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TPPから疎外された韓国の選択は…「多国間貿易網構築の時代」

通商戦争、土俵大きく…韓国、メガFTAの浮上に非常警戒 

  • 環太平洋パートナーシップ(TPP)がメガFTA(自由貿易協定)の信号弾を打ち上げたことで、グローバル経済はいまや「二国間FTA時代」から「多国間貿易網構築の時代」に変貌する通商戦争を予見させる。通商戦争の核にはアジアが存在するが、韓国はTPPに足さえ踏み入れられず、参与中のメガFTAの相当数が膠着状態に陥り、韓国だけが疎外されるのではないかという懸念が出ている。

    • < アジア・太平洋地域の経済統合推進現況 >

    ▶ 本格化するメガFTA

    東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、韓・中・日FTA、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)などの3つの通商協定は、韓国をかこんで現在進行中の状況だ。

    韓・中・日FTAは3カ国間の協定だが、韓国第1位の貿易国である中国、隣接国である日本との経済網を統合しようとする協定だ。批准を控えた韓・中FTAの後続版でもある。

    12カ国が参加したTPPに向き合う対抗馬といわれる16カ国RCEPは、TPPとともにFTAAPに向かう段階として理解できる。

    FTAAPはAPEC 21カ国が目指す協定で、妥結するとTPPよりも大きな貿易網が形成される。

    二国間FTAに重点を置いた各国が、いまや多国間自由貿易協定の締結を通じて貿易障壁をなくそうとする傾向にある。 1990年代の世界貿易機関(WTO)のドーハ開発アジェンダ(DDA)が10年以上の難航のすえに失敗に帰結するきざしを見せるやいなや、韓国は2000年代に入ってグローバルな通商環境を2カ国がFTAを結ぶ二国主義に変貌したが、今回のTPP妥結で多国主義、すなわちメガFTAに力が注がれる雰囲気だ。

    対外経済政策研究院(KIEP)のキム・ヨングィ地域貿易協定チーム長は、「世界金融危機以降、複雑に絡み合っている二国間FTAのスパゲティボールの限界を克服するには、複数の国が参加する地域経済統合が避けられなかった」と説明した。互いに複雑に絡み合った規範を、多国間協定で一瞬に取り除けるという意味だ。

    ▶ 中・アセアン中心のRCEP

    東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と、韓国・中国・インド・日本・豪州・ニュージーランドなどの16カ国が参加しているRCEPは「TPPの対抗馬」と呼ばれる。 RCEPが公式に締結されれば世界人口の半分が参加し、GDP基準でTPPに次いで世界2位の巨大経済ブロックが生まれる。

    しかしRCEPが締結されるとしても、実効性においてTPPに満たないという評価が出ている。経済規模を見ても、TPPに押されて開放水準も低いからだ。 TPPに比べて関税撤廃率が高くない。

    ポスコ経営研究所のキム・ジソン首席研究員は、「RCEPは規範に対して国別の例外を認め、条件を勘案した段階的開放を追求しており、開放レベルは高くないだろう」と語った。

    TPPと経済規模を比較しても、RCEPは宣言的なスローガンにとどまる可能性が濃厚だ。 TPPはグローバルな人口数で11%、中国が含まれているRCEPはなんと48%も占めるが、GPのみを比較するとTPPが37%でRCEPの28%を圧倒する。

    ▶ TPP・RCEPはFTAAPに向かう足がかり

    TPPとRCEPは事実上、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を目指す。昨年11月、第22回APEC首脳会議で「FTAAP実現のための北京ロードマップ」が採択され、アジア・太平洋地域の経済統合が実質的に議論されているだけに、韓国の参加と効用がTPPとRCEPを超えた。

    韓国も先制的に動いているが、朴槿惠 (パク・クネ)大統領は昨年のAPEC首脳会議で「FTAAPを積極的に支持する」という見解を明らかにした。

    FTAAPは米国など、TPPの主要参加国と中国などがすべて含まれる。 21カ国が対象だ。経済規模でもグローバルGDPのうち56%に達し、妥結時は人類貿易網が最も広くなる。

    2004年のAPECビジネス諮問委員会(ABAC)で最初に提案されたFTAAPは、アジア・太平洋地域の経済統合という巨視的な話題を投げかけた。

    韓国はAPEC 20カ国に対する交易額は7091億ドル(2013年基準)で、わが国の貿易額全体のうち65.9%を占めるだけに、FTAAP創設は韓国には大きなチャンスとなる見込みだが、実際の妥結まで容易ではない。 APEC 21カ国が現在進めているFTAAP共同戦略研究は、はやくとも来年になればこそ出てくるからだ。

    国際貿易研究院(IIT)のチェ・ヒョンジョン研究委員は、「APEC 21カ国間の90あまりにおよぶ二国間・多国間FTAが発効しており、FTAAPを介して統一原産地・累積原産地規定を確立させると複雑な原産地規定を一挙に解消できる」と語った。
  • 毎日経済_ソ・ドンチョル記者/キム・ユテ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-10-08 07:26:36