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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国に滑稽な鬼はいませんか?
  • A.
    滑稽な鬼はいませんか?

    滑稽、才能、見当がつかない行動、これが元々韓国の鬼たちの特徴です。怖い鬼もいますが、かわいそうな鬼もいて、自分が仕える主人を決めてから、一生後ろをちょろちょろと追い回す鬼もいます。

    恨みを抱いて、あの世に入れなかった魂が鬼になったりもしますが、財物に対する欲望によって、この世に未練を捨てきれなかった鬼もいます。

    夜光鬼(ヤグァングィ)がそのような鬼です。地獄に落ちてから、この世に残しておいた財物が惜しくて人間の世界に逃走した経歴を持つ鬼です。エンマ大王は再び逃げたとしても簡単に捕まえられるように体が輝くようにしたのです。だから昼も夜も明るく輝いているため、地獄を案内する役割も果たすそうです。

    夜光鬼はいつも寒さに震え、飢えに苦しみます。生前、他人に施さなかった罪を償っているのです。 人々は夜光鬼に靴を奪われないよう気をつけていたという話も伝えられています。

    新年の陰暦1月15日になると、鬼たちが人間界に降りることが許されますが、夜光鬼は村に降りてきて、家の中を覗いて自分の足に合う靴があれば履いて行ってしまうそうです。夜光鬼に靴を奪われると1年の農作業は失敗したと考えてもいいです。

    夜光鬼にぴったりの対策があります。馬尾毛で底を張った篩を門の前に掛けておく方法です。門の外からよく見える所にかけておくと、屋根を越えたり、家の中に入ろうとした夜光鬼たちが好奇心を抱いて篩の穴がいくつあるか数え始めます。神出鬼没の鬼ですが、夜光鬼は数字には弱いため穴を数えながら数を忘れて、また数えて、それを忘れてしまい、鶏が鳴くと地獄に戻ってしまいます。 (もし韓国の田舎町に行って、家に篩がかかっていれば、夜光鬼が来ないように備えてるんだと考えてもいいです)

    創作物に時々夜光鬼が出てきますが、河回仮面(ハフェタル)をかぶった鬼火の形で描かれたりもします。
    16世紀、朝鮮の学者、成俔(ソン・ヒョン)が民間の風俗などを集めて収録した『慵齋叢話』(ヨンジェチョンファ)には遊獵火(ユヨプファ)という鬼が紹介されています。

    自分の母方の叔父の安府尹(アン・ブユン)が直接目撃した話だと付け加えられています。安府尹 は若い頃、幼い奴婢を連れて別荘に行く途中、日が暮れてしまいました。暗い森から突然、松明が見えたそうです。松明の群れは騒がしくて夜の狩りを連想させましたが、自分たちをぐるっと取り囲んだそうです。馬をむち打ちして走ると、松明が散乱して消え、もう助かったんだとため息をついたら、また松明が現れて、何重にも囲んで行く手を塞いだというのです。怖いと思いましたが、安府尹が刀を抜いて突進すると、松明が逃げるように散らばっていったそうです。
    安府尹が刀を持ったまま睨みつけると、どこかでくすくすくすと笑いながら、手のひらを打つ音が聞こえたそうです。

    退屈だった鬼たちが、道行く人を相手に「巻き狩り遊び」をしたわけです。もしかしたら自分が目を付けた人たちの度胸を実験したのかも知れません。

    夜光鬼やユヨプファは、一般的に言う「鬼火」の代表です。 いや、「火の鬼」と称するのが正確かもしれません。

    ドラマによく登場する鬼の1人である吉達(ギルダル)は、人間界に来て一緒に暮らし、功を立てたこともあります。ギルダルの話は僧侶の一然(イルヨン)が書いた『三國遺事』に出てきますが、新羅28代王の眞平王時代、 鼻荊郞(ビヒョンラン)の命令を受けて、一晩で石橋を作った業績を残しました。

    鼻荊郞は吉達以外にも数多くの鬼たちを使って遊んだが、彼は、とても独特な出生の秘密を持つ説話の中の人物です。どんな出生の秘密かですかって?

    女色を好んで淫乱だという理由で廃位した新羅25代真智王は生前気に入っていた女の人がいました。 都で有名な美人、桃花女(ドファニョ)です。しかし不幸にも真智王が彼女に会ったのは彼女が結婚した後でした。 王は執拗に彼女を欲しがりましたが、桃花女は堂々と二人の夫に仕えることはできないと断りました。夫がいなければ承諾するのかという質問に対して、「その場合は許可する」と答え、真志王は退きました。

    歳月は流れて真智王が廃位した後、死亡して3年後、 桃花女の夫が突然死を迎えます。未亡人になったドファニョの前に幽霊になった真志王が現れ、昔の約束を守るよう求めます。仕方なく桃花女 は真智王の霊魂と共に7日間夜を過ごすことになります。 そして、鼻荊郞が生まれたので、ビヒョンランは王族なわけです。真平王は、ウソのようなこの話を伝え聞き、鼻荊郞を宮に呼び入れたそうです。

    真平王は新羅が三国を統一した基礎を築いた王と評価されていますが、幽霊の甥の助けまで受けたので、可能だったのかと思います。

    口がとても大きい鬼、 巨口鬼(コググィ)が、今日お伝えする最後の鬼です。
    巨口鬼は朝鮮初期、領議政まで務めた申叔舟(シン・スクチュ)と生涯を共にしました。
    巨口鬼は、名前の通り口が大きいですが、どの位の大きさかというと、上の唇は天に触れ、下の唇は地に触れたそうです。口ではなくて大きな穴ですね。見た目もかなり凄まじいものだったそうです。

    申叔舟が官吏を選ぶ科挙を受けるために、学友たちと一緒に歩いている途中、道の真ん中に口を大きく開けた巨口鬼にぶつかってしまいました。驚いた友達は、みんな逃げてしまいましたが、申叔舟 はふざけるなという雰囲気で、巨口鬼の口の中に歩いて入りました。すると、大きな口がなくなり、青衣童子(チョンイドンジャ、青い服を来た男の子の幽霊)が現れて、お辞儀をしながら、自分を引き取ってほしいと頼みました。

    申叔舟が承諾した後、 青衣童子は彼について回りながら一時も離れませんでした。鬼の能力で悪いことが起こらないように助けたりもしました。 申叔舟がもう少しで亡くなるという時、青衣童子は泣きながら挨拶をし、まもなくしてから申叔舟は、この世の人生を締めくくったのです。

    分かりましたか?
    口の大きな鬼に会った時の対処方法です。口の中に歩いて入ってください。指でつつくだけでもいいので、やってみてください。