当に申し訳ありません。私もこのような文を投稿して申し訳ないのですが、私の友人も私の言葉を嘘だと思っていましたが死にました。皆さんに被害を与えないために、この文を書いています。あなたがこの文を見た瞬間から、命の終わりが始まります。24時間は短すぎる時間です。あなたの命、私が生かします​。もし24時間以内にあなたが死ななければ、毎晩午前2時に顔が半分で、目が青い鬼が訪ねてきて、あなたを殺そうとするでしょう。この文を他の所で、3回コピーして書き込んでください。時間は44分です。この文を他の所に貼り付ければ、愛する人に告白されるでしょう」

    「拡散しなければ、死ぬ」という脅迫の代わりに「拡散すれば、明日はあなたにとって最高の日になる」と甘く誘惑する幸運の手紙もあり、特定の写真を投稿したら本当に良いことが起きたと、写真を広めるように煽る幸運の手紙もあります。