卒業写真が話題になりました。まずは写真数枚を見てみましょう。




2017年、議政府高校の学生たちの卒業写真です。SNSに紹介された写真を全て見せることができず、残念です。

写真を見れば分かると思うのですが、政治家や芸能人、アニメーションのキャラクターを風刺したり、自身を表した写真、芸術的なポーズをとったものなど、議政府高校の卒業写真は非常に多様です。

危うくこの学校の学生や関係者を除けば、このような写真を見れないところでした。学校側が生徒の撮影コンセプトを事前検閲したり、写真撮影時に部外者の出入りを統制したほか、SNSに写真を掲載しないように指示したのです。

しかし学生たちは勇敢でした。数名の学生は、教務室に連れて行かれる覚悟をしてSNSに卒業写真を掲載しました。学生はSNSに写真を上げながら「2017年、議政府高等学校の卒業写真です。お待たせしました。私は今から教務室へ行きます」という文を残しました。

毎年卒業写真で話題を集める議政府高校は、ソウル北部の議政府市の名門男子校です。韓国で地域名の入った中・高校は名門公立学校と見ることができます。

しかし、特別目的高校や自立型高等学校等の位相が高まり、2013年から議政府も平準化制度が導入され、名門高校という評判はやや色あせました。

この学校の卒業写真が有名になり始めた時期は、平準化される3年前の2010年です。この年の卒業生たちが何を考えたのか、異様なコンセプトの卒業写真を撮って有名になり始めたのですが、年を重ねるごとにクオリティも高くなりました。それだけにパロディの対象となった政治家としては気に障ったことでしょう。

そうして2014年にこの学校の教頭が卒業写真を事前に点検し、コスプレをした学生は通常のポーズに戻って撮影するように指示したうえ、保護者、先生、校長、教頭からなるス検閲委員会を開いて問題となった写真をすべてカットする覚悟を決めました。自然と生徒の反発を買うことになります。学生は卒業写真の撮影を一時的にボイコットする事態が生じたのですが、このような過程が学生のTwitterのアカウントを介して生中継され、世論が学生側に傾くと最終的には教頭が謝罪して学生会の自律に任せることになりました。



2015年にも話題を運んできました。ある学生は俳優キム・ソヒョンのポカリスエット写真集を模して撮影したあと、ポカリスエットをボックスでプレゼントされたと伝えられています。

2016年の場合には、上半期の話題だったI.O.Iと映画『哭声』や『 インサイダーズ／内部者たち』、不倫のアイコンとなったホン・サンス監督をパロディにした写真がSNSで関心を集めました。



そしてついに、議政府芸術の殿堂が2016年8月13日から28日まで、2015~2016年の卒業写真100点を集めた「議政府高校卒業写真展」を開きました。この展示会に文化体育観光部と韓国文化芸術委員会が後援しました。

パク・クネ政府からも庇護（？）を受けた学生の展示会を、学校側が制御をしようと今年も小さな摩擦が生じました。

しかし明らかな事実は、学生たちの表現の自由を防ぐことはできないという点です。卒業を控えたこの学校の生徒たちは、試験よりも卒業写真を撮ることのほうが負担になるといいます。生涯、いや孫息子まで見る写真であるためでしょう。

このような苦悩の末に撮る写真を学校が制御しようとするなんて、とんでもありません。