2010年4月、ソウル江南のKT＆G社屋の小さな公演場である想像アートホールで、少し不思議な名前のコンサートが開かれました。3日間開かれたコンサートのタイトルは、「アンテナミュージック杯ボーカル競演大会 大失望ショー」。

アンテナミュージックは、最初から話題を集めることは期待もしていませんでした。アンテナミュージックが何？ こんな関心をあえて持たなくてもいいから、失望ショーっていったい何だろう？ このような好奇心ももつ必要はありません。

2008年末、チョン・ジェヒョンと新人パク・セビョルらを迎え入れながら、シンガーソングライターとしての集団で位置づけたことを祝う席で、ユ・ヒヨルがひらめくアイデアを出し、失望ショーが開かれたといいます。

アンテナミュージックは14年かけてソウル大学作曲科を卒業した、ワンマンバンドのユ・ヒヨルが率いるレーベルですね。ユ・ヒヨルはユ・ジェハ音楽競演大会を通じて歌謡界に進出したが、ユ・ジェハの後継者として最初に言及される歌手でもあります。

元々作曲とプロデュースだけすることを望んでいたユ・ヒヨルは 、「真のプロデューサーになることを望むなら、自身の名前を掲げて音盤を出すべきだ」という歌手キム・ヒョンチョルのアドバイスを聞いて、歌手としての人生を生きることになりました。ユ・ジェハ音楽競演大会入賞以来、エンジニアのユン・ジョンオと「TOY」を結成したが、トイミュージックはユ・ヒヨルの1人企画会社でもありました。

ミスティックエンターテイメントとして大きくなる前のユン・ジョンシンともほぼ同じですよね。以後、2007年にアンテナミュージックに改名して、Lucid Fall、Peppertonesらを迎え入れ、それなりのレーベルの形を整えるようになりました。

ワインバーでしばらく名を上げ、ときめきが行き来した後、話の主題が重くなりました。「外見至上主義、進化するエンターテイメントシステム、大型アイドル企画会社の熾烈な戦争、この中で私たちにも突破口が必要ではないか？」、「ライバルレーベルのミュージックファームとはどのように対抗するのか？」

このような話が続いていた中で、ユ・ヒヨルがアンテナミュージック所属歌手らのボーカル競演大会を開こうと提案します。アンテナミュージックの歌手らの歌唱力論議を静める競演大会、しかし観客は失望だけをいっぱいに抱えて帰って行くことになる大失望ショー！ その場に一緒にいたアンテナの家族（所属歌手）らは歓呼の声を上げました。

そして2010年3月、アンテナミュージックに1枚のポスターが上がってきました。

ポスターには警告文もつきました。
警告：本コンテストを大きな期待と幻想を持っている事前購入して公演を見た後、「金を出してこれを見るなんて私は狂ったのか！と自責する可能性があるため、本公演の出演陣らに幻想を持っていらっしゃる方は事前購入をご遠慮ください」

ショーの出演陣は、

（写真左から）チャイナタウンのおねだり唱法のチョン・ジェヒョン、鼻音の芸術家蓄膿症少女のパク・セビョル、オートチューンは私たちの生きる道のPeppertones（シン・ジェピョン、イ・ジャンウォン）、頭声の達人ユ・ヒヨル、つぶやき唱法のLucid Fallです。バラード歌手キム・ドンリュルと吟遊詩人のイ・ジョクイが審査員として参加したが、この2人の歌手が両者ともアンテナミュージックがライバルに思っていたミュージックファーム所属という点も興味深いでしょう。以来、「こんな面白いことに私を除いてはならない」と歌手ユン・サンが審査委員に合流しました。

大失望ショーのチケットは発売開始30秒で売り切れてしまいました。東方神起やBIGBANGのコンサートも当然完売しますが、少なくとも10分はかかるのに、30秒だなんて？ 反応はすごかった。チケットを手に入れられなかったファンたちはチケットを手に入れるために中古カフェに文章を上げたりもして、ノミの市も漁り回ったでしょう。1200席しかない小さな劇場でコンサートをするアンテナミュージックを恨んだりもしました。

3日間の競演大会の末に優勝者が決定しました。1等 チョン・ジェヒョン、2等 Peppertones、3等 Lucid Fall。

王冠を被ったチョン・ジェヒョンは、棒1本を持って舞台を闊歩した後、「とても恥ずかしくて涙が出そうです」と受賞の所感を代わりにしました。チョン・ジェヒョンが受け取った優勝商品は、2カ月以内にデジタルシングル発売権。2等には3カ月間ボーカルトレーニング利用券、 Lucid Fallには転地訓練時の1人部屋使用権が与えられました。

競演大会の商品がボーカルトレーニング利用券って、おかしいですよね。アンテナミュージック自体が歌の上手くない歌手集団であることを推したりもします。歌唱力が良いことで有名なパク・セビョルも、「君は人中が長くて可愛く見えない」という理由で歌が上手くない歌手の隊列に合流させてしまいますね。

2015年12月11日、Lucid Fallの7集の発売を記念して、済州島で直接栽培したみかん1キロに、自分が作った童話、ここにアルバムをあわせたセットを限定販売しました。ユ・ヒヨルとLucid Fallがショーのホストを務め、パク・セビョルとイ・ジナ、チョン・ジェヒョン、クォン・ジナ、チョン・スンファンが試食を担当して、Peppertonesが電話相談員の役割をしました。
SBS『Kポップスターシーズン3』の準優勝者サム・キムが傍聴席に座って観覧しました。アンテナの全家族がCJオーショッピングに出動したわけです。（アンテナ所属歌手の名前を別途で言及していなくてもいいでしょう？）

1キロ分のみかんを1000箱用意したが、2万9900ウォン相当のセットは10分で完売したといいます。