記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
コラム > FOCUS

中国、為替市場に電撃介入…史上最大幅の切り下げ

    • < ドル当たり人民元の推移 / 中国政府の為替市場介入の主要な背景 >

    中国の中央銀行である人民銀行は11日、異例の人民元切り下げを断行した。人民元安を誘導して不振に陥った輸出を拡大することが目的だが、国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)通貨バスケットに人民元を編入するために、為替相場に市場価格を反映した措置だという解釈も出ている。

    中国人民銀行は11日午前、ドル当たり人民元を6.2298元として告示した。去る10日のドル当たり 6.1162元よりも1.86%下げた数値で、人民元の値がそれだけ切り下げられたという意味だ。これは人民銀行が告示した人民元切り下げ幅では史上​​最大のレベルだ。

    人民銀行の電撃的な人民元切り下げ措置でこの日、市中の人民元の価値は大きな幅で落ちた。この日、場中での人民元の為替レートはドル当たり6.28人民元前後を上下した。これは人民銀行が告示した標準人民元の価値よりも1%近く低下したものだ。人民元の値は一時前日よりも1.3%落ちて、10年ぶりに最大の下げ幅を記録した。

    人民銀行は市場によって為替レートが決定されるようにするための措置で、最近は人民元の価値が他の通貨よりも高く、市場の期待から乖離していると説明した。実際、最近は米国の金利引き上げの動きが表面化して主要新興国の通貨が大幅に低下したが、中国人民元は比較的安定を維持してきた。

    これと関連し、市場では人民元の為替レートの引き下げ措置は最近、不振に陥った輸出景気を復活させるための刺激策の一環だろうと解釈している。中国最大の投資銀行である国際金融公社(CICC)はこの日、人民銀行の人民元の平価切り下げは長期的な為替レートの傾向を変えるものだとし、年末のドル為替レート予測値をこれまでのドルあたり6.15人民元から6.25人民元に調整した。

    先だって中国税関は、7月の輸出が前年同期比で8.9%減少したと8日発表した。市場予想の1.5%よりも下げ幅がはるかに大きく出るやいなや、市場では中国の実体経済の不振は短期間に回復できないだろうという悲観論が提起された。

    人民元の切り下げは中国政府の政策転換の信号としても解釈される。中国は経済成長率で輸出が占める割合は10%前後に過ぎず、上半期の輸出がマイナス成長を記録する時もこれに対する対策はほとんどなかった。

    李克強首相は先月、経済専門家らと座談会を開いた場でも「現政府は5つの経済指標を最高に重視している」とし、成長率・物価・雇用・所得・環境保護の成果などを挙げた。輸出は優先順位から押し出されたわけだ。

    とは言え輸出に依存している中小製造業の経営難が深刻化して、金融機関にまで危機が伝染する兆しが見えるやいなや、政府は電撃的に人民元切下げカードを取り出した。

    広東省などの製造業が集まった地域では不渡り業者が増加しており、銀行業界の不良債権の比率は昨年末の1.6%から6月末現在で1.82%に高騰した状態だ。

    市場では、人民銀行の今回の措置がIMFのSDRバスケットに人民元を編入するためのジェスチャーだという解釈も出ている。

    人民銀行は11日、基準為替レートを告示して今後の基準為替レートの決定プロセスを修正し、前日終値とマーケットメーカーの購入価格(market makers 'quotes)を反映することにした。今まで人民元の基準為替レートは全的に人民銀行が決定して告示した。

    管理変動相場制はそのまま維持するが、最大限市場価格に一致する基準為替レートを告示するという意味だ。

    最近、IMFが人民元のSDR通貨バスケット編入を来年6月以降に遅らせるとの見通しが出てきた、人民銀行の今回の措置は、これまでIMFをはじめとする国際金融機関が要求してきた人民元の為替レート自由化に対する改革措置と解釈することができる。

    これと関連し、コメルツバンクの周エコノミストは、「人民元のSDR編入のためには、人民元の為替レートがさらに市場親和的に決定されなければならない」と指摘した。

    しかし、人民銀行は今回の措置が一回性だという但し書きをつけ、為替制度の改革ではなく輸出企業の競争力強化に一次目的があることを強調した。
  • 毎日経済_北京=パク・マンウォン特派員 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-08-11 17:58:16