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チョンセ物件が減り、高額ウォルセ物件増える

  • ソウル市松坡区の蚕室洞リーセンツ(RICENZ)の専有面積84平方メートル物件は最近、保証金1億ウォンに家賃180万ウォンで「ウォルセ(月家賃)契約」が行われた。今年に入って、このアパートと同じ坪数で類似した条件で行われた取引件数だけでも10件だ。保証金をより低くした5000万ウォンに家賃220万ウォンでも契約された。不動産「蚕室1番地」のキム・チャンギョン代表は、「チョンセ物件が不足してウォルセ物件を選択する入居者が増え、200万ウォンの家賃がありふれている」とした。

    不動産業界によると17日、低金利の影響でチョンセ(保証金一括払い)物件が急速に減りつつ、一般アパート市場に高額ウォルセ(月家賃)物件が続々と登場している。これまではチョンセ金の値上がりした分を月家賃にまわす保証付きウォルセ物件が多かったが、最近は1億ウォン以下で家賃が数百万ウォンの高額ウォルセ物件が増えているわけだ。1億ウォン以下の保証金は、家賃が滞った場合に備えた保険金の性格が強いだけに、純粋にはウォルセ物件に近い。

    「ソウル不動産情報広場」の統計では去る1~2月、蚕室の有名アパートのリーセンツとイリス(ILLS)とトリジウム(III-ZIUM)では、保証金1億ウォン以下(専有面積84平方メートル基準)で結んだ家賃契約の占める割合が31.3%となった。これは3つの団地全体の家賃圏の3分の1に迫る。特にチョンセ難がひどい江南3区ではウォルセ物件の取引が活気を帯び、200万~300万ウォン前後の高額ウォルセ物件が増えている。

    盤浦洞レミアンファスティージの専有面積84平方メートル物件は、この年初に保証金1億ウォン・家賃330万ウォンの契約書を書いた。学区の需要が殺到する時期には、保証金1億ウォン・家賃350万~400万ウォンでも契約がなされた。金利が下がるやいなや銀行融資を受けて賃借人にチョンセ金を返した後、保証金を下げて家賃をより多く受け取る式に貸すのが利点だと判断する家主が多いというのが、近隣の不動産屋の関係者らの説明だ。

    高額ウォルセ物件は江北にも現れている。麻浦区や城東区のようなインフラ施設が充実していて、近年は新しい新しいアパートが立ち並ぶ地域で目立つ。阿覬洞(アヒョンドン)の麻浦レミアンプルジオは、保証金5000万~1億ウォンに家賃100万ウォン以上が賃貸の常識のように一般化した状況だ。

    玉水洞(オクスドン)レミアンリバーゼンの専有面積84平方メートル物件も、チョンセの金額が5億~6億ウォン台なので、保証金3億~4億ウォンの月家賃100万ウォンをこえるケースは少なかったが、最近では保証金5000万ウォンに家賃230万ウォンなど、100万~200万ウォン台のウォルセ物件がぼちぼちと登場している。

    「不動産114」のハム・ヨンジン センター長は、「江南などの人気地域は教育・交通・便宜施設などの優れた基盤施設を利用するための、目的を持って進入する人が多い」とし、「チョンセ物件は事実上出払ったことから、短期居住するという考えで高額の月家賃を支払うケースが多い」と説明した。

    専門家らは、本格的な月家賃時代がそこまで来ていると言う。「レンタルライフ」のキム・ヘヒョン代表は、「今までウォルセ(月家賃)は多世帯・連立住宅など低価格の小型住宅で一般的だったが、低金利・低成長時代では家主は家賃を好むしかないから、高価な中・大型アパートにまでウォルセ式がさらに拡大するだろう」と診断した。

    KB国民銀行のパク・ハプス明洞スターPBセンターチーム長も、「低金利では住宅保証金を銀行に置いておく理由がないうえ、賃借人にチョンセ金を返せる余力のある家主は保証金を下げて家賃を上げ、賃貸収入を最大限に追求する方向に動くだろう」とし、「保証付き月家賃で、事実上は‘保証’が消える家賃契約が増える可能性がある」と予想した。

    このようなウォルセ風を懸念する声も出ている。賃借人の立場ではチョンセよりも家賃負担が大きく、住宅コストがかかるほかないからだ。

    家主にもそれど良くない。アパート市場にウォルセ物件が増えたことで、保証金を下げても家賃を期待するほどに上げることは難しく、チョンセからウォルセへの転換率も全体的に下がる傾向があるからだ。韓国鑑定院が発表した、今年1月のソウルの住宅チョンセ・ウォルセ転換率は6.8%水準だが、ウォルセ物件が増えればさらに低くなる可能性が高い。

    キム・ヘヒョン代表は、「家主はウォルセ式に切り替える場合は、チョンセ式に比べて修理・保守などの管理に金と時間がかかるので、厳密に計算してみると期待ほど大きな利益を出すことは容易ではない」とした。
  • 毎日経済_イム・ヨンシン記者/キム・イノ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-03-17 17:49:09