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[I ♥ 建築] 映画館の建築学
- 夫婦は互いに向き合うものではなく、ひとつの方向を見るものだという言葉がある。恋愛をするときには互いに見詰め合うことに忙しいが、結婚して子供を生めば二人が一人の子供を見つめることになる。ひとつの場所を見つめてこそ、気持ちが集まるということだ。
人々を扇動する社会主義ポスターを見れば、どれも数人が同じ方向を見つめる姿を描いている。ポスターの中の人々は45度程度に首を上げて少し上を見つめる。ポスターの視点は立っている男女を下から上に見上げるようにしている。ポスターの中の人々を見上げるように感じさせて、無意識に見る人々が彼らに憧れるようにさせる。
私たちの遺伝子は集団の流れに同調するように進化してきた。このような動物的な本能は、ポスターの中の人々が見つめる方向を自分も見つめねばならないような気持ちにさせる。社会主義ポスターは、私たちを操縦する装置だ。
ひとつの方向を見るということは同質意識を感じさせる良い方式だ。だから私たちはスポーツ競技を共に見て、同じチームを応援しながら互いが近づく。怖かったり、興奮した体験をすれば、心臓の拍動数が増加されて共にした人々と恋に落ちたような錯覚をするという実験もある。だから恋人とより近づきたい人々は野球場に行ったり、バイキングに乗るのだ。
同じ方向を見て胸を高鳴らせる一番簡単な方法は映画館に一緒に行くことだ。映画館は暗い空間であるため雰囲気がより隠密だ。映画館で映画を見ることは暗い空間で自身を打ち出すことなく、俳優たちの演技を見ることで一種の「のぞき見」行為だ。同じ映画を見ることは覗き見行為を共有し、同質意識をより感じさせる。
映画館では同じ方向を見ながら、自然と共に来た人々と近くに座る。二人が近いというよりも、隣の知らない人ともっと離れようとするためだ。知らない群集の中で一緒に来た人はより近く感じる。ひとつのポップコーンを分けて食べながら手が触れ合ってスキンシップは一歩先に進む。より近づきながらコーラにストローをひとつだけ挿す。ひとつの方向を見て、肘が触れ合い、映画で興奮させる映画館という空間は時代を超えたデート場所として愛される他にない。 - 毎日経済_ユ・ヒョンジュン弘益大建築大学教授 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-07-02 19:51:53
