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【韓国コラム】「また来ます」

  • 私たちは会う時に去ることを心配するように、去る時にまた会うことを信じます。
    ああ、あなたは去ったが私はあなたを送らなかったです。

    万海・韓龍雲(ハン・ヨンウン)の詩「貴方の沈黙」の一節だ。

    韓国へと発つアフガニスタン大使館職員の姿を見て、現地人職員の心情はそうだったはずだ。

    「必ず迎えにまた来る」

    一緒に韓国へ行くと思っていたが、立ち止まった現地人職員に言ってあげる言葉、言ってあげられる言葉はそれがすべてだった。

    世の中に守られない約束がどれほど多いか、ただ、その場を免れようと言葉にする守れない約束がどれだけ多いか。

    駐アフガニスタン韓国大使館のキム・イルウン参事官は約束を守った。辛うじてカブール空港に到着した大使館職員に会って、抱きしめて体温を感じてから約束を守ったと安心したはずだ。

    修羅場となったカブールで「また来る」という約束を守ること自体が奇跡だった。駐アフガニスタン大使館の職員は韓国の協力者を捨てず韓国行きの飛行機に乗せるという約束を守ったことから「韓国が先進国になったんだ、韓国の国格も先進国の仲間入りをした」と感じたそうだ。

    大使館で韓国のために働いた現地人に関する約束は大使館職員個人が掲げたものではない。韓国政府、ひいては韓国国民の約束だ。

    しかし、このような約束を大使館職員個人の行動と見る人もかなり多いようだ。

    特別機に乗った約370人のアフガニスタン女性が仁川空港に到着した日、韓国メディアはミラクル作戦を評価するよりもブリーフィングを行う法務次官の「皇帝儀典」論議で紙面を埋め尽くした。

    写真だけを見ると「皇帝儀典」だと考えられるが、そもそもそのような場面が演出された理由は「後ろに行け」という記者たちの要求のためだった。ブリーフィングしている間、隣で傘をさすと写真写りが悪いから後ろに行けと注文した記者たちが、「皇帝儀典」と非難し始めたのだ。

    当時、現場に記者を派遣した忠清北道(チュンチョンプクト)のあるメディアの編集局長は当時の状況を説明しながらこのように伝えた。

    「中華料理店でジャージャー麺を注文し髪の毛を入れてほしいと要求しておきながら、ジャージャー麺に髪の毛が出てきたら衛生当局に届け出たのと同じだ」

    問題は、「皇帝儀典」論議によりミラクル作戦の後続措置、つまりアフガニスタンの現地職員に対する韓国の約束に対する論議が消えたという点だ。ミラクル作戦の後続として彼らにどのように接するか、どのように生活の基盤を作ってあげるべきか、山積した問題に国民の同意を得る絶好のチャンスが消えてしまった。

    ミラクル作戦について一部では「朝中東など保守的なメディアが知らなくて成功した」という皮肉が聞こえてくる。現在、韓国に滞在しているアフガニスタン女性に永住権を与えるなどの後続措置に文句をつけるために、「皇帝儀典」論議を起こしたのではないかという疑念まで抱かれる。

    「また来ます」

    アフガニスタン大使館の現地職員に対する約束はまだ守るべきことが残っている状態だ。
  • Lim, Chul | 入力 2021-09-04 00:00:00