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「韓国政府はローンスターとの5兆ウォン訴訟の対策を立てろ」

「ローンスターのホームグラウンドでの裁判は、明らかに政府のミス」 

    シム・サンジョン正義党院内代表(写真)は、韓国政府とローンスター・ファンズ(Lone Star Funds)間の投資家国家間訴訟(ISD)の仲裁裁判と関連して、「韓国政府はローンスターの戦略に徹底的に引きずられ、敵陣の真ん中で裁判を受けることになった」とし、政府当局を強く批判した。

    訴訟の規模だけでも何と4兆8000億ウォンに達する今回の仲裁裁判は、来る5月15日、米ワシントンDC所在の国際投資紛争解決センター(ICSID)で始まる。

    シム代表は15日、毎日経済新聞とのインタビューで、「2011年に改正・発効した韓国・ベルギー投資保障協定(BIT)に、両国間の紛争解決の場所として、これまでにはなかったワシントンが含まれた。これによって、ローンスターのホームグラウンドである米ワシントンで仲裁裁判を受けることになったわけ」だと明らかにし、波紋が予想される。オランダやシンガポールなど、他の仲裁裁判所で訴訟を行うこともできたが、改正交渉の過程でワシントンのICSIDが含まれたことから、けっきょくワシントンで訴訟を進めることになった口実を韓国みずからが提供したという説明だ。シム代表は、「韓国政府が交渉過程で、全的にローンスターの戦略に巻き込まれた結果」だと問題点を突いた。

    ISDを提起した原告側はローンスター米国本社ではなく、LSF-KEBホールディングス(LSF-KEB Holdings)やスターホールディングスなど、ローンスターのベルギー子会社だ。LSF-KEBホールディングスは外換銀行(KOREA EXCHANGE BANK)を、スターホールディングスはスタータワー(Star Tower)をそれぞれ買収したことがある。しかし、これらを実質的に動かしたのはローンスター本社であるだけに、ワシントンは事実上ローンスターの「お茶の間」だという指摘が提起される。

    ローンスターがベルギーに子会社を作って韓国投資を進めたのは、韓・ベルギーBITを念頭に置いたからだ。BITは両国企業の、相手国への投資利益に対しては課税しないという内容を含んでいる。まさにこの部分に韓国政府のもう一つの致命的ミスがあったと、シム代表は主張した。

    シム代表は、「韓国と他の国が締結したBITには、ペーパーカンパニーは税金免除の優遇から除外するという、いわゆる優遇の否認条項を設けている。しかし唯一、韓・ベルギーBITだけはこの例外条項がない」とし、「これは韓国政府の明白なミス」だと指摘した。シム代表は、「後からであっても問題を認知したのなら、修正しようと努力するべきだったのに、韓国政府はあれこれやと話にならない言いわけをしながら延ばしていたが、ローンスターが2012年にISDを提起した後になって、はじめてBITの改正を試みたことは必ず取り扱わなければならない」と付け加えた。

    韓国政府は、ローンスターのベルギー子会社をペーパーカンパニーと見て、これらが韓国で稼ぎあげた投資利益に税金を課し、総8500億ウォンを徴収した。これに対してローンスターは、韓・ベルギーBITによって課税賦課は不当だとし、ISDを通じて税金の払い戻しを受けるという立場だ。今回の訴訟金額(4兆8000億ウォン)の約半分ほどが税金関連の部分だ。

    シム代表は、「5兆ウォンに迫る訴訟金額は、慶尚南道が子供の無償給食を80年間行える金であるだけに、海外の投機資本に国民の血税が流れないように、政府が対策を立てなければならない」とし、「この問題に責任のある韓国当局者にも、必ずその責任を問わなければならない」と語った。
  • 毎日経済_ナム・ギヒョン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-04-15 17:21:41