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国民年金の選択、サムスン物産と第一毛織の合併「賛成」

    • < 国民年金がサムスンの合併に賛成した根拠 >

    国民年金基金はサムスン物産と第一毛織の合併案に「賛成」することに決定した。合併実現は国民年金資産の中・短期収益率の向上に役立つという判断からだ。ただし、最後まで合併案に対する意志決定権を諮問機関である議決権行使専門委員会(議決権委員会)に渡すかどうかをめぐって激論を繰り広げただけに、議決権委員会がどのような立場を見せるのかが注目される。いったんは議決権委員会も、国民年金の決定を受け入れる可能性が高いと伝えられた。

    金融投資業界によると10日、国民年金はこの日にソウル市江南区の南部地域本部で開かれた投資委員会で、サムスン物産と第一毛織の合併案件について議論した結果、合併案に賛成することを決定した。国民年金はサムスン物産の筆頭株主(11.21%)で、合併案通過のキャスティングボートを握っており、どのような決定を下すかに市場の耳目が集中していた。国民年金はいったんこの日の具体的な決定内容は、17日に予定されている合併株主総会まで外部に公表しないことにした。

    国民年金がこの日の投資委員会で、合併案の意思決定を議決権委員会に渡さず独自に下すことでまとめたのは、サムスンの合併が国家的課題として浮上した重大な事案だけに、基金運用本部が責任を持って決断を下すことが望ましいという判断によるものと解釈される。

    また、国民年金が合併案件に対して賛成することにしたのは、サムスン物産だけでなく第一毛織の株式5.04%を保有しており、合併の霧散に伴う短期評価損失も考慮したものと分析される。今後は合併サムスン物産が持株会社として、バイオ事業などを中心に2020年には売上げ60兆ウォンの企業に成長するだろうという、サムスン側が提示したビジョンに対しても肯定的に評価したものと思われる。加えてガバナンス委員会の新設と合併法人の配当性向を30%に拡大するなど、株主還元政策を強化するというサムスン側の態度も考慮されたと伝えられた。

    これに加えて、海外投機資本の攻撃から国家経済の支えにならなければならないという世論も無視できなかっただろうという分析だ。今回の合併が霧散した時は、国内の他企業も短期差益を狙った投機的傾向のヘッジファンドの攻撃対象になりうるという懸念が高まっていた。

    国民年金はこれまで投資委員会が決定するには微妙な事案に対しては、議決権委員会に渡して議決権を行使してきたが、事案の重要性を考慮して直接行使を深慮してきた。このために、議決権委員会の一部委員らが合併案に対する意志決定権をこちらに渡すべきだという主張が提起されて最後まで激論が続いた。

    いったん議決権委員会は、投資委員会の決定を受け入れる可能性が高いと伝えられた。関連規定によると、議決権委員会委員長が必要と判断したり、議決権委員会の委員3人以上が要請する場合は意志決定権を委員会に渡すことができる。

    これと関連して、投資金融業界の関係者は「国民年金が国家経済に及ぼす影響と、投機資本との対決構図などによる国民年金の役割論などを勘案して、悩んだ末に合併案に対して賛成の決定を下したものとみられる」と語った。

    議決権委員の一人オ・ジョングン建国大学特任教授は、「サムスン物産の主要事業である総合商社と建設は斜陽産業で、第一毛織との合併によってバイオ事業などを強化する場合、株主価値は向上しうる」とし、「合併が霧散すると、わが国の主力企業が大挙してバルチャーファンドの攻撃にさらされて経営権防御のために投資が適切に行われず、韓国経済は沈滞に陥ることがある」と憂慮した。
  • 毎日経済_カン・ドゥスン記者/チェ・ジョンウォン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-07-10 21:14:52