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【韓国コラム】『今、私たちの学校は…』で生じたバタフライ効果



  • YouTuberのGuy Collins Animationのアニメ「バタフライ効果」だ。一羽の蝶の羽ばたきが竜巻を起こすことに止まらず核戦争を誘発して人類を滅ぼすという内容だ。

    バタフライ効果はアメリカの気象学者エドワード・ローレンツ(Edward Norton Lorenz)が1951年に気象観測をしている途中、このような疑問を抱いたことから始まる。

    「ブラジルにいる蝶の羽ばたきが大気に影響を与え時間が経って増幅しアメリカのテキサスで竜巻を発生させることもあり得るのか?」

    バタフライ効果理論が出た背景は多少、唐突だ。彼は計算を早くするために小数点以下4桁目で四捨五入したが、するととんでもない計算結果が出てしまったという。エドワード・ローレンツはこれに衝撃を受けて初期条件の些細な変化が全体に莫大な影響を及ぼすことがあるという事実を明らかにした。バタフライ効果はその後、物理学でカオス理論が生まれる土台になった。

    小数点以下4桁目を四捨五入する些細な差が作る効果が極端であるように、小さな差は人々の生活でも時々大きな反響を巻き起こす。

    Netflixドラマ『今、私たちの学校は…』は、これを明確に示している。組織文化に適応できず研究所や企業から追い出された天才学者は高校に所属することになる。同じ学校に通っていた息子は不良グループから校内暴力を受けてお金を奪われ殴られる。

    校長は学校の名声に傷がつくのを心配して内緒にしている。先生たちにも注意を払い特に被害者の父親である科学の先生には事件を外部に広めないようにと脅かす。

    警察などの公権力も具体的な証拠がないからといって校内暴力を問題視しない。校内暴力より早急に処理しなければならない凶悪犯罪が増えているからかもしれない。

    息子を不憫に思った天才科学者の先生は息子に力を与える研究に取り組む。そして研究が横道にそれたことでゾンビウイルスが都市全体を恐怖に陥れる悲劇が襲う。

    結果だけを見ると、不良グループの殴り合いが数十万人が住む都市を吹き飛ばしたも同然だ。

    学校が、学校の名声よりも被害生徒の救済に神経を使ったていたら?

    警察が被害に遭った生徒たちが死ぬ決心までするほどであることを知って、もう少し気を配っていたら?

    初期条件の変化はゾンビウイルスの拡散、いやウイルスの発生まで遮断するだろう。

    こうした意味でドラマ『今、私たちの学校は…』は現代社会の法と道徳が本来の機能を果たしているのか?」という質問を投げかけているわけだ。
  • Lim, Chul | 入力 2022-02-19 00:00:00