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青年に雇用に対する希望を…答えは労働市場の構造改革

「成果給・賃金ピーク制」導入すれば就業者数17%増加 

    △グラフ= 雇用保険未加入の割合 / 雇用保険被保険資格喪失率 / 定年60歳を義務付ける場合に壮年労働者に予想される動き / 韓国の500大企業のうち、54歳以上の労働者の割合

    現代建設は今年から定年を延長した。昨年9回の労使実務協議会を経て、労働者が賃金ピーク制の導入に賛成したからだ。このおかげで、同社は今年1月から定年を58歳から60歳延長した。代わりに57歳から毎年の賃金を10%、20%、30%ずつ減額する「賃金ピーク制」を導入した。現代建設の関係者は、「労組が賃金ピーク制導入に同意して、制度の施行に先立って定年を延長することができるようになった」とし、「これにより、新規採用も例年よりも多くできる余力が生じ、会社の競争力も確保できるようになった」と語った。

    これとは異なり、中堅建設会社のB社は、昨年から新入社員を採用できずにいる。来年から施行予定の定年延長に備えるためだ。B社の人事担当者は、「50歳以上の割合が40%を超え、現在の賃金体系を維持すれば自発的な退職がない限り、新規採用は不可能だ」と語った。

    現在、労使政(ノサジョン)委員会は労働市場の構造改善の議論を、第1グループと第2グループに分けて進めている。1グループでは賃金体系の改編や労働時間の短縮と定年延長を扱い、2グループでは非正規職問題を含む労働市場の二重構造の改善と、社会安全網の強化を議論している。

    このうち第1グループで議論する案件を「労働市場の3大懸案」と呼ぶ。賃金・定年・労働時間の問題は、来年から定年が60歳に延長され、労働時間短縮の立法化も予定されているだけに、すぐにでも解決しなければならないという意味だ。

    韓国経営者総協会の推計によると、賃金ピーク制の導入や賃金体系の改編がない場合、年間の通常賃金は14兆ウォンで、定年延長には90兆ウォンの費用の増加を伴う。

    全国経済人連合会が昨年末に実施した「定年60歳と労働市場の変化」に関する調査結果(売上げ高上位500社のうち、従業員300人以上の181社回答)によると、定年延長に伴う新規採用の影響に対して「非常に否定的」という回答が32.6%、「やや否定的」という回答も39.8%を占めた。10社のうち7社は定年が延長されると新規採用を減らす可能性が高いわけだ。

    イ・ジマン延世大教授(経営学)は、「定年が60歳に延長された場合、企業の人件費負担は平均25%増加する」とし、「別途の賃金体系の改編がない場合は、企業は青年雇用を減らすか、または非正規職の活用を増やす方法以外に企業競争力を維持する手段はない」と語った。

    イ教授は、「賃金ピーク制を試行しても、人件費の減少効果は7.5%ポイントに過ぎず、賃金体系の改編が同時に行われなければならない」と付け加えた。つまり賃金ピーク制が施行されても、賃金体系の改編なしでは人件費が17.5%増加するという話だ。労使政の議論で定年延長に伴う賃金ピーク制義務化はもちろん、賃金体系の改編にも合意を得なければ、青年雇用の縮小につながらないということだ。

    ファン・スギョン韓国開発研究院(KDI)研究委員は、「定年延長の本来の趣旨を生かすためには、年功給的な賃金体系を改編しなければならない」とし、「このような賃金調整が並行されない場合は、労働市場の非効率性、世代間の葛藤、二極化の深化などの問題を惹起する可能性がある」と指摘した。

    政労使の大妥協を通じて「賃金体系の改編」に合意するならば、逆に「青年雇用創出」の機会になることができる。

    イ・ジマン教授の「定年延長に伴う賃金体系の改善案」報告書によると、一般企業の課長級から職務・成果給制を導入して、55歳に賃金ピーク制を始めた後、60歳に定年退職する構造にすると、人件費の増加なしに定年60歳制が定着できるようになる。企業が定年延長後も現在の新規採用率を維持すれば、5年後の雇用人員は現在よりも17%増加すると予想される。

    これらを総合すると、賃金体系の改編と定年延長が結合する場合、人件費の増加なしに、新規採用者や高齢者の採用というWin-Winの構造が完成するということだ。

    労働時間短縮の議論もやはりワークシェアリングと青年就業の観点からアプローチする必要がある。雇用労働部によると、労働時間を52時間に短縮する場合、新しい雇用は現在の労働者の4%程度増えると見ている。

    雇用労働部の関係者は、「直接に悪影響を受ける中小企業などを考慮して、段階的に導入すれば、労働時間の短縮は青年雇用拡大の機会になるだろう」と語った。

    もちろん、これも賃金体系の改編が前提とならなければならない。雇用労働部の関係者は、「今までわが国に長時間勤務の慣行が定着している理由は、成果ではなく労働時間に応じて賃金を算定する賃金体系が定着しているため」だとし、「賃金を労働時間ではなく、生産性や成果に応じて算定するシステムに変更すれば企業の負担も減り、新規採用の余裕も起こりうるだろう」と語った。

    キム・デファン労使政委員長は、「労働市場の3大懸案をパッケージに議論しなければならない理由がここにある」とし、「労使政大妥協を通じて、青年雇用の解決策を見つけることができるだろう」と語った。
  • 毎日経済_キム・ギチョル記者/チェ・スンジン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-03-10 17:30:26