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ロッテ「王子の乱」…ロッテの支配構造はいかに

辛東彬会長、日・ロッテホールディングスの株式50%以上を確保し「事実上一人者」 

    • < 日本ロッテホールディングスの株式分布 >

    辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長が、兄の辛東主(シン・ドンジュ)前日本グループ副会長の「クーデター」の試みを一日で制圧することができたのは、紛争の中心にあった持株会社の日本のロッテホールディングスの取締役会だけでなく、株式も事実上掌握したからだと知られている。

    29日、ロッテグループの関係者は、「シン・ドンビン会長が友好持分を含めて、日本のロッテホールディングスの持分を50%以上確保したと聞いている」とし、「友好勢力にはウリ社主組合(持分12%)だけでなく、辛格浩(シン・ギョクホ)総括会長と長い親交を維持してきた日本の個人株主もたまに含まれている」と明らかにした。この関係者は、「シン・ドンジュ前副会長は10%台後半の本人持分と光潤社(27.65%)、友好勢力である辛英子(シン・ヨンジャ)ロッテ福祉奨学財団理事長(約1%)の株式などを合わせても持分は50%に満たない」と明らかにした。

    韓・日ロッテグループの支配構造の最上位にある光潤社の株式は、かつてシン・ギョクホ総括会長が50%を所有したが今では二人の息子にそれらを与え、3人がほとんど同じように所有していると伝えられた。とは言え、シン・ドンジュ前副会長がわずかな差で筆頭株主の座を守っており、まだシン前副会長の影響力の下に置かれているとロッテグループ側は把握している。

    7人で構成された日本のロッテホールディングス取締役は、すでにシン・ドンビン会長が掌握したことが28日の理事会ではっきりと明らかになった。この日、シン・ギョクホ総括会長を除いて緊急理事会に出席した取締役全員(シン会長は棄権)は事実上の全会一致で、シン総括会長の代表取締役の解任と名誉会長への推戴件を可決した。

    • < 韓国ロッテvs日本ロッテ / 日本ロッテホールディングスとは… >

    この日の理事会は、シン・ギョクホ総括会長の指示で一瞬解任の危機に直面するところだった日本のロッテホールディングス取締役陣が、会社を正常に導くという意志を確認した場でもあるというのがロッテ側の説明だ。

    日本ロッテの主な役員は持ち株の争いではなく、シン・ドンビン会長がこれまで培ってきた成果により注目しているというのがロッテグループ側の解釈だ。ロッテグループの関係者は、「日本のロッテホールディングスは、これまで経営成果を見せたシン・ドンビン会長に信頼を持っている」とし、「シン会長の韓・日ロッテの統合経営に、日本の役員陣が積極的に協力していることも知ることができる」と語った。

    実際、緊急理事会が開かれた28日の夕方、シン・ドンビン会長を含む日本のロッテホールディングスの取締役6名と役員4人など10人は、前日の午後7時に日本で懇談会を行い、今後の日・韓ロッテグループの経営全般に関する話を交わした。この席でシン会長は、日本ホールディングスの役員に「動揺せずによく尽くしてほしい」と語ったことが伝えられた。

    佃孝之日本ロッテホールディングス代表は、3月にベトナムで開催された韓・日ロッテ食品関連会社の代表会議で、「韓国と日本のロッテは一人のリーダーの下に動かなければならない」と強調したことも、シン・ドンビン会長に向けた信頼を示している。

    韓国ロッテが80%と日本ロッテが20%出資した「統合ロッテ」の最初の仕事でもある、タイのバンコクロッテ免税店の準備が滞りなく行われていることもこれを証明している。ロッテグループの関係者は、「シン会長が事実上、日・韓ロッテの首長を兼ねていて、日本のロッテもこれを認めている」と明らかにした。

    日本ロッテの役員らが、長い間苦楽をともにしたもと日本グループの首長シン・ドンジュ前副会長よりもシン・ドンビン会長に高い信頼を置いている理由は、これまで韓国ロッテと日本ロッテが出したスコアの差が比較できないほど大きいからだ。

    日本ロッテグループがホームページを通じて明らかにした2013年の売上高は4兆5000億ウォンで、韓国ロッテの同じ期間の売上高83兆ウォンに比べて18分の1に過ぎない。

    20年前に先に事業を立ち上げた「長兄」としては自尊心が傷つくしかない部分だ。

    日本ロッテが停滞局面を迎えた一方で、韓国ロッテはシン・ドンビン会長が政策本部長に就任した2004年当時(売上23兆ウォン)に比べ、10年のあいだになんと3.6倍に成長した。

    このように、日本の役員らがシン・ドンビン会長が見せた「数字」に大きな信頼を持っているかぎり、すでに比較的低い経営評価の点数を受けたシン・ドンジュ前副会長が再び王冠を獲得するのは難しそうだ。シン前副会長が今回の経営権を確保しようとして挫折したことに対して受け入れられない場合は、臨時株主総会を招集して票対決を試みることもできるが、この対決の試みはけっきょく反転せずに終わるだろうという話が出てくる理由だ。
  • 毎日経済_イ・セボム記者/チャン・ヨンソク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-07-29 17:50:52