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[I ♥ 建築] 永遠の空間、橋の下

    筆者がソウル市で好きな空間の一つは、漢江の橋の下だ。ソウルは、人口1千万人と車があふれる眩暈のする都市だ。その中でも最も混雑している場所は、おそらく江南と江北を行き来する車でいっぱいの漢江の橋の上だろう。

    しかし、皮肉なことに橋の下に行くと、静寂に満ちた空間が広がる。漢江は幅が1キロを超える。だから漢江の橋には、他の都市の橋よりも多い数十個のコンクリート橋脚が直線的に並んで立っている。その空間には、橋脚と水と太陽の光だけがある。繰り返される橋脚を橋の下で見てみると、無限の空間が演出される。この世界のどの宗教建築よりも神聖な空間だ。

    17世紀に生まれたバッハは、宗教的な平安を音楽を通して達成しようとした。そこで彼は和声学を完成して、自分だけの精神的な音楽を作った。17世紀のニュートンは、永遠ということを考えながらリミットの概念を考えるようになり、彼を通じて微分と呼ばれる新しい数学を作ることになった。

    ほぼ同じ時期に建設では、永遠を表現するために、直線を導入した。パリ郊外に新しい宮殿であるヴェルサイユ宮殿を作って、直線道路で連結したことが代表的な事例だ。直線は終わりが見えず、戻ってこない線で、永遠を象徴する。これらの無限と永遠を漢江の橋の下に行けば感じることができる。

    橋の下の空間が感動を与えるもう一つの理由は、露出コンクリート材だ。ピラミッドやゴシック大聖堂のような建築物が感動を与える理由の一つは、建築物の構造体自体が仕上げ材になっているからだ。

    韓屋も柱、梁、椽木のように木造の構造体が露出していて美しく見えるという理由がある。一方、現代の建築物はどのように作られたかを示す構造体が仕上げ材で包まれている。過去の建築は「すっぴん」で現代建築は「化粧を大げさにした顔」と見ることができる。そのような現代建築の中で構造的・材料的に純粋な橋脚はまるで古代エジプトの神殿の柱のように感じられる。

    この目まぐるしい生活の中から抜け出し、漢江沿いに行って人や車が見えない純粋な永遠の空間である橋の下で瞑想を試みるのはどうかと提案してみる。
  • 毎日経済_ユ・ヒョンジュン弘益大建築学教授 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-07-09 17:28:52